生誕70周年、
ザ・ビートルズでのデビュー50周年というアニバーサリー・イヤーを迎えた今年、
ポール・マッカートニー(Paul McCartney)が待望の新作
『キス・オン・ザ・ボトム』を2月8日にリリースします。
1930〜40年代に書かれた古き良きアメリカのスタンダード・ソングのカヴァーを中心にした、ポールにとって初めての試みとなる本作。プロデュースは米国音楽界の巨匠トミー・リピューマがつとめ、ジャズ界の女王
ダイアナ・クラールが自身のバンドを率いて全面バックアップ。さらには、
エリック・クラプトンと
スティーヴィー・ワンダーがゲスト参加と、ポールらしい豪華な作品となっています。
そのアルバム・プロモーションの一環として、現地時間1月19日にロンドン市内のホテルにて世界各国のメディアを集めて記者会見が実施。会見には20ヵ国から40社近いメディアが参加。会見は2回に分けて開催され、うち1回はポールのオフィシャル・サイト(
www.paulmccartney.com)を通じてライヴ・ストリーミング。途中、事前に寄せられたファンからの質問に答える場面も。
会見でポールは、新作がスタンダード・ソングのカヴァー集となったことについて、「ずっと前から考えていた企画だったんだけど、やろうとするとロビー・ウィリアムスとかロッド・スチュワートとか、いつも誰かに先を越されたんだ(笑)。でも今回のプロデューサーのトミー・リピューマに相談したら、そんなこと気にしないでやろう、と言ってくれたんだ」、収録曲のスタンダード・ソングに関しては、「子供のころラジオで聴いたり、父親がピアノで弾いてくれたりして知った曲もある。特に<イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン>には父の思い出がある」と語りました。
レコーディングは、ハリウッドの歴史あるキャピトル・スタジオを中心に行なわれたそうで、「ダイアナ・クラールをはじめとする素晴らしいジャズ・ミュージシャンをバックにして歌うので、最初はどうしていいか戸惑ったよ。今回はスタジオに入ってから、ダイアナたちとアレンジを相談しながら録音していった。とてもオーガニックな進め方で僕にとっては新鮮だった。でも後から思えば、ビートルズの頃もこんなやり方で録音していたんだよね」。
そしてファンからの「アルバムの中でお気に入りの曲は?」という質問については、「マイ・ヴァレンタイン」と「バイ・バイ・ブラックバード」とのこと。特にリード・トラックとなっている書き下ろしの新曲「マイ・ヴァレンタイン」は、新妻ナンシーとモロッコに旅行中、まさにヴァレンタイン・デーに書き下ろした曲とのことで、特別に大切な曲のよう。
そして記者会見終了後に、ポールのオフィシャル・サイトで、2月12日にロサンジェルスで開催される第54回グラミー賞の授賞式で、ポールが演奏することが正式発表。ポールはこれまでにグラミーを14回獲得しており、今回も『バンド・オン・ザ・ラン』の再発盤が「最優秀ヒストリカル・アルバム部門」にノミネートされています。
一部メディアでは、今年のロンドン五輪への登場も報じられていますが果たして……? いまだ若々しく話題を振りまくポールに今後も注目です。