Shingo Suzuki (
Ovall )のソロ・プロジェクト“L.Y.P.S”による初のEP『amber tones』が、10月7日(水)に配信リリースされています。
メロウでいて緊張感があり、エレガントでありながらBGMになることを頑なに拒む。ジャズやソウルを軸にしながらも型にハマらないサウンドメイクで楽曲を表現するShingo Suzukiが、ソロ・プロジェクト“L.Y.P.S = Liquid Yellow Portraits”による初めてのEPを完成させました。
NYでスキルを磨き、日本で独自の地位を確立したラッパーの
Kojoe を迎えた「Black Raspberry」や現代ジャズの最有力サキソフォニストである
馬場智章 を迎え、映画『ワンダンス』のダンスバトルのクライマックスの熱気を表現した劇伴曲「Drift」など、Shingo Suzuki(b)、
渡辺翔太 (p)、
守真人 (ds)、
寺久保伶矢 (tp)、
Nenashi (vo)という日本のジャズ、ソウル・シーンの最前線で活躍する面々からなる“L.Y.P.S”で作り上げた全5曲を収録。
リード曲「Black Raspberry」は、プロデューサー、シンガーとしても確かな信頼を得るKojoeが“L.Y.P.S”では一人のラッパーに徹し、硬派で力強く、撫でるようなメロウさを併せ持ったライムを紡ぐジャズ・ヒップホップ。守真人とShingo Suzukiが築くグルーヴに、日本語と英語を巧みに操るKojoeのリリックが絡み合います。楽曲後半、弱冠25歳の気鋭トランペッターの寺久保伶矢が吹き込み、息を豊富に含んだ音色は、苦悩と決意を感じさせるストーリーを想起させながら、Kojoeのラップと世代を超えて完全にリンク。甘く、苦く、酸っぱい、人生の機微を3分58秒に凝縮した一曲に仕上がっています。
「Drift」は、単行本が110万部を突破した人気漫画を実写化した映画『ワンダンス』のために書き下ろされた劇中音楽。サックスは、映画『
BLUE GIANT 』で主人公・宮本大のサックス演奏を担当し、
ハービー・ハンコック 、
ルイス・コール らとの共演歴を持つ実力者の馬場智章が務めます。ファンクのような「ハネ」がありつつも、「ハネすぎない」絶妙なノリのテナーサックスのリフが有機的にループしつつ、流れるピアノ・サウンドと一体化すると同時に力強いドラム、低く唸るベースが絡み合うクロスオーヴァー・ジャズ。ダンスバトルの臨場感にさらりとリンクさせるShingo Suzukiのプロデュース力も聴きどころです。
そのほか、60’sジャズを基軸にした躍動感あふれるオルタナティヴ・ジャズ・アンサンブル「In Black」、盟友Nenashiをヴォーカルに迎えたヒップホップ・ソウル「My people」、トランペットによるブルースフィーリングが印象的な「Green eyes」も収録。
満員御礼となった、アルバム『Liquid Yellow Portraits』のリリース・パーティーや、〈FUJI ROCK FESTIVAL’25〉での熱のこもったステージ、Billboard Live Yokohamaでのワンマン公演を経て、着実に歩みを進めてきたShingo Suzuki。彼の渾身のプロジェクト“L.Y.P.S”の作品にも注目です。
[コメント] 周りの音楽も『いま』の空気も、全部吸収して、自分の音で鳴らす。 眠っている心の奥底の音を混ぜる。 それだけで、この時代のリアルな響きになるし、自分らしい音楽になる。 このフィーリング、楽しんで聴いてください! ――Shingo Suzuki [Black Raspberry 楽曲解説 by Shingo Suzuki] ザワザワする、ヒリヒリする声とリリック、天才的なリズム感を持つ唯一無二のラッパーKojoe。L.Y.P.Sのインストトラックを聴かせるといつも「オレしかいないっしょ、このビートは。このBPMは。」と応えてくれるので、前作の「You don’t know (what life is) 」に引き続き参加してもらいました。 8小節の長めのコード展開にトランペットのテーマ的なノートが重なる、インスト曲としても成り立つ楽曲に、楽器と一体化し共存する声が曲に深さと強い意味を与えてくれました。随所に現れる独特でアイディア溢れるリリック、韻の踏み方、リズムの奔放さ。じっくり時間をかけてラップを作ってもらい「何通りもフロー思いついて大変でした笑」と本人が言うだけあって、本曲はレコーディング作品の良さが詰め込まれていると思います。楽曲全体の流れとしては、イントロでピアノが曲のテーマとなるフレーズを提示しイメージを形作る。その後ラップが展開した後、静寂の中でのトランペットソロ。寺久保伶矢のトランペットはソロのフレーズの出だしからいつもストーリーがある。程なくドラムが入り、ピアノソロが展開され、L.Y.P.Sのバンド陣全体に光が差す。プレイヤー達は各々が自分のトーン、フレーズを持っているので説得力がある。インストソロの後はラップが再び入ってきて、最後のピアノの和音で初めてメジャーコードが響き、その音はトンネルから抜けて光が差し込むような印象。最後に解決する、そんな展開の曲。 [Drift 楽曲解説 by Shingo Suzuki] 映画『ワンダンス』の劇中音楽として制作した本曲は、映画なりの指定がありつつもL.Y.P.Sのエッセンスが感じられるという条件があり、劇伴を作るのが好きな自分としてはワクワクの制作でした。「ダンスバトルのクライマックスで使用される、ループされたリフとキメのリズムがある曲」という条件。映画の中でJO(&TEAM)が演じる小谷花木(通称カボ)のダンスの特徴は流れるようでいて、グルーブに身を任せる、音楽と一体になるダンス。 そんな条件で思いついたのは、リズムのノリが平坦ではなくファンクのような「ハネ」がありつつも、「ハネすぎない」絶妙なノリのテナーサックスのリフが有機的にループしつつ、流れるピアノサウンドと一体化すると同時に力強いドラム、低く唸るベースが存在するという曲。 イメージを決めて作曲し、頭に浮かんだプレイヤーは馬場智章。馬場くんのプレイ、音楽のスタイルが以前からとても好きで、この機会にお願いし、素晴らしい音を吹き込んでくれました。生き生きとした力強いフレージングと色鮮やかでソリッドなトーン、レコーディングでは鳥肌ものでした。ピアノは渡辺翔太。マイナー、メジャー、4度の和音が混在するようなブラッド・メルドーのようなボイシングをお願いしつつも、いつものL.Y.P.Sの自由さも入れてもらい彩ってくれました。ドラムは守真人。安定して重心の低いドラミング、スイングするシンバルワーク。まとめ役で自分が最後にベースを入れました。 VIDEO