ジョニー・ポロンスキー 2004/08/23掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
自主制作カセットを聴いたフランク・ブラックのプロデュースにより録音されたデモテープが契機となり、96年に10曲24分(日本盤は12曲28分)のコンパクトな宅録ポップ作
『マイ・ネーム・イズ・ジョニー』(写真)でデビューを飾ったシカゴ生まれのシンガー・ソングライター、
ジョニー・ポロンスキー(Jonny Polonsky)。2001年発表のミニ・アルバム『There Is Something Wrong With You』以来、作品の発表が途絶えていた彼ですが、9月21日に久方ぶりのアルバム
『Power of Sound』をUS(
Loveless Records)でリリースすることが決定しました!!
自身熱烈なファンであった
ピクシーズを思わせるギター・サウンドがときおり炸裂する、魅力的なパワーポップを聴かせる愛すべき才能を持ちながら、タイトルが『マイ・ネーム・イズ・ジョニー(原題は“Hi My Name Is Jonny”)』なのに加え、ジャケットに写る姿は“なんちゃって
ジョナサン・リッチマン”。さらに日本盤CDに書かれたコピーも「すごいんだか、すごくないんだか……」だったせいか、その存在が気にはなりながらも、どんな内容のアルバムなのかが予想できずに購入を見送ってしまった音楽ファンも少なくなく、今日の今日まで知る人ぞ知る存在であり続けた彼。
が、ビートルズやモンキーズに始まり、MVTを経由して培われたポップ・センスは、昨今のミュージシャンでたとえるならば、
ベン・クウェラーなんかに通じるかと。すでに自身のHPにて『Power of Sound』の試聴が可能ですが、それを聴くかぎりでは、デビュー作の宅録からバンド編成へと転じて制作された『There Is Something Wrong With You』の音をさらにダイナミックにしたような印象。パワーポップ・ファンならば、彼の旧作含めて聴いておいて損はないはず。歌声の適度なしゃがれ具合も◎な、当サイトおすすめの才人です。
ちなみに旧作『マイ・ネーム・イズ・ジョニー』をお求めの際は、軽妙なカントリー・ポップで聴かせる「イン・ザ・センター・オブ・マイ・ハート・イズ・ア・フォース・ザット・イズ・コモンリー・ノウン・アズ・ラヴ」が収録されている日本盤での入手が賢明。この曲を聴けば、オリジナル収録曲とは違った彼の一面も楽しめますよ。