『恋人までの距離(ディスタンス)』からはじまる“ビフォア・シリーズ”で知られる
リチャード・リンクレイター監督最新作、映画『6才のボクが、大人になるまで。』(原題:Boyhood)が11月より日本公開。
2014年2月に行なわれた〈第64回ベルリン国際映画祭〉で上映されるや世界を驚かせ、リンクレイター監督に2度目の監督賞(銀熊賞)をもたらした『6才のボクが、大人になるまで。』は、6歳の少年“メイソン”とその家族の変遷の物語を同じ主要キャストで、12年にわたり撮り続けた作品。
歳月の力を借りながら少年の成長の過程を画面に焼き付けていく瑞々しい作風は、米映画評集計サイト「Rotten Tomatoes」にて、実写映画での今世紀初の高評価“100%”を獲得、「21世紀に公開された作品の中でも並外れた傑作の1本」(NYタイムズ)と評されるなど、高い評価を受けています。
家庭や学校のさりげない日常のひとこまを切り取ることで、少年の内面に渦巻く葛藤や悲しみを繊細に描写、さらにはそれを12年分積み重ねていくことにより、パーソナリティが形成されていく過程を、誰もが見入ってしまうドラマチックな物語へと昇華。また劇中には、イラク戦争やオバマ大統領の誕生といった出来事も盛り込まれていますが、主に時代を表すのは、メイソンがいじるゲーム機や『ハリー・ポッター』シリーズの巻数。サブカルチャーに託して時の流れを物語る演出によって、日常に根差して人生を語ろうとする、リンクレイター監督のこだわりが窺える仕上がりに。
あどけない少年から凛々しい青年へと成長していくメイソンを演じたのは、12年前にオーディションで見出した逸材、エラー・コルトレーン。さらに、メイソンの母親役の
パトリシア・アークエット、父親役の
イーサン・ホーク、姉役のローレライ・リンクレーターも12年にわたり、それぞれの役の変化と成長を演じきりました。
中でも、子育てと重労働に疲れ果てたシングルマザーが、大学で教鞭をとる自立した女性へと生まれ変わっていく様を熱演したパトリシア・アークエットは、本作が作品賞と監督賞を受賞したシアトル国際映画祭において主演女優賞に輝いています。
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■『6才のボクが、大人になるまで。』
2014年11月、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
PG12指定