【カニサレス】自身のフラメンコ・カルテットでの待望の来日公演直前インタビュー!

カニサレス   2013/12/10掲載
はてなブックマークに追加
 現代フラメンコ界きっての凄腕ギタリストで、ロックやジャズ・シーンのスターとのコラボも多数。また優れた作曲家であり、アルベニスグラナドス作品のギター編曲にも才能を発揮。さらにはベルリン・フィルとの共演などクラシック界でも引っ張りだこで、今年の“ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン”では観客を熱狂の渦に巻き込んだ……そんなカニサレス率いるフラメンコ・カルテットの来日公演が迫る!
――今回の公演は、5thアルバム『魂のストリング〜クエルダス・デル・アルマ』の収録曲を中心にしたステージに?
 「はい、すべて私のオリジナル曲です。ミニマムな少人数編成で、フラメンコのエッセンスである即興を前面に押し出した舞台作りを目指しました。セカンド・ギターのフアン・カルロス・ゴメス、バイレ(踊り)のチャロ・エスピーノとアンヘル・ムニョス、3人とも長いつきあいで気心が知れている仲間です。もちろん出会い頭にぶつかり合うような演奏も素晴らしいけれど、人間的な深い絆が共演するうえでとてもプラスになります」
――YouTubeでステージ動画を拝見すると、じつに多彩ですね。単にギターに合わせてダンサーが踊る……というのではなく、あなたを囲んでパルマ(手拍子)やカスタネットで鼓舞したり、ダンスが音楽の内なる感情を代弁するかのように見えたり、メンバー間で交わされるさまざまな会話のやりとりを目にしているようで面白いです。
 「ステージ上での対話はじつに重要です。つまるところ即興も対話の積み重ねによって生まれるのですが、いくら文法を知っていても語彙や単語をお互いが理解していないと話が通じないのと同じで、事前にメンバー間で小さなパターンをレパートリーとしていくつも共有しておく必要があります。それらをその場でどう組み合わせていくのかが即興の醍醐味で、そのためにはお互いの語彙が豊かでないと。決してゼロから即興が生まれるわけではないのです。ただ観客の皆さんに語彙力は必ずしも必要ありません、それを受け止める感受性さえあればきっと心に届くはずですから」
――日本ではグラナドスのピアノ曲をギター編曲した6thアルバム『ゴイェスカス - カニサレスのグラナドス』が発売されたばかりですが、本国ではファリャの作品をとりあげた2枚の新作を発表されましたね。
 「ファリャは30代をパリで過ごし、ドビュッシーら偉大な作曲家と親交を深めた後、バレエ音楽などで国際的な名声を手にしますが、スペインの民族音楽的な要素を自分の作品にたくさんとり入れています。とくにアルベニスやグラナドスよりもフラメンコに造詣が深く、その影響が顕著に見られるので、私もその部分にこだわって編曲し、演奏するように努めました。まず『三角帽子』を中心にした一枚と、『はかなき人生』の2つのスペイン舞曲を中心にした一枚をそれぞれリリースし、来年の『恋は魔術師』でファリャ3部作を完成させる予定です」
――『はかなき人生』と一緒に収録されている「夜想曲」など、20代始めに書かれたピアノ曲はとてもロマンティックでショパン風です。
 「そんな作風だったのが、スペイン国民音楽の父とされるフェリペ・ペドレルの考えに共鳴したり、異国の地パリで先輩作曲家アルベニスの助言を得たりして、次第に民族色が強くなっていくのがよくわかります。画家のミロに“ユニバーサルになるためには、むしろローカルであることが必要”という言葉があるのですが、まさにファリャはそこをおさえていると言えます」
――『三角帽子』と一緒に収録されている『7つのスペイン民謡』は、もともと声楽曲ですね。
 「フラメンコ・ギターはカンテ(歌)と一緒に演奏することが多く、いかにうまく歌い手を唄わせる演奏ができるかがつねに問われます。ここでも声の部分をギターで表現して、もう一方のギター(多重録音)でうまく唄わせることができたと思います」
――クラシックとフラメンコ、2つの世界をどうやったらあなたのように自在に行き来することができるんでしょうか?
 「何をインプットして、何をアウトプットするかは、芸術家にとって大切なことです。幸い私には、編曲などでクラシックの楽譜としっかり向き合うことで、それを消化して吸収し、新たなフラメンコ作品や演奏として外に出すという一連のいい流れがある。今回のカルテット公演は、まさにそんな私のアウトプットの一つと言えます。ただ、気をつけなくてはいけないのは、音楽理論などは勉強すれば手に入れることができますが、ツールさえあれば誰でも何かを発することができるとは限らないということ。そのためには、何か伝えたいものがなければ! 自分の中に伝えたいことを育て、最上のツールと方法で外に出す……それこそがジャンルに限らず、私の音楽の目指すところかもしれません」
取材・文 / 東端哲也(2013年11月)
カニサレス・フラメンコ・カルテット
来日公演2013


12月18日(水) / 19日(木)
東京 新宿文化センター 大ホール

〒160-0022 東京都新宿区新宿6-14-1 / 03-3350-1141
開場 18:15 / 開演 19:00
S席 7,000円 / A席 6,000円 / B席 5,000円(全席指定 / 税込)


[ご予約 / お問い合わせ]
プランクトン 03-3498-2881(平日11:00〜19:00)
www.plankton.co.jp/canizares
最新アルバム2作をコンサート会場で先行販売!

『三角帽子
〜カニサレスによるファリャ三部作 VOL.1』

『はかなき人生
〜カニサレスによるファリャ三部作 VOL.2』

カニサレス アルバム・リリース&来日公演記念
インストア・イベント(ミニ・ライヴ&サイン会)


12月15日(日)
東京 タワーレコード渋谷店 4F イベント・スペース

〒150-0041 東京都渋谷区神南1-22-14 / 03-3496-3661
15:00〜
入場無料 / 閲覧自由


[お問い合わせ]
タワーレコード渋谷店 03-3496-3661
tower.jp/store/event/2013/12/003005
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 話題の公演“100チェロ”を東京で行なうジョヴァンニ・ソッリマが代表作を語る[インタビュー] 山中千尋、ブルーノートとペトルチアーニへの思いを胸に、新作でジャズのキラキラした魅力を伝える
[インタビュー] ハロプロ スッペシャ〜ル特別版 卒業直前! 宮崎由加(Juice=Juice)ロング・インタビュー[インタビュー] “シティ”から“タウン”へ “けもの”のユニークな創作のひみつ
[インタビュー] 音楽史上初めて登場した“ミニマル・ネイティヴ”のヴァイオリニスト、マリ・サムエルセンのDG専属契約第1弾ソロ・アルバム『マリ』[インタビュー] “令和最初の傑作”を読み解く 清 竜人 超ロング・インタビュー
[インタビュー] 島田奈美、最新ベストアルバム発売 島田奈央子、島田奈美を語る[インタビュー] “最強打線”をそろえた初のアルバム。DJ FUKUの『スタメン』
[特集] 「がんばれ!隠れ汗 プロジェクト」とは?『ビオレ さらさらパウダーシート』アニメCM公開中[インタビュー] ロイ-RöE-が描く『ストロベリーナイト・サーガ』の世界
[インタビュー] “まるで13本立てのカルト映画祭”ROLLYが新曲入りセルフカヴァー・アルバム『ROLLY[インタビュー] クールス対談 ジェームス藤木×近田春夫
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
新譜情報
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015