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現役女子高生ガールズ・ユニット“生ハムと焼うどん”、超満員の初ワンマンレポート

2015/10/27 18:48掲載
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現役女子高生ガールズ・ユニット“生ハムと焼うどん”、超満員の初ワンマンレポート
 現役女子高生によるガールズ・ユニット“生ハムと焼うどん”が、10月25日(日)にファースト・ワンマン・ライブ〈あなたは本当に幸せですか?〉を東京・新宿 MARZにて開催した。

 生ハム担当・西井万理那と焼うどん担当・東 理紗の同級生2人によって結成された生ハムと焼うどんは、オリジナル曲の作詞作曲から、曲の間に繰り広げられるコントのような寸劇の脚本・演出、さらにはマネジメントやブッキングなどの運営までのすべてを自分たちで手がけるセルフ・プロデュース・ユニット。今年3月、本格的にライブをスタートさせたばかりながら口コミで話題が広がっていき、ついには高校生の力だけで300人を動員するワンマン・ライブの開催が決定。なんと公演の1週間前にはチケットが完売し、注目度の高さを窺わせる。

 ライブ当日、ランチ・タイムにあわせた開演時間のために、新宿MARZには朝早くからたくさんの“食いしん坊”たちが集結。会場のキャパシティをはるかにオーバーした熱気渦巻く超満員のフロアには、生ハムと焼うどんの2人と同年代の女の子をはじめ、女性ファンの姿も多く見受けられた。


 予定より30分ほど遅れてライブはスタート。ステージ前に張られた白いスクリーンには、彼女たち自身のディレクションによる映像が。このあと繰り広げられる寸劇の役柄設定にあわせた紹介映像で早くも笑いをさらうと、文字通り幕が切って落とされ、生ハムと焼うどんが登場! 割れんばかりの歓声を受けて披露したのは、この日会場にて限定発売されたオリジナルCD-R『はじめてのTKG』にも収録されている「ナルシスト症候群」。1曲目から大いに盛り上げると、寸劇パートへチェンジ。前髪切り切りコンテストで1位を獲得し巨万の富を得た女の子と、天才的な自撮りテクで大金持ちになった女の子の2人による架空のアイドル・ユニット〈ラブリーズ〉という設定で、合間には(実際に客いじりをしながら)ドルヲタのおじさんたちを茶化してみたり、人気アイドル・グループの楽曲の替え歌をはさんだりしながら、既存のアイドル文化をパロディにしつつ批評的な奥行きも感じさせるクオリティの高いコントを展開。笑いを誘いながら、グイグイと観客の心を掴んでいく。

 2曲目にはポップでキャッチーな人気曲「ツイテール」を披露。ここ数ヶ月はファンから冗談交じりに“アズマ”と間違った呼び方でコールされる東も、この日はファン同士の呼びかけによって正しく“ヒガシ”とコールされると驚きながらも喜びを隠せない表情をこぼす。続く寸劇パートでは、これまでの生ハムと焼うどんのライブではコント中に死んでしまう設定が多かった西井が遺書を用意するという小ネタも織り込まれ、ライブに通い詰めたファンや、YouTube(https://www.youtube.com/channel/UC3TsGT3fpvAxtxu2Kfg4ZlA)の動画を見漁ったマニアをニヤリとさせる心憎い演出も。3曲目は、2週間ほど前に発表されたばかりの新曲「新宿なんて信用できない!」。箱庭の室内楽のハシダカズマがアレンジに参加したこの曲もファンの間ではすでに定番となっていて、息のあったコールの応酬が展開された。

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 再び演劇パートに戻ると、西井演じる自撮りの天才が、実は男だったといういきなりすぎる展開にざわめきが。しかしそれが、開場時に配られた謎の男の顔写真入りのバッジに伏線が仕掛けられていたという手の込んだ演出だったことが判明すると、会場中から感嘆の声が起こった。とにかくやりたい放題なワンマン・ライブは、いよいよ佳境へと突入。お尻を叩いたことで(またしても)死んでしまった西井の後を追って、三日三晩自分のお尻を叩いて自ら命を絶つ東。ステージ上で2人とも倒れ込んで一抹の静寂が流れたのち、サイケデリックなチェンバー・ポップ調の「脱法ドラッグはやっていません」を可愛らしく歌い上げ、さらにそれまでとはガラリと空気を変えるようにシリアスな表情による演技を見せた後、この日初めて披露する新曲「OTONA」を披露。来年JKを卒業し、大人への階段を登っていく彼女たちの、複雑に交差する心境を歌い上げたエモーショナルな楽曲に、会場全体が飲み込まれていくような盛り上がりを見せた。


 2人が一旦ステージを後にすると、再び映像による演出が。きゅうりが地球上から絶滅寸前というニュースが流れ、その中継に様々な設定に扮した東と西井がコメントしていくというパロディ映像で笑いをさらったのち、再び本人たちがステージに登場。元気よく歌い踊ったのは、新曲「Cucumber」。きゅうりに見立てた緑のサイリウムで灯され、フロア一面が鮮やかな緑色に照らされる中、よく見ると生のきゅうりを振って応援する食いしん坊の姿も。和気あいあいとした楽しい空気の中、いよいよライブも終盤。彼女たちの代表曲のひとつである「JK〜ジェームズってかっこいい〜」でひとしきり盛り上がり本編は終了。

 ステージに幕が下ろされると、フロアからはアンコールならぬ“おかわりコール”の大合唱が。すると、スクリーンに突然映像が流れはじめ、高校生の力だけで1000人の集客を目標とするセカンド・ワンマン・ライブを、3月に開催することを発表。この予期せぬサプライズに、会場中は熱い歓声に包まれた。その熱気が冷めぬ中もう一度幕が上がり、Tシャツ姿に着替えた東と西井が再び登場。生ハムと焼うどんにとって初のオリジナル曲である「たまごかけごはん」を披露。この日のためにニュー・アレンジ(ちょっと贅沢ver.)が施された定番曲で、フロアの熱気は最高潮に。ひとつずつ膨らませたであろう黄色い風船が投下される手作り感満載の演出も相まって、会場全体が一体となる盛り上がりを見せた。

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 予定したセットリストをすべて歌い終えた2人は、いつものライブではほとんどやらないMCで集まってくれた食いしん坊たちにメッセージを届けようとするも「ふだんMCやらないから何言っていいかわからないね」と、少し照れながら自然体な振る舞いで感謝の気持ちを伝えて、約1時間にわたるステージは終了。しかし、それでも食い足りない食いしん坊たちから、再びおかわりコールが。あらためてステージに呼び戻された2人は、ファンにとっても愛着のあるオリジナルver.で「たまごかけごはん」をもう一度力を振り絞って歌い踊り、今度こそ本当にステージを後にした。

 彼女たちにとって初の大舞台であっても、実に堂々としたパフォーマンスを見せつけた生ハムと焼うどん。キュートでパワフルな歌とダンスの魅力はもちろん、今の時点で自分たちがやりたいこと、自分たちにできること、そして何より自分たちが面白いと思うことを、1時間という尺の中にとことん詰め込んできた勇敢な姿勢には大きな拍手を贈りたい。来年3月に行なうと宣言した1000人動員のワンマンはもちろん、その先の大舞台への期待を抱かせるたしかな一歩となった、充実のファースト・ワンマン・ライブであった。



文・宮内 健


生ハムと焼うどんファーストワンマンライブ一品目
〜あなたは本当に幸せですか?〜

2015年10月25日(日)
東京 新宿 MARZ

[セットリスト]
01. ナルシスト症候群
02. ツイテール
03. 新宿は信用できない!
04. 脱法ドラッグはやっていません
05. OTONA
06. Cucumber
07. JK 〜ジェームズってかっこいい〜
En. たまごかけごはん 〜ちょっと贅沢ver.〜
W-En. たまごかけごはん(オリジナルver.)
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