THE BACK HORNが、10月にリリースしたE.P『この気持ちもいつか忘れる』の収録曲「ハナレバナレ」のミュージック・ビデオをYouTubeにて公開しています。
「ハナレバナレ」は、大人気作家・住野よるの小説『この気持ちもいつか忘れる』のあらすじから生まれた楽曲で、歌詞にある“この境界線を越えて君に触れたい”という言葉が小説テーマとなり、このプロジェクトそのものが目指すテーマにもなったという本作を象徴するような楽曲。物語の退屈な日常を過ごす主人公カヤと、異世界に住むチカという少女に抱いた制御できない抑えきれない感情が、曲のスピード感と共に情感たっぷりに表現されています。THE BACK HORNと住野がお互いを刺激し合い完成されたコラボレーション作品です。
撮影はスタジオでTHE BACK HORNのライヴさながらのアグレッシブな演奏シーンから、住野がイメージしていた書店に跨り実施されました。この作品の大きな見所となる“本を読む少女役”には、住野が役のイメージに合わせて推薦した女優 / タレント / ファッション・モデルとして多岐に活躍する大友花恋が抜擢。大友は2017年に公開された住野原作の大ヒット映画『君の膵臓をたべたい』で浜辺美波が演じる山内桜良の学生時代の親友・滝本恭子役で出演し、これで住野作品には2度目の登場となります。本作品の出演依頼をしたところ、普段から読書を趣味とし、住野作品を愛読されているということで快諾に至ったとのことです。
メイキング映像には大友が小説の世界に入り込み涙を流す迫真の演技に、それを見届けていたTHE BACK HORNの山田将司(vo)が思わずもらい泣きする場面も。また実際の書店である青山ブックセンター本店でも撮影が行なわれ、再びTHE BACK HORNの演奏シーンや、大友が本の世界にのめり込んでいくシーンなど、撮影は深夜遅くまで続きました。撮影後には、その日を跨いで10月14日に誕生日を迎えた岡峰光舟(b)へのバースデー・サプライズとしてスタッフからケーキがプレゼントされる一幕も。奇遇にも同じく10月に誕生日を迎えた大友(10月9日)、メンバーの山田(10月8日)、菅波栄純(10月16日)にも同様にケーキが渡されるなど、最後まで和やかな空気の中で撮影を終えました。
このミュージック・ビデオでは、小説と音楽のコラボという一見“静”と“動”のアンバランスに見えるものを“激情”という内面的な一面で結びつけられたもの、己の感情を内側から掻き立てる小説とTHE BACK HORNの激しい音楽によって、観ている人の世界を揺るがす激情を表現し、世界が広がる様子が描かれています。
なお、THE BACK HORNは12月6日(日)にメンバー自らが企画・演出を手掛ける年末恒例のスペシャル・イベント〈マニアックヘブンVol.13〉を配信ライヴで開催。選曲から演出まで全てがマニアックに構成される内容が話題を呼び、チケット入手困難が続くプレミアム・ライヴです。
[コメント] THE BACK HORNのMV企画に参加させていただけるなんて夢にも思っていませんでした。小説と音楽の境界線をこえたいと、そう願って始まった今回のプロジェクトの集大成として、本屋さんでの撮影を提案させていただきました。本棚が並ぶ空間でメンバーの皆さんが演奏を始められた瞬間、確かに境界線をこえたのだと感じ涙が出てきました。また、出演される女優さんとして大友花恋さんのお名前をあげさせていただきました。かつて「君の膵臓をたべたい」の原作を読んでくださった彼女が、この作品を通じてTHE BACK HORNの音楽に出会う、そんなストーリーが読者さん達にも起こってほしいと願いました。 ――住野よる