サイモン・ラトルが
バイエルン放送交響楽団と合唱団の首席指揮者に就任した最初のシーズン中、2023年12月に独・ミュンヘンのヘルクレスザールでライヴ録音された
モーツァルトの歌劇『イドメネオ』が、CD3枚組で9月5日(金)に発売されます。
モーツァルトの歌劇というと、いわゆるダ・ポンテ三部作(『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』)と『魔笛』が圧倒的な人気を誇りますが、ラトルはこれまでにも『イドメネオ』をたびたび取り上げてきました。2004年にはベルリン・フィルとともにザルツブルク復活祭音楽祭で上演。2020年と2023年にはベルリン州立歌劇場でも指揮しており、今回発売される音源でタイトル・ロールを務める
アンドルー・ステイプルズとイダマンテ役の
マグダレーナ・コジェナーは、ともに2020年と2023年のベルリン州立歌劇場の『イドメネオ』に出演しています。ここでは、さらに
サビーヌ・ドゥヴィエルとエルザ・ドライジグという人気実力ともに抜きんでたソプラノが加わった超豪華キャストによる名演を聞くことができます。
『イドメネオ』はバイエルン選帝侯の依頼でモーツァルトが1781年に作曲したオペラ・セリア。トロイア戦争から帰還途中のクレタ王イドメネオが、嵐を避けるために海神ネプチューンに生贄を誓い、帰国後、最初に遭遇した息子イダマンテを生贄に捧げなければならなくなるという悲劇的な物語。イダマンテはトロイアの王女イリアと愛し合っており、イリアはみずからを生贄に捧げようとしますが、海神の託宣によってイダマンテが王位を継ぎ、イリアと結婚します。
この録音が行われたヘルクレスザールはバイエルン放送響の本拠地で、『イドメネオ』が初演されたレジデンツ地区にあります。