水いらずが、10月20日にリリースした配信限定シングル「su-mu」のミュージック・ビデオを、YouTubeのオフィシャル・チャンネルにて公開しています。
本ミュージック・ビデオは、鎌倉市に所在する旧神奈川県営湘南水道鎌倉加圧ポンプ所で撮影されたシーンが印象的な映像となっています。
本作公開に際して、水いらずの井上真、プロデューサー里見奎、監督の原龍之介からコメントが到着。
また、本作の配信リリースに際して、水いらずのnoteでは井上真(vo,g)へ「日本民謡と内臓の身体性について」と題したインタビューが公開されています。
[コメント]完成したMVをドリトスを食べながら見返していました。
僕はこの楽曲で、「ここにいられる」ということをかなり風刺的に描いたつもりでした。
今回の映像の中では、ふたりの女性が登場し、現在を生きる女性が見ず知らずの隣人の女性の過去に思いをはせます。
僕自身に関して言うと、隣に住んでいる人の素性を全く知りませんし、通りかかっても何も喋りません。
そういう意味では隣人がどう生きているかを想像することは、現代では難しいと思ってます。
その思いは「ここにいられる」と風刺した楽曲にも反映されています。
このMVはそういった楽曲の意図と反し、そんな現代を肯定的に捉えているのかも知れません。
その相反がこのMVの面白いとこだと思います。
是非見てみてください。――水いらずMVは通常、楽曲が完成した後に制作されるものです。
しかし「su-mu」のMVの制作工程では、楽曲と映像のビルドは同時並行で進められました。
バントと映像チームがテーマやイメージ、アイデアを共有し、双方向的に物づくりを行う……。
それは曲があって、それからMVが作られる通常の制作方法が親子関係のようなものならば、「su-mu」の曲とMVはそうした因果を超えた、まるで兄弟のような生まれ方をしているのです。
映像と音楽が時に完全にリンクしつつ、またある時はお互いにそっぽを向きながら、それでも息を合わせてイメージを紡いでいく……。
そんなMVと楽曲の独特のグルーヴ感を楽しんで頂ければ幸いです!――プロデューサー 里見奎『su-mu』の楽曲自体の「統制された混沌」状態ではなく、それに付随する映像としては「ちぐはぐな混沌」状態になりました。
意味の所在が曖昧という点において、PVという枠組みで考えると、ある種の理想的な状態なのだと思います。
そんな混沌とした映像を覗き込んだ時に、観ている人の中で何かしら目に焼き付く瞬間があれば幸いです。――監督 原龍之介