デビュー以来、一貫して大音量かつハイスピードのサウンドを追求し、後のスラッシュ・メタルやハードコア・パンクにも大きな影響を与えている伝説的なバンドの
モーターヘッドが、4月17日(金)に3枚組CDとBlu-rayからなる4枚組ボックス・セット『オン・パロール・セッションズ』を全世界同時リリースします。
『オン・パロール・セッションズ』は、貴重な初期レコーディング・セッションを収録し、後に4枚目のアルバムとして公式にリリースされることとなった初のスタジオ・レコーディング・アルバム『オン・パロール』の完成50周年を記念した4枚組ボックス・セット。
スティーヴン・ウィルソンによるオリジナル・アルバムの最新リミックスを収録したCDを始め、リチャード・ディグビー・スミスがミックスしたデモ・ヴァージョンやインストゥルメンタル・ジャムなど、膨大なセッション・アウトテイクを収録した2枚のCD、そしてオリジナル・アルバムのAtmos MIXや5.1 MIX、ステレオMIXやオリジナルLPのフラット・トランスファー音源を収録したBlu-rayを同梱しています。
『オン・パロール』は、ギターの
ラリー・ウォリス、ドラムの
フィル・テイラーとルーカス・フォックス、ベースとヴォーカルの
レミー・キルミスターというオリジナル・ラインナップで1975年にレコーディングが行なわれた、モーターヘッド初のスタジオ録音作品。オリジナル・メンバーによってレコーディングされた唯一のモーターヘッドのアルバムです。
同作は1976年に完成したモーターヘッドの最初のレコーディング作品ではありましたが、当時のレコード・レーベル「ユナイテッド・アーティスツ」によって発売が見送られたため、後に4枚目のアルバムとして1979年にリリース。ロック史において最も重要なバンドの一つの出発点となるアルバムとなりました。これらの初期のレコーディング・セッションは、モーターヘッドの妥協のないサウンドを確立し、レミーにとっての転機に。後にレミーが自身のバンドの中心人物となり、意図せずしてロック・ミュージック界で最も象徴的で影響力のある、そして称賛される人物の一人となりました。
イギリスの音楽文化に極めて大きな影響を与えた同作は、数少ないアルバムの功績として、ロックからヘヴィメタル、そしてパンクへの架け橋に。レミーはスペース / プログレッシヴ・ロックのレジェンド、
ホークウインドから脱退した後、情熱と信念を共にする旧友ルーカス・フォックスと再び交流を深め、そこからモーターヘッドが誕生。意図的にラウドでアグレッシヴ、そして挑発的な彼らの楽曲は、20分にも及ぶギターソロではなく、短く鋭い衝撃を与えるものとなりました。
モーターヘッドは、当時の主流とは根本的に異なるスタイルを持つバンドで、その音楽と姿勢は、アイデンティティを見出せない若者世代に訴えかけ、体制へ中指を立てる行為そのものでした。1973年の石油危機後、失業率は急上昇し、当時、若者の多くは音楽界を代表する億万長者の“ロックの王様”たちとはほとんど、あるいはまったく共通点がなかったといえるでしょう。ある意味、若者たちは“自分のバンド”を持っていなかったのです。
当時モーターヘッドのようなスタイルの音楽は演奏されず、ウォーピッグス / スナグルトゥースのロゴ、レザージャケット、カウボーイブーツ、そしてドクロなどのルックスや服装をした人もおらず、モーターヘッドの結成は、唯一無二で影響力のある出来事となりました。レミーの妥協を許さない、容赦のない反体制的な姿勢は、
デイヴ・グロール、
メタリカ、
パンテラ、
ザ・ダムド、
ビリー・アイドルなど、さまざまな音楽スタイルの多くのミュージシャンに影響を与え、バンドを結成するきっかけにもなりました。
元来『オン・パロール』のために録音された曲の多くは、レミー、“ファスト”エディ・クラーク、
フィル・“フィルシー・アニマル”テイラーなどのクラシック・モーターヘッド・トリオによってレコードやライヴで定番となり、1981年には楽曲「モーターヘッド」がイギリスのトップ10入りを果たしました。1979年のリリース時にバンドは当初『オン・パロール』から距離を置いていましたが、レミーは後のインタビューで、「これが本当の最初のモーターヘッドアルバムで、バンドの物語の一部である」と語る一方、「完全に異なるバンドであったが、店頭に並ぶのが遅かったからといってアルバムとして劣るわけではない」と指摘しています。