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ももいろクローバー、早見あかり脱退を機に改名! その名も“ももいろクローバーZ”!

ももいろクローバー   2011/04/11 17:28掲載
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ももいろクローバー、早見あかり脱退を機に改名! その名も“ももいろクローバーZ”!
 神聖かまってちゃんとの対バンなど、ド肝を抜く展開で話題を集めるアイドル・グループ、ももいろクローバーが4月10日、中野サンプラザにて2部制ライヴ<4.10中野サンプラザ大会 ももクロ春の一大事〜眩しさの中に君がいた〜>を開催しました。この日のライヴでメンバー早見あかりが脱退するということもありチケットは瞬時にソールドアウト! プレミアム公演と化したこの日の模様をレポートします!

●第1部『ももクロ☆オールスターズ2011』

 いつも通り、ももクロは予想の斜め上をいく登場を果たした。メンバーは覆面を被り、一斗缶やパイプ椅子などの凶器を手にした凶悪レスラーのいでたちで現れたのだ。その派手な演出は、同時に東日本大震災へのももクロなりのメッセージだった。今、ももクロにできることは全力のパフォーマンス。たがが外れてしまったかのように全力で暴れ回りながら、その元気、強さをもって、グループ名の由来通りに今こそ幸せを運びたい。ステージには「強いニッポン 未来へススメ!」と書かれた巨大なクローバーが掲げられ、ファンによる被災地への応援メッセージが寄せ書きされている。その気持ちと共に、「ピンキージョーンズ」から攻撃的なステージは開始した。

 冒頭の覆面のパフォーマンスから引き続き、公演は全編にプロレスの意匠がちりばめられている。同じ事務所の私立恵比寿中学のパフォーマンスや、神奈月による武藤敬司のモノマネも手伝って、早見あかりが脱退する日であることすら忘れそうなほどポップで趣向に富んだステージになった。圧巻だったのは各メンバーのソロ。初ソロに感激する有安杏果や少女らしさたっぷりにピアニカを演奏する玉井詩織、演歌と殺陣を披露する高城れに、渋谷系っぽいオシャレな楽曲を歌う百田夏菜子。それらはメンバーの新たな個性を引き出す実験的な試みばかりだ。マイクスタンドを振り回す早見あかりも、前山田健一の作曲による「電波系ソング」と言っても過言ではない「だってあーりんなんだもーん☆」ですら、過去ももクロで見られなかった斬新なパフォーマンスだった。

 その衝撃は次の数人単位でのユニット曲に引き継がれる。特に観客を驚かせたのは百田夏菜子と早見あかりによる「デコまゆ 炎の最終決戦」。夏菜子があかりに「だいたいなんで辞めるのよっ? 今が大事なときじゃん!」と叫び、二人はダンスでバトルを繰り広げる。でもやがて和解して一致団結し、曲はいつの間にかビューティーペアの「駆け巡る青春」のパロディになる。そこには、あかりの脱退公演を前向きに全力で楽しもうというももクロの意志があった。観客はハッと気づく。自分たちは楽しいももクロのステージを見に来たのだ。落ち込まないで、今日が終わる瞬間まで笑っていよう。前向きに、みんなで進み続けよう。その思いはアンコールの「未来へススメ!」で再び大震災へのメッセージとして重ねられる。「先のことはわからない。でも笑って前に進もう。それがももクロ流なんだ」。観客に、すべての日本人に、そして自分たち自身に前進を促しながら、2時間のステージは幕を閉じたのだった。

●第2部『早見あかりFINAL そして…』

 4月10日の第二部公演はももいろクローバーにとって、そしてすべてのファンにとって、どうやっても悲しみの伴う公演だったはずだ。しかし、ももクロは笑って登場した。CDデビューした当時の着物風の衣装を再びまとって、彼女たちはあの頃のように「ももいろパンチ」を踊り始める。そこに切なさがないはずがない。だがMCで、ももいろクローバーとして最後の自己紹介の際に早見あかりは「全力で笑っていきたい」と言った。涙は避けられないが、泣きながら笑っていよう。彼女たちはそう決めた。必死に涙をこらえながら、いつも通りの自己紹介を行おうとするメンバー。有安杏果は「もうみんな泣いていい、気持ちに嘘をつかなくていい。だけど笑っていよう」と涙ながらに言った。

 その台詞通りに、ももクロは続く楽曲を笑って踊り続けた。それは魔法のように楽しいステージになった。「words of the mind」「Believe」など、第一部に比べるとあかりのラップがアグレッシブに響く曲が次々と披露されていく。さらに神無月の武藤敬司モノマネ……だけでなく本物の武藤敬司もサプライズ登場! 「Chai Maxx」を盛り上げる。やがて「オレンジノート」を歌い終える頃には、ほとんどあかりが脱退してしまうのが信じられないように思えた。

 しかし別れの時は来る。思い出を話す百田夏菜子が言葉に詰まるたびに、観客からは「頑張れ!」「笑顔!」という声援が飛んだ。佐々木彩夏にとって、初めてママ以外の人と原宿に行ったのはあかりだった。有安杏果はあかりを前にすると緊張してしまい、明日こそ一緒に写メールを撮ろうと思ってもできなかったという。玉井詩織はあかりとマックでポテトを食べてからチラシ配りに行ったことを忘れない。高城れにはあかりに「高城は面白い」と言われてから自分が変わったという。すべてのメンバーにとってあかりは支えだった。

 彼女たちはサプライズとして歌った「あかりんへ贈る歌」の中で、あかりへの思いを一人一人述べていく。最後は「行くぜっ!怪盗少女」の節で「笑顔と歌声であかりを照らし出せ」と歌い「ももクロの一番のファンになる」というあかりを歌で支えることを誓った。泣き崩れるあかり。サプライズの成功に泣き笑いするメンバー。みんな最初に約束したように、泣きながら、笑いながら、ももクロらしくふざけながら、別れていった。

 最後にステージの上にはあかりが一人残った。彼女はシンとした観客の前で、マイクを使わず全力で中野サンプラザに叫んだ。「皆さん、今まで本当にありがとうございました!」。その最後の言葉は、ずっと遠く、二階席の隅まで聞こえた。

 こうして中野サンプラザ公演はすべて終了した。だが最後の最後、スクリーンに文字が浮かび上がる。「早見あかりが去り、ももいろクローバーは進化します」あっけにとられていると表示される「ももいろクローバーZ」のロゴ。「え――――!?」どよめく観客。かくして早くも、ももいろクローバーの物語は新しい一歩を踏み出そうとしている……。
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