田口トモロヲの10年振りの監督最新作『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』。
峯田和伸&
若葉竜也をダブル主演に迎え、実際にあったロック・ムーヴメント“東京ロッカーズ”を題材に、オールスタンディングやフェスなど、今では当たり前となったインディーズ文化を切り開いた若者たちを描いた本作の公開を3月27日(金)に控え、3月16日(月)東京・豊洲PITにて、本映画のライヴ・イベント付き試写会が開催。
銀杏BOYZバンドの演奏で、峯田和伸&若葉竜也が歌う同作エンディング曲「宣戦布告」の初ライヴパフォーマンスと映画への熱いトークが披露されました。
本作は、青年カメラマンのユーイチ(峯田和伸)と、ヴォーカルのモモ(若葉竜也)率いるバンド“TOKAGE”の出会いから、彼らの音楽が若者たちを熱狂させるムーヴメントとなっていく様子を描いた青春音楽映画。ユーイチのモデルは原作者・地引雄一、モモは
LIZARDのモモヨ、さらに東京ロッカーズの中心人物
S-KENをモデルにしたS-TORAを
大森南朋が演じるなど、実在のアーティストを俳優陣が熱演している点も見どころです。イベント当日、峯田和伸と若葉竜也が披露したのはLIZARDの名曲をカヴァーしたもの。
試写が終わると、映画の感動冷めやらぬうちに、ギターの轟音が鳴り響きライヴがスタート。峯田和伸と若葉竜也が、「宣戦布告」を情熱ほとばしる歌唱で聴かせ、ラストには峯田が若葉を担いでバックドロップをかます場面も。続いて、峯田と若葉の紹介でS-TORA役を演じる大森南朋と田口トモロヲ監督が迎え入れられ、何と田口トモロヲ監督が率いた伝説的バンド“ばちかぶり”の「ONLY YOU」を田口トモロヲ監督のヴォーカルでサプライズ披露。貴重なパフォーマンスに観客も登壇者も大いに盛り上がり、峯田が監督を抱きかかえ、若葉も加わって3人でステージを転げ回るほどの熱狂となりました。
映画がまだ終わっていないかのような熱気が会場を包む中始まったトークセッションでは、峯田が「忘れられない最高の思い出ができました」と喜びをコメントし、若葉は興奮のあまり「あまり覚えてないんですよね、さっきの時間を」と陶然とした様子。
ステージ終わりに決められたバックドロップについて若葉が「楽屋で峯田さんに、バックドロップとか絶対しないでくださいねって言ってたら『しないしない』って言ったのに……」というと、峯田も「楽屋であんなこと言うから脳にこびりついてしまって。やらなきゃと思った」と返答。そんなふたりの姿を見た田口監督が「本当に峯田くんと若葉くんに出てもらって良かったなと改めて思いました」としみじみ。峯田たちに決められたバックドロップについて「この年でバックドロップ食らうって滅多にない経験。今日は本当に貴重な経験をさせていただいて、映画が公開するまでは生きていたいなと思いました」と笑うと、ひとり離れたところで3人の様子を見ていたという大森が「俺、すっごいうらやましかった。俺もいい歳なので、そこに入るのも大人げないし……」と残念そうに付け加えました。
ばちかぶり時代に作った「ONLY YOU」について聞かれた監督は「プラターズ『ONLY YOU』みたいなキャッチ―な曲を作ろうとして、こうなった」と説明。監督の歌唱で「ONLY YOU」が聴けたことを喜ぶ大森南朋は「ばちかぶりが当たりナゴム・レコードを立て直した」と続けるなど、元バンドマンらしい音楽愛をのぞかせました。
また、「宣戦布告」という曲をエンディング曲として選んだ理由について、監督は「やはりこの映画が持ってるテーマ、最終的な着地点として、この挑発的な題名と詞の内容がピッタリだと思いました。それと2人に歌ってもらいたいと思ったのは、映画の中の峯田くんはカメラマンという表現者ではありながらも、ムーブメントを目撃する側の人間だったので、やっぱり最後に峯田君の歌声が聞きたいと思ったこと。そしてモモ役の若葉君にも声を出して歌ってもらいたいと思ったこと。最終的には最後まで観てくれたお客さんに対してプレゼントをしたいなと思ったんです」とコメント。
そして、「峯田くんがこの『宣戦布告』が決まる前に、自分自身でも曲を作って持ってきてくれていた」と明かし、「峯田くんのそういう献身的な参加は本当にありがたかった」と感激。楽曲名は「パラダイス・ロスト」だそうで、「いつかまたその曲をぜひ」と今後が気になる発言も。
また、撮影のエピソードについて、峯田は印象深いシーンとして、盟友である若葉演じるモモ役に気持ちをぶつける場面をあげ、車中で弁当を食べながら撮影に臨む気持ちを整えていたところ、空を眺める監督を見かけたとのこと。「(映画の登場人物のモデルとなった)ミチロウさんやアケミさんに映画を見守ってください」と伝えているようで、監督にとっても大事なシーンだったのではないかと振り返りました。
そして、映画のタイトル“自分の音を鳴らせ。”にちなみ、「“自分の音を鳴らした”と感じたこと」について聞かれると、子ども時代、走るのが苦手だったという峯田は「小学校2年生の時に僕の中で革命が起きて。100M走で、スタートした瞬間にわざとめっちゃくちゃ派手に転んでやったんですよ。案の定みんなケラケラ笑ったんです。でも、俺は心の中で“俺が道化になってお前らを笑わせたんだ”って思って。それで“あ、俺この感じだったらいけるかもしれない”“これが俺のやり方かもしれない”って」というエピソードを披露。
若葉は「こんな多人数の前で歌ったのは初めてだから、今日です」と答え、大森は「僕は今でも探してます」と率直にコメント。監督は「僕にとってはやっぱりこの作品です。10年かかって、どんだけ遅いんだよと自分でも思ったんですけど、ようやく完成して、その時間がやっぱり自分にとって必然だったんだなと思って。そして、今日見てやっぱり本当にいいキャストに恵まれたなと思って。もちろんスタッフィングもそうなんですけど、だから、この作品こそが自分の音です」と熱い想いを語りました。
最後の挨拶では、仕事の合間を縫って駆け付けた大森が「今日は本当に幸せな体験ができた」と感激し、若葉は「試写会中もスクリーンの裏で見ていたが、映画を共有できて良かった」と当日の喜びをコメント。峯田は「撮影が終わり1年たつけど、公開前になって早くもさみしい」と映画への愛着をのぞかせました。
映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』は、3月27日(金)より全国公開。なお、イベントで披露された峯田和伸&若葉竜也による「宣戦布告」は、3月20日(金・祝)に配信リリース、大友良英が手掛けたサウンドトラックも同日CDで発売されます。
Photo by @orz_____rio_08©2026映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』製作委員会