フランスを拠点に活動するミュージシャン / シンガー・ソングライター / 映像作家の
ツジコノリコが、約3年ぶりとなるアルバム『
PON』を6月12日(金)にリリースします。
本作は幼い頃に引き取り、先天性難聴を抱えながら長い時間を共に過ごしてきた愛猫PONが、事故によって亡くなったことに捧げられたもの。アルバム全体には、その喪失を抱きしめるような、抽象的でありながらも優しく深い共鳴が満ちあふれています。
ツジコノリコは近年、2020年にサンダンスとベルリン国際映画祭で上映された長編映画『Surge』の音楽を、2022年にはミラ・サンダースとセドリック・ノエルの映画『Mission Report』の音楽を務めたほか、2023年にはJoji Koyamaとのアルバム『
Crépuscule I & II』をリリース。本作では、ソロ活動とコラボレーションの両面で培ってきた彼女の音楽的ヴァリエーションが、より多彩さを増した仕上がりとなっています。
持ち味であるエレクトロニクス、ロマンティックなメロディ、そして想像を超えるほど繊細な音の響きは、本作でも存分に発揮。前作『Crépuscule I & II』と同様に、壮大なスケールを備えている一方、表面上はシンプルに聴こえる瞬間であっても、思いがけない要素がふいに現れ、聴き手の想像力を大きく広げてくれます。
「Boku Wa Obaka」では複数の声が浮かび上がり、「Knife of Yonder」では穏やかで
ブライアン・イーノを想起させる導入から始まり、やがて高揚感を伴う中盤へと展開。最終的にはブルースに近いニュアンスへと着地する、10分に及ぶ壮大な楽曲となっています。また、「Kikoeru Pon」は誠実な空気をたたえたバラードとして始まり、やがて静かで心地よいフィールドレコーディングへと溶け込んでいきます。この曲にはアルバム・タイトルや楽曲名の由来となった猫の声も収められており、アルバムのパーソナルな側面を静かに印象づける一曲となっています。
さらに、深い人間性を感じさせる、彼女のテクノロジーとの向き合い方も特筆すべきところ。冷たく抽象的な作品ではなく、むしろ色彩豊かなフォトアルバムのようであり、彼女の内面世界や直感が驚くほど親密なかたちで記録された作品となっています。
本作はLP(限定500枚)とCDでのリリース。CDのみボーナストラック「Slow Motion」が収録されます。