〈第146回芥川賞〉受賞作である作家・田中慎弥の同名小説を、
青山真治監督が映画化した、今秋最大の話題作『共喰い』(9月7日より新宿ピカデリー他にて全国ロードショー)。現在、スイスで開催されている〈第66回ロカルノ国際映画祭〉のコンペティション部門にて上映され、「YOUTH JURY AWARD 最優秀作品賞」と「ボッカリーノ賞最優秀監督賞」の2賞を見事受賞しました!
「YOUTH JURY AWARD」は若い審査員たちが選ぶ賞、また「ボッカリーノ賞」はスイス国内の批評家たちが選ぶ賞で、YOUTH〜の審査員は本作に対し、「監督は繊細なテーマを知性を持ってシンプルに表現し、その世界観は力強く豪華なキャスティングによってさらに昇華され、地方の小さな街の澱みに暮らす人々の居心地の悪さや不快感をみごとにスクリーンに再現することに成功している。不運にも受け継いでしまった父親の人間としての劣性と向き合い、深い苦悩を抱える主人公の遠馬の心と体の成長を、彼を取り巻く女性たちが力強く支える傑作である本作に最優秀作品賞を贈ります」と絶賛のコメントを寄せています。
今年66回目を迎えるロカルノ国際映画祭は、カンヌ、ベルリン、ヴェネチアに並ぶ国際映画祭で、すぐれた才能を早くから発掘することに定評があり、青山監督にとって同映画祭での受賞は、審査員特別賞を受賞した『東京公園』(2011年)以来2度目。15日に行なわれた上映では、全3,000席の会場が満席に。上映前には、主演をつとめた
菅田将暉がイタリア語で「ロカルノに来られて嬉しいです」と語り、最後は「BASTA!」(日本語で“以上!”の意)で締め、どっと会場を湧かせると、続いて青山監督より、「8月15日という日本人にとって大切な日に、私の第二の故郷であるロカルノでワールド・プレミアとしてお披露目できて嬉しいです」との言葉が。
上映終了後は、海外の映画祭では珍しく、エンド・クレジットが終わるまで席を立たない観客が多数続出。すべてのクレジットが終わると、熱い拍手が湧き上がりました(出口では、青山監督&菅田さんに、自分の感想を告げたい人の列ができたほど!)。
<青山真治監督からのコメント>『共喰い』の世界と主人公遠馬の苦悩が、若い人たちに理解されたことが何よりも嬉しいです。これからのみなさんにとってこの映画が記憶に残るものにならたら幸せです。そのように映画を理解してくれたことをとても心強く感じます。みなさんの女性の力に対する理解がこの作品によって深まったとしたら、この映画を作った甲斐があると思います。
<菅田将暉からのコメント>『共喰い』の遠馬は19歳の自分の全てをさらけ出した作品です。だからこそ、日本以外でも若い世代の皆様に遠馬の葛藤が届いた事が何より嬉しいです。心から感謝しています。『共喰い』を経て、俳優として人の心に残る作品を産み落としていけるように頑張ろうと改めて思いました。全力でもがいていきたい、と。自分の生きる指標ができました。本当に感謝です。
※9月7日(土)新宿ピカデリー他にて全国ロードショー
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『共喰い』出演:菅田将暉 / 木下美咲 / 篠原友希子 / 光石 研 / 田中裕子
監督:青山真治
原作:田中慎弥(集英社文庫刊)
脚本:荒井晴彦
制作プロダクション:スタイルジャム
製作:『共喰い』製作委員会
宣伝:ミラクルヴォイス
配給:ビターズ・エンド
(C)田中慎弥 / 集英社・2013『共喰い』製作委員会