ニュース

三味線ブームの先駆け 津軽三味線奏者・高橋竹山の音源が誕生日に一挙配信決定

初代高橋竹山   2026/06/17 12:14掲載
三味線ブームの先駆け 津軽三味線奏者・高橋竹山の音源が誕生日に一挙配信決定
 津軽三味線演奏家、高橋竹山の音源が、竹山の誕生日となる6月18日(木)にソニー・ミュージックレーベルズ「粋凛すいりん」より一挙配信されることが決定しました。

 高橋竹山は、渋谷にあった小劇場「ジァン・ジァン」で、1973年以降毎月ライヴを行ない、民謡になじみのなかった多くの若者たちの心を捕らえ、全国に竹山の三味線ブームをわき起こしました。この「ジァン・ジァン」での初ライヴから1981年までの、ソニーミュージックにあるすべての貴重な音源が、今回配信でも楽しめるようになります。

 竹山は本名を定蔵(さだぞう)といい、明治43年(1910年)に青森県東津軽郡中平内(なかひらない)村字小湊に生まれ、2歳頃麻疹をこじらせて半失明になりました。小学校は3、4日行ったのみで、その後は家の手伝いなどをしていたと言います。

 14歳のとき(1924年)、隣村のボサマ(盲目の門付け芸人)戸田重次郎の住み込み弟子となって唄と三味線を習い、16歳(1926年)で独立。生きるために北海道や東北各地を門付けしてその日の糧を得て生計をたてましたが、目が見えないことで差別も受けてきました。竹山にとって三味線はあくまでも生きてゆくための手段でしたが、並外れた音感を持っていたため、浪曲節をレコードで聴き独学で習得し、浪花節の曲師を勤めたことも。しかし、戦争で演奏活動が難しくなり、一度三味線を離し34歳(1944年)で八戸盲唖学校に入学し、卒業して鍼灸マッサージの免状をとりました。

 40歳(1950年)に転機が訪れ、東北民謡の大家、成田雲竹(なりた・うんちく)の伴奏者として活動。雲竹が各地で埋もれていた民謡を掘り起こし、竹山がそれに三味線をつけるなど、民謡と向き合う日々を送るようになり、この頃から竹山という号を名乗ります。

 1964年、雲竹・竹山コンビ最後の公演のときに、竹山はコンサート会場で初めて三味線独奏を披露。この時、自分の演奏に対し真剣に耳を傾ける「聴き手」(観客)と出会い、自分の進む道を確信し、のちにブームを起こす存在へと躍進していきます。1974年に青森市の大ホール満員で開催した竹山演奏生活50年記念の演奏会のとき、竹山は「10年かかったなあ」としみじみ語ったそうです。そして1973年から、当時時代に敏感な若者が集まり多くの著名なアーティストたちが出演した聖地、小劇場「ジァン・ジァン」で毎月ライヴを行うようになり、全国に竹山の三味線ブームがわき起こることとなりました。

 スティービー・ワンダーは、来日のたびに竹山と会いたいと願っていながら果たせなかったそうです。北島三郎の代表曲のひとつでもある「風雪ながれ旅」は、竹山がモデルとのこと。また、棟方志功と親交があり、竹山が吉川英治文化賞を受賞した際にはメッセージを送られています。竹山は多くの著名な方たちにも心を通わせ、響かせていました。

 今回の一挙配信は、竹山が三味線に魂を込めて真剣に向き合い、作り上げ、そして挑戦した音の世界を存分に堪能できる機会となります。

 配信される作品は、以下。曲目の詳細は、「粋凛すいりん」レーベル・粋凛アーカイブスの特設サイトをご確認ください。

『津軽三味線 高橋竹山』
演奏生活50周年を記念するレコード・シリーズとしてCBS・ソニーから発売されたアルバム第1弾。
竹山が1973年12月に東京渋谷の小劇場「ジァン・ジァン」で行った初めてライブを録音したもの。


『津軽三味線 高橋竹山 その2』
竹山が「津軽総合曲」と名づけて演奏した曲に手を加え発展させた「即興曲《岩木》」、そして津軽の代表的な民謡や成田雲竹が作った「リンゴ節」を、竹山が三味線で演奏したものを収録。

『津軽三味線 高橋竹山 その3』
組曲として作られたアルバムで、青森県十三村の野外、小湊にあった竹山の自宅で、そして青森市で開かれた50周年記念リサイタルの最後に演奏した即興曲「岩木Ⅱ」を収録。竹山音楽の中の津軽風土とその匂いを感じさせる作品。

『津軽三味線 高橋竹山 その4-竹山 民謡の心を語る-』
竹山が「民謡の心」を三味線と須藤雲栄の唄を交えて語り、そして雲栄の唄、竹山の弟子で高橋竹与の〆太鼓、竹山の三味線で津軽民謡を収録した、聴きごたえある作品。

『津軽三味線 高橋竹山 -出合い-』
二十絃・二十五絃の開発とその演奏者として、また古典だけでなく現代箏曲の分野でも活躍し、国内外で人気と話題を集めた箏演奏家の野坂恵子(二代目 野坂操壽)の二十絃箏と、竹山の津軽三味線の「出合い」による二重奏2曲を収録。また「津軽三味線と二人で」と題して、竹山のひとり語りと、シングル レコードでしか発売されていない「津軽三味線即興曲《津軽》」を収録。

『津軽三味線 高橋竹山 1978』
津軽の代表的な民謡「じょんから節」「よされ節」「あいや節」を、それぞれの曲調をもとに竹山と弟子の高橋竹与(二代目 高橋竹山)の二人で、ほぼ即興で音を重ね作り出した二重奏と、竹山の独奏曲「即興曲《岩木》」の1978年バージョンを収録した、竹山の並々ならぬ創作力をうかがせる作品。

『津軽三味線 高橋竹山 1981』
竹山がCBS・ソニーで最後に発売したアルバム。これまでの到達点に安住せず、たえず新しいものにつくり直したいという意欲にあふれ勢いを感じる、竹山が72才のときに録音した作品。あらゆる技法を駆使した勇壮華麗な独奏曲「即興曲《岩木》」の1981年バージョンを収録。

高橋竹山
門づけ芸から始まった
放浪の生涯

津軽のボサマの系譜をひき、
土着性に拘泥して洗練された
最后の三味線ひき。

津軽三味線の高橋竹山

その生涯は、日本の芸能史の
これまで光のあたらなかった側面を
明らかにする。

貧しく、眼の不自由な人間が
いかに生きたかの半世紀として
感銘を与える。

一本の弦の振動が心を揺さぶり、
感動を生み、人と人の心を繋ぎ
平和を生む。

人生の有様を鮮やかにし、
平和を音楽で満たす。

その音楽は平和な世界を創り出す。

――高嶋 進(ジァン・ジァン劇場こや主)

写真提供:プロダクション ジァン・ジァン

■2026年6月18日(木)一挙配信
『津軽三味線 高橋竹山』
『津軽三味線 高橋竹山 その2』
『津軽三味線 高橋竹山 その3』
『津軽三味線 高橋竹山 その4-竹山 民謡の心を語る-』
『津軽三味線 高橋竹山 -出合い-』
『津軽三味線 高橋竹山 1978』
『津軽三味線 高橋竹山 1981』


「粋凛アーカイブス」特設サイト
110107.com/suirin_archives

高橋竹山 Linkfire
LGP.lnk.to/ChikuzanTakahashi_all
最新ニュース
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。