発売に先駆け、YouTube(youtu.be/ugff5-RgxNE)では収録曲「夜の海の夢」のミュージック・ビデオ(ショート・ヴァージョン)が公開されているほか、オフィシャル・サイト(szkduminfo.tumblr.com)などでは音楽ライター・岡村詩野による詳細なライナーノーツも公開中。12月3日(土)には同作の発売記念ライヴを東京・神保町 試聴室にて開催することも発表されており、当日はayU tokiO、The World Will Tear Us Apartとの共演が決定しています。
声はとても個性的だ。可愛いとか素敵というありきたりな表現では伝えられない、ややファニーな風合いさえ感じさせる。だが、楽曲は明確な着地点を設けようとしないというか……例えば初期の「失恋ソング」や「夜の海の夢」といった楽曲には、キャロル・キングやランディ・ニューマンの“血筋”とも言える、ピアノ弾き語りの正攻法シンガー・ソングライター・スタイルを感じることができたが、「Katazuke(tidy a room)」はアンビエント〜エレクトロニカの系譜上にあるようなインストゥルメンタルだし、初音ミクをフィーチュアした曲もある、という具合。「水色(仮)」もメロディアスな歌ものではあるがポスト・ロック以降の空気を確実に孕んでいて……どうやらピアノやギターでシンプルに演奏するだけではなく、リミックスなどの編集作業、PC上での大胆なカットアップも好んでサラリとこなせる力量とセンスも持ち合わせているようだ。この人のアイデンティティの真ん中には何があるのだろう、と、次々と曲を聴くたびにに迷子になってしまった。