第48回〈ベルリン国際映画祭〉フォーラム部門“ヴォルフガング・シュタウテ賞 / NETPAC賞”受賞作
『一瞬の夢』(1997)、第57回〈ヴェネツィア国際映画祭〉コンペティション部門“NETPAC賞”受賞作
『プラットホーム』(2000)、第66回〈カンヌ国際映画祭〉“脚本賞”受賞作
『罪の手ざわり』(2013)などの傑作群で知られる中国映画界の巨匠
ジャ・ジャンクー。その最新監督作「山河ノスタルジア」(
www.bitters.co.jp/sanga)が、4月23日(土)より全国順次ロードショウ。1999年、2014年、2025年という3つの時代を舞台に、過去、現在、未来を越境する愛の物語となっている「山河ノスタルジア」。同作では移り行く風景と共に、ノスタルジアを喚起する様々な“懐かしの名曲”が使用されています。
物語の重要なシーンでは、“香港の歌姫”と謳われた
サリー・イップが1990年に発表した名曲「珍重」が登場。同楽曲についてジャ・ジャンクーは「サリー・イップさんの曲だけではなくて、80年代のポップスとかも聞くのがすごい好きなんです。
山口百恵さんの曲はいまでも聞きます。ノスタルジックすぎるかな、と思っていた時期もありましたが、なぜあの頃の曲が自分が好きなのか、気づき始めました。たぶんその理由は、流行りの歌自体が変わったからだと思います。いま流行っている歌も素敵だなとは思うのですが、ただ僕が聞いている時代のものとは何か違う、もっと深い情を昔の曲には感じました」とコメント。
予告編(youtu.be/9GPB5D3LGI0)でも聴くことができる1993年発表の
PET SHOP BOYSによる
VILLAGE PEOPLE名曲カヴァー「Go West」については、「僕の記憶の中では中国でディスコが流行ったのは1990年代の半ばだったはずです。僕もしょっちゅうディスコに行っていました。その中で〈Go West〉という曲は、みんなに歓迎された曲でした。そして、その曲は当時の若者の想いを反映した作品だったと思います。歌詞の内容が“前に前進して進んでいこうよ、きっと何かが変わっていくよ”というものを感じる曲でした。ディスコで〈Go West〉がかかると、知らない人と手をつないで踊ったり、肩を組んだりしていました。私たち若者の一種の儀式的なイメージをもっていたんです」と語るジャ・ジャンクー。これに対しPET SHOP BOYSは、公式Twitterアカウント(
twitter.com/petshopboys/status/648891550139817986)にて「私たちの曲が中国の著名監督、ジャ・ジャンクーの作品に使われています!」とツイートし、映画にエールを送っています。
なお、映画全体を彩る劇伴は、『プラットホーム』や
『四川のうた』(2008)でもジャ・ジャンクー監督とタッグを組んだ音楽家・
半野喜弘が担当しています。
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