1999年に24歳という若さで悲劇的に銃撃され、命を落としてしまった90年代NYヒップホップの伝説的MC、ビッグ・L（Big L）の魂を継ぐ、豪華コラボレーション・アルバム『Harlem’s Finest: Return Of The King』が、10月31日にMass Apepealよりリリースされています。

　本作にはナズ、ジェイ・Z、故マック・ミラー、メソッド・マン、ジョーイ･バッドアスなど、世代とジャンルを超えたラッパーたちが集結。ファンが長らく待ち望んでいたナズとの歴史的コラボレーション「u aint gotta chance」（iTunesで1位を獲得）も収録されます。ほか、客演ラッパー / プロデューサーには、ジョー・バドゥン、コンダクター・ウィリアムス、ロード・フィネス、ショウビズ、ノヴェル、エロール・ホールデン、ストレッチ＆ボビート、ロン・ブラウズ、ビート・ブッチャ、マクグラフ、パーティー・アーティらが参加しています。

　1999年、ビッグ・Lは「Roc-A-Fella」レコードとの契約発表を目前に控えた24歳で銃撃により他界。当時、彼はヒップホップ界で最も急速に台頭する新進スターの一人であり、込み入った言葉遊びとユーモア、ストリートライフを代弁する卓越したリリシスとして高い評価を得ていました。1995年のデビュー・アルバム『Lifestyles ov da Poor & Dangerous』では、ロード・フィネス、ショウビズ、バック・ワイルドら著名プロデューサーたちが参加し、キッド・カプリ、キャムロン、無名だった頃のジェイ・Zらとコラボを展開し、「M.V.P.」（後にノトーリアス・B.I.G.が「One More Chance」のリミックスでサンプリングした）、「Put It On」、「Da Graveyard」などの名曲が誕生しています。

　1997年から死去するまでの間、ビッグ・Lは「Tommy Boy」レコードからリリース予定のアルバムをD.I.T.C.（Digging In The Crates Crew）と共に制作していましたが、録音された当時の音源の大半は、死後の2000年に「Rawkus」レコードからリリースされた2ndアルバム『The Big Picture』に用いられました。DJプレミアがエグゼクティブプロデューサーを務めた同アルバムには、DJプレミア、ピート・ロック、ロード・フィネス、ショウビズ、ロン・ブラウズ、マイク・ヘロン、2パック、ファット・ジョー、クール・G・ラップ、グールー、ビッグ・ダディ・ケイン、サダト・X、レミー・マー、O.C.、そして彼のFlamboyantクルーら豪華アーティストが参加し、史上最高の追悼アルバムの一つとして評価され、後にゴールドディスクに認定されています。

　今回新たにリリースされる『Harlem’s Finest: Return Of The King』は、ビッグ・Lの決定版であり、そしてラスト・アルバムでもあります。遺族がエグゼクティブプロデューサーを務め、マイク“ヘロン”ヘラードとロイス5’9”がアソシエイトプロデューサーを担当。故マック・ミラーとの共演「Forever」は、ビッグ・Lとマック・ミラーの両者の遺産管理団体の協力によって実現し、生前のマックの夢のひとつが叶えられています。

　なお、本作は、Mass Appealが展開する“Legend Has It”キャンペーンの一環でもあり、同キャンペーンにはスリック・リック、レイクウォン、ゴーストフェイス・キラー、モブ・ディープ、デ・ラ・ソウル、ナズ＆DJプレミア、そしてビッグ・Lの全7組のレジェンドアーティストがフィーチャーされています。