近年のシティ・ポップ・ムーヴメントの隆盛に大きく貢献した永井博や、『
ハートカクテル』などでジャズ / フュージョン系ミュージシャンとコラボレーションした
わたせせいぞうとともに、1980年代を象徴するイラストレーターとして知られる鈴木英人は、7月6日が誕生日です。
1948年に福岡県福岡市で生まれた鈴木は、70年代から広告デザイナーやアートディレクターの仕事を務め、1980年にイラストレーターとしてデビュー。1982年の
山下達郎のアルバム『
FOR YOU』のレコード・ジャケットを皮切りに、山下のシングル「あまく危険な香り」「高気圧ガール」「スプリンクラー」やコンピレーション作『
COME ALONG』シリーズ、
堀井勝美プロジェクトのアルバム『
SUMMER'S』『
SKY CRUISIN'』『
Blue Waters』などのジャケットに、海外の海岸や都会、ローカルな街並みなどを彷彿とさせるスタイリッシュな風景を描いて、イラストレーターとして脚光を浴びました。
そのほか、1982年の
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの2ndアルバム『
ベイ・エリアの風』の日本版のジャケットをはじめ、
杏里『
R134オーシャン・ディライツ』、
桑田佳祐「
波乗りジョニー」、
TUBE「
SKY HIGH」などのイラストも鈴木が手掛けています。
アルバム・ジャケット以外で著名なワークスとして挙げられるのは、FM情報誌『FM STATION』の表紙でしょう。80年代当時『FMファン』『週刊FM』『FMレコパル』といったFM情報誌が発行されているなか、後発の『FM STATION』は創刊号から毎号で鈴木のイラストを採用し、他FM情報誌とのヴィジュアル的な差を打ち出しました。表紙だけではなく、表紙のイラストがそのままカセットテープケース用のレーベルになる付録もついていて、自身でオムニバスのカセットテープを編集したり、エアチェック(主に受信したラジオ番組をカセットテープに録音すること)した音源をカセットテープでコレクションする人たちに、クールなカセットテープに装飾できるアイテムとして重宝されていたようです。
そのほか、男性向けファッション情報誌『POPEYE』、ファミリーレストラン「デニーズ」のメニュー、ミスタードーナツのテイクアウトボックスやペーパーバッグ、さらには中学校の英語の教科書『NEW HORIZON』などにも鈴木のイラストが用いられ、80年代をリアルに過ごした人たちにとっては、記憶に刻まれているのではないでしょうか。
なお、7月7日(火)まで千葉のそごう千葉店では「~風と光のアート~鈴木英人の世界展」を開催。鈴木英人の原画や版画約100点を展示販売しています。開場時間は10時~20時まで(最終日は18時閉場)、入場無料ですので、お近くの方は駆け込んでみてはいかがでしょうか。
(写真は、2017年8月に再発リリースの山下達郎のコンピレーション・アルバム『
COME ALONG 2』)