2019年に発表した2枚のアルバム、『U.F.O.F.』と『Two Hands』で瞬く間にUSインディ・シーンの頂点に上り詰め、『U.F.O.F.』が〈グラミー賞〉の最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバムにノミネートされたビッグ・シーフ。このバンドでヴォーカリストを務めるエイドリアン・レンカー（Adrianne Lenker）が、2枚のソロ・アルバム『songs』と『instrumentals』を10月23日（金）に同時発売します。『songs』の収録曲「anything」のオフィシャル・オーディオがYouTubeで公開中です。

　この2枚のアルバムは、ビッグ・シーフのワールド・ツアーがコロナ禍により中断された3月初旬に、レンカーが移住した米マサチューセッツの山小屋で制作されました。「まるでアコースティック・ギターの中にいるような感じがした。そこで音が鳴り響くのを聴くことができて私は深い喜びを感じたの」と語るとおり、その空間への深いシンパシーからレコーディングを開始。大量のテープ・マシン、バイノーラル録音用のダミー・ヘッド、山ほどのXLRケーブルを集め、エンジニアのフィリップ・ワインローブの協力のもと、デジタル・プロセスを経ずに、アナログ機材のみで録音されています。『songs』は9曲をその場で書き下ろし、今回公開された「anything」を含む全13曲を収録した弾き語りのアルバムで、『instrumentals』は「music for indigo」と「mostly chimes」という長尺のインスト曲から成り、レコーディング中、1日の始まりと終わりに日課として取り組んでいたアコースティック・ギターの即興演奏をコラージュした内容。アンビエント〜ポスト・クラシカル領域でも鳴り響く滋味深く静謐なフォーク・サウンドを展開しています。また、アルバムを華やかに飾る水彩画のアートワークはレンカーの祖母であるダイアン・リーが手掛けています。

　CD / LP版は『songs and instrumentals』として2枚組で発売され、日本盤CD（2CD 4AD0302CDJP 2,500円 + 税）には解説および歌詞対訳を封入。ボーナス・トラックとして『songs』に「red leaves, falling」が追加収録されます。