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“ヴァーチャルドリカム”「MASADO」AND「MIWASCO」のパフォーマンスが地上波初公開

DREAMS COME TRUE   2021/03/24 12:47掲載
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“ヴァーチャルドリカム”「MASADO」AND「MIWASCO」のパフォーマンスが地上波初公開
 DREAMS COME TRUEの大ヒット曲をDNAレベルまで分解・ディスコ仕様に変換して歌う“ヴァーチャルドリカム”「MASADO(マサド)」AND「MIWASCO(ミワスコ)」による、「決戦は金曜日 - DOSCO prime Version -」のパフォーマンス映像が、3月24日(水)に日本テレビ『Premium Music 2021』で地上波初公開されることが発表されました。

 2020年10月にリリースされたアルバム『DOSCO prime』は「うれしい!たのしい!大好き!」「大阪LOVER」「何度でも」「やさしいキスをして」など、ドリカムのキャリアを象徴するヒット曲や代表曲を、中村正人吉田美和自ら解体し再構築するというコンヴァージョン的手法で作りあげた一作。中村正人と吉田美和のアバター“ヴァーチャルドリカム”こと「MASADO(マサド)」AND「MIWASCO(ミワスコ)」が、オンラインイベント内で『DOSCO prime』の楽曲を披露したことで、本アルバムが“ヴァーチャルドリカム”のデビュー作であることが示されました。

 2021年1月31日にはヴァーチャルタレント / シンガーの音楽フェス〈VTuber Fes Japan 2021〉に初出演を果たし、「うれしい!たのしい!大好き!- DOSCO prime Version -」と「未来予想図II- DOSCO prime Version -」を披露。活動の幅が広がり続けている中、遂に地上波でパフォーマンスを初公開するに至りました。“ヴァーチャルドリカム”がお茶の間に登場するその瞬間に注目です。

 なお、バーティカル・シアター・アプリ「smash.」とDREAMS COME TRUEのスペシャル企画が展開中です。デジタル・アバターの「MASADO」と「MIWASCO」が、ディスコ仕様に完全変換されたDCTのヒット楽曲を披露する〈MASADO AND MIWASCO SPECIAL LIVE SHOW〉に加え、現実のDCTが東京・Blue Note TOKYOで収録したアコースティック・ライヴ〈DREAMS COME TRUE ACOUSTIC – MI LIVE SHOW〉の2つのスペシャル・ライヴからのクリップが配信されています。スマートフォンなどのデジタル・デヴァイスに特化された縦型の映像で観るDREAMS COME TRUEのライヴは、かなり新鮮な印象。詳細は、「smash.」のオフィシャル・サイトをご確認ください。

[『DOSCO prime』全曲解説]
「うれしい!たのしい!大好き!- DOSCO prime Version -」
原曲との対比において、コンヴァージョン的手法を認識するのにこの曲がもっともわかりやすい例かもしれない。もともとあったイントロのきらびやかなフレーズの裏を行くような出だしのベースラインの一部を発展させて用い、リズムは4つ打ちに、そしてバッキングで鳴るフルートのフレーズはシンセのエレクトリカルな音色に置き換えられている。しかしもっとも大胆に手を加えたのはヴォーカルだ。全編にわたって施されたヴォーカル・エディットは生歌との絶妙な境界線上で響く。まさに“こっち”と“あっち”のマッシュアップ的楽曲と言える。

「決戦は金曜日 - DOSCO prime Version -」
この曲を象徴するイントロ冒頭のフレーズは、原曲では実は頭の部分に一回しか使われていない。ところが、新ヴァージョンではイントロから4回繰り返され、しかもサビでもサンプリングされて用いられるというクドさ。いや、クドいというのはディスっているわけではない。クドさ(ループ)こそがダンスミュージックの流儀なのだ。アフロハウス風のトラックが、否が応でも気分を上げるこの曲、DJのつなぎの手捌きが見えるようなライヴ感満載の間奏から、後半の畳み掛けが“近づいてく 近づいてく”感がものすごい。

「大阪LOVER - DOSCO prime Version -」
もともと四つ打ちのハイパーなトラックが印象的だったこの曲。新しいヴァージョンでは、切なさが漂うエレクトリックピアノのイントロにキックの四つ打ちとハイハットがソフトランディングする。こう言ったら大阪の人に怒られるかもしれないが、大阪的コテコテ感を抜いて、歌詩に出てくる彼女(東京在住)の目線と心情によりクローズアップした新たなラヴソングといった印象。言うなれば『大阪 LOVER 東京 MIX』といったところか。ヴォーカルのエフェクトは深めで、その無機質な感じもどこか東京感に通じるものがある。

「何度でも - DOSCO prime Version -」
ストイックなベースラインにサビから合流するのは、ファンファーレのような80年代的シンセの音色。完全に最新シングル『YES AND NO』の流れにある1曲ということがわかる。過去曲が最新曲を通過して、また新たな命を吹き込まれる――サスティナブルとも言える幸福な音楽的循環が感じられる1曲だ。BPMは当然ながら原曲に比べ速いのだが、ライヴの体感としては、むしろ最新ヴァージョンの方に親近感を覚える。これもまた楽曲の進化の重要指標を表していると言えるだろう。

「やさしいキスをして - DOSCO prime Version -」
2010年代初頭にディスクロージャーなどが切り開いた新しい流れをさらに発展させて、ここ数年、UKガラージ / 2ステップが何度目かのリバイバルで盛り上がっているが、そんなトレンドを完全に射程にとらえたアレンジ(と僕は解釈しました)。オリジナルの本質を壊さず、ここまで曲の解釈を変更できるのは、単純な話、作った人がやっているから。オリジネーターの強さとしなやかさが曲に息づいている。今回の収録作品の中で、個人的にもっとも感銘を受けたアレンジだ。

「LAT.43°N〜forty three degrees north latitude〜 - DOSCO prime Version -」
もしかしたら、89年当時に彼らの頭の中ですでに鳴っていた音像が、2020年になってようやく形にできたのでは――そのことをもっとも強く感じさせる曲。シンセによるオープニングの印象的なフレーズはそのまま残し、驚かされるのは、オリジナルを解体、再構築したベースラインだ。なんと言っても細かな配合がなされたであろうシンセベースの音色一発で勝負あり。間奏からブリッジ、最後のサビへの怒涛の流れが、強くフィジカルに訴えかける、プログレッシヴ・ハウス要素の強いチューン。

「その先へ - DOSCO prime Version -」
Kaskadeやデヴィッド・ゲッタにも通じるディープなトラックが体を揺らす。闇の中を高速で疾走するような音像が歌詩の内容とリンクして、曲の持つ世界観をグッと押し広げていく。後半に出てくる〈何も起こらないように願って〉から始まるヴァース部分における、言葉のアタックとトラックのシンクロ具合がこの曲の真骨頂。そして大サビ明けにすっと闇が取り払われるような抜け感がクセになる。言葉と音の密な関係性を改めて感じる1曲だ。

「TRUE, BABY TRUE. - DOSCO prime Version -」
この曲が発表された2008年当時、ここで鳴っているビート感や音色は、まだまだポップスシーンの音ではなかった。だから逆に言えば、そのまま2020年のこのアルバムに入っていてもほとんど違和感がない。そんな曲をあえてセレクトしたところにアーティストの意地を感じてしまう。今回施されたアレンジは、ジャストで今鳴っている音だ。BPMを速めに設定したトロピカル・ハウス風のトラックは、曲のどこをとっても部分が全体を表すようにできている。チューンナップされたこの曲が今どう響くか、楽しみだ。

「朝がまた来る - DOSCO prime Version -」
2ステップのリズムを軸に、全体的に低音が強調されたミックスになっている。シリアスな雰囲気すら漂うこの曲でもっとも表現したかったのは言葉なのではないかと思う。あえて手数を多く費やしたトラックを当てて、グルーヴするノリのなかでヴォーカルと言葉を際立たせるという手法は、ファンクにも通じるものだ。そこにはもちろん彼らのルーツがあって、聴き応え十分なアレンジになっている。それにしても、“思いよ 逝きなさい”という言葉のインパクトは何よりも強力だ。

「LOVE LOVE LOVE - DOSCO prime Version -」
イリアン・パイプス、チェンバロ、フィンガースナップなど、この曲の印象を決定づけているそれらの要素をすべて取り去り、ヒップホップソウル風のトラックにコンヴァージョン。「シンプル」の解釈の違いを示すことで、中心はあくまでヴォーカルという彼らの思想の揺るぎなさを証明する。後半、〈愛を叫ぼう 愛を呼ぼう〉のところでは、シタールやホーン、そしてエフェクティヴに加工されたイントロのあのフレーズがカラフルに鳴り始め、一転してサイケデリックな雰囲気をまとうのが面白い。

「未来予想図II - DOSCO prime Version -」
DREAMS COME TRUEがおそらく初めて意識的に、彼ら流の「歌謡曲」に挑戦したのがこの曲ではなかったかと思う。そう考えると新しいヴァージョンもまた、2020年の歌謡曲、つまりR&Bもダンスミュージックもアニソンも高次元でミックスした「ポップス」を意識したアレンジとなっている。その意味で、今回収録されている他の曲に比べて、よりドメスティック色が強いと言える。2つの『未来予想図II』のあいだに、日本のポップミュージックの歴史の流れを感じるのは決して大袈裟なことではないだろう。そして“未来予想図”という言葉が音楽それ自体を指し示していたという深読みも、今回ばかりは許されるような気がしている。

「雪のクリスマス - DOSCO prime Version -」
すべてのマテリアルを分解し、並列にし、再構築してきたこのアルバムの試みが到達した地点がこの曲だとすれば、これ以上のハッピーエンドはないだろう。つまり、吉田美和と中村正人という2つの要素を思い切って抽出したアレンジこそがこちらのヴァージョンだ。改めて、日本文学にも引けを取らない歌詩には驚かされる。トラックがまるで情景描写のように言葉に寄り添い流れていく様は、音楽自体が映像をも含んだ総合エンタテインメントであることを思い知らされる。

TEXT: 谷岡正浩



日本テレビ『Premium Music 2021』
2021年3月24日(水)19:00〜22:54
ntv.co.jp/premium

smash. × DREAMS COME TRUE
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