2006/08/03掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
マイケル・ナイマンが音楽を手がけたことでも知られる
『コックと泥棒、その妻と愛人』や、
緒形拳と
ユアン・マクレガーが出演した
『ピーター・グリーナウェイの枕草子』など、日本でも高い人気を誇る映像作家
ピーター・グリーナウェイ。彼が1983年にイギリスのTV局「チャンネル4」のために制作、
ジョン・ケージをはじめ、4人の前衛音楽家を追った映像ドキュメンタリーの初DVD化が決定しました。
“4 American Composers”シリーズと名付けられたこの作品、日本では
『ジョン・ケージ/ロバート・アシュリー』(KKDS-329 \5,040(税込))と
『フィリップ・グラス/メレディス・モンク』(KKDS-330 \5,040(税込))の2タイトルとして9月30日に発売されます。
気になる内容は、というとジョン・ケージ生誕70周年記念イベント「ミュージックサーカス」の模様を中心に「Roaratorio(ロアラトリオ)」やジョン・ケージが“発明”したプリペアド・ピアノのために作曲された「ソナタとインターリュード」など代表作の演奏シーンが収録されているとのこと。稀代の詐欺師とも20世紀最大の前衛音楽家とも評される彼の“偉業”を自らの目で確かめうる内容であることに間違いはありません。また、膨大な“言語(語り)”をフィーチャーしたオペラ「テレビ・オペラ」を確立したことで知られるロバート・アシュリーをフィーチャーしたコンテンツでは
ローリー・アンダーソンのバンドでも活躍する
ピーター・ゴードンらの演奏シーンも収録。
同時発売の『フィリップ・グラス/メレディス・モンク』にはクラシック畑から
ラヴィ・シャンカール作品を手掛けるうちにインド音楽の技法に目覚め、北アフリカ、ヒマラヤの音楽も取り入れた独自の発想で、コンサートやオペラ、映画音楽などを手掛けてきた
フィリップ・グラスのコンサート演奏と貴重なインタビュー映像が収録。音楽、演劇、文学、視覚芸術を融合した“インター・メディア”の第1人者ともいわれ、音楽以外の手法で作曲の可能性を探り続けた女性作曲家メレディアス・モンク編には初の映像作品『16ミリのイヤリング』が収められているとのこと。
いわゆる「現代音楽」「前衛音楽」とはいったい何なのか、既存の価値観、音楽を解体し続けることでアートの可能性を模索したアーティストたちの姿に肉薄する、奇跡的なドキュメンタリー映像は、グリーナウェイ・ファンのみならず、すべての音楽ファン必見です。デヴィッド・チュードアのインタビューが収録された
クラウス・リンデマン監督のドキュメンタリーDVD
『ジョン・ケージ』(写真)とともにぜひお手元に!