国際的評価を集めるエレクトロニック・ミュージック・アーティスト、
冥丁が、「失日本」シリーズ3部作『古風』に追伸し、進化させた最新作『瑪瑙(めのう)』を4月17日(金)にCDとLPでリリースします。
冥丁は、2020年から2023年にかけて発表された三部作『
古風』において、“自明でありながらも幽微な存在として漂う日本”の印象を「失日本」と名付け、日本文化から失われつつある感覚や記憶を現代的な感性で再構築してました。
そして、長い時間をかけて層を成し、圧力と沈殿を経て形成される鉱物“瑪瑙”の生成過程を音楽的思考の比喩とし、粒子が積み重なり、やがてひとつの質感となるように冥丁は過去の作品と向き合い続けてきました。
本作『瑪瑙』には、2020年の『
古風』に収録された「花魁Ⅰ」を再編成した「新花魁」をはじめ、三部作の楽曲を再構築・拡張した作品を収録。日本・欧州・アジアを巡るツアーで、ライヴハウスや文化財、歴史的建造物など多様な空間で演奏を重ねる中で変化してきた楽曲の構造や時間感覚が再編成され、現在の冥丁の視座から再提示しています。環境によって息遣いや佇まいを変え、時間の流れとともに革新してきた音、その堆積が刻まれた一作と言えるでしょう。また、未発表の新曲「覇王」も収録されています。
『古風』は、民俗、怪談、演劇、忘却された都市の記憶といった断片を素材としつつ、単なる歴史の再現ではなく、現在の視点から過去を見つめ直す試み。一方、『瑪瑙』は、その視線がさらに内側へ向かい、過去を参照するのではなく、過去を抱えながら今を前進する姿勢を鮮明に表現したもの。朽ちゆく音の層を漂う声、非伝統的に用いられる古楽器、明確な終止を持たない旋律など、そこには、日本的感性を問い続けてきた冥丁の現在地が示されています。
ジャケット原画は、京都・西陣の唐紙工房「かみ添」による京唐紙作品を基に制作。タイトルの書は台湾人アーティストBio Xieによるものです。ライナー写真は、前作『泉涌』でも撮影を手がけた岡本裕志が担当しており、冬の海や断崖の風景が、広島で過ごした十年間の内面的な葛藤を象徴しています。
マスタリングは、フ
ライング・ロータス、
マッドリブ、
J・ディラらの作品を手がけてきたKelly Hibbertが担当しています。
写真・岡本裕志