杉真理 デビューからの30年をふりかえる![後編〜“ピカデリーサーカス”]

杉真理   2007/04/23掲載
はてなブックマークに追加
 ポップ・ミュージックを作り続けて30年。その間、さまざまなミュージシャンと交流しながら日本のポップ・ミュージック・シーンを支え続けてきた杉真理
竹内まりや安部恭弘青山純新井田耕造らが参加したマリ&レッド・ストライプス名義のデビュー・アルバム『マリ&レッド・ストライプス』(77年)と杉真理&レッド・ストライプスのセカンド・アルバム『スインギー』(78年)、杉真理、松尾清憲上田雅利伊豆田洋之、風祭東、橋本哲の6人によって結成されたピカデリーサーカス『ピカデリーサーカス』(99年・写真右)と『サマー オブ ラブ』(2003年)が紙ジャケット仕様で復刻されたのを機に、アルバムについての思い出や、デビュー30周年を迎えた心境などを聞いた。(後編です。前編はこちら。)


それこそサーカスのように何が出てくるのかわかんない魅力とは

――ビクター時代のソロ・アルバム2枚だけではなく、今回、ピカデリーサーカスの2作品も同時に出ましたよね。オリジナルとは違う紙ジャケット仕様で。
「オリジナルよりいいですよね(笑)。あれを作ったときはソロを忘れてました。たぶん全員そうだったと思います。あのアルバムが出て、みんな、滞っていたソロをやるきっかけになったんです。松尾さんしかり、上田さんしかり、伊豆田くんしかり、ぼくしかり、です。ピカデリーはあるライヴ・イベントがきっかけだったんですよ。セッションはそれまでにさんざんやってきて、それはそれでもちろん楽しいんだけど、でも練られたものを作りたいなと。バンドで10ccELOクイーンみたいなドラマチックでウィットやアイディアが詰まっていて、それが3分の曲に詰まっているっていうものを作りたいなと思ったんですよ。ピカデリーでようやくやれたかなと思ってます」


――2作目は、もう一枚やろう、みたいな感じだったんですか。
「作り方はかなり変わりました。最初のアルバムはライヴでやっていた曲がほとんどだったので、せーので録って、あとはダビングしてというやり方でした。といっても、8人もいるので、相当凝ってるんですけどね。2作目は発売日が決まっていて時間もないので、まず最初にデモ・テープを作ってレコーディングに臨みました」


――4月28日に行なわれるピカデリーサーカスの久々のライヴはいかがですか。(詳細は下記参照)
「だいたいラインナップは決まっていて、どっちのアルバムからもやりますけど、そのほかにもそれぞれのソロの曲をピカデリー風に味付けしてやろうかなと思ってます」


――ライヴの見どころについてはいかがですか。
「まず、こういうライヴをやっている人は今はいないと思うんですよ。1曲で4人が交互にソロを取ったり、それこそサーカスのように何が出てくるのかわかんないっていうようなライヴは。ピカデリーサーカスのいいところは、押し引きはあるんですけど、基本的に、気づくと全員攻めてるぞというところがあって、それで成り立っている音楽である、ということですね。行くときは全員行く、という。それが面白いところです。サッカーでいえば、ゴールキーパーが相手のゴール前まで攻めてるぞ、みたいな。そういうところの楽しさ、お祭りのような雰囲気がピカデリーサーカスにはあります」


――30年やってこられた秘訣みたいなのは何かありますか。

 「そうですねえ(しばし考える)。生きていないとダメだし(笑)、状況が悪いときにはもがかないこと。意外と風まかせみたいなところがないと続かないなあと思います。続けるのがいいことなのかどうかわからないけど、ぼくはいいことだと思っています。音楽って30年ぐらいじゃ突き詰められないものじゃないですか、ほんとに。30年やってちょっとわかったなという感じですよね。『スインギー』に〈インスピレーション〉という曲がありますけど、インスピレーションっていうのは、たとえば自分が体験した記憶とか感覚をコラージュして作っているんだとずっと思っていたし、そういうふうに教えられていたんです。でも、コラージュして作るだけじゃないんじゃないかと思うようになってきました。“今の科学はよくわかってないぞ”っていうのをわかっているのが超一流の科学者だと思うんですよね。もう俺はすべての鍵をもってると思ったら、新しい鍵なんて見つからない。音楽もそれといっしょで、もうぼくは音楽を30年やってきて、いろいろわかってるよって思った瞬間にダメになると思うんですよね。だから、世の中の風を感じつつも、風じゃ倒されないようなものを作りたいなと」


――今年1年はライヴもいろいろやると。
「そうですね。新譜もつくろうと思ってます。そのアルバムには、松尾さんとの共作曲や、堂島孝平くんとライヴで共作した曲、伊藤銀次さんとやった曲、姫野(達也)さんと一緒にやった曲とか、わりと共作曲がいっぱい入るんじゃないかな。来年の3月までを30周年と考えているので、その最後に向けてがんばりたいと思ってます」
――楽しみにしてます。ありがとうございました。



取材・文/藤本国彦(2007年4月)

----------------------------------------
■Piccadilly Circus LIVE 2007
2007年4月28日(土)
鶯谷 東京キネマ倶楽部http://www.kinema-club.com/
会場17:00/開演18:00
指定¥6,500/立見¥6,000(+1ドリンク別途)
ピカデリーサーカス:
杉 真理
松尾清憲
伊豆田洋之
上田雅利
風祭 東
橋本 哲
小泉信彦
山本圭右

チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:254-212)
ローソンチケット 0570-084-003(Lコード:39501)
e+(イープラス)  http://eplus.jp
詳細お問合せはpiccadillycircus@yahoo.co.jpまで
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] “生命のありさま”みたいなもの――ORIGINAL LOVE『bless You!』[インタビュー] もっと正直になりたい――本気は、きっと伝わる 杏沙子『フェルマータ』
[インタビュー] 三遊亭円丈「恋のホワン・ホワン」など“カルトな名作”を手がけた中村俊夫がトリオ・レコードの軌跡を語る[インタビュー] 自分が魅せられた“ヒップホップ”を表現したかった “DEFなYが送る特別授業”YUKSTA-ILL『DEFY』
[インタビュー] 自分にとっては“禊”って感じ――LIBRO『SOUND SPIRIT』[インタビュー] 自分がどう思ったか、どう判断したか “らしさ”を模索するYoumentbay
[インタビュー] 稀代の名プロデューサー、トレヴァー・ホーンが80年代の名曲をフル・オーケストラとともにカヴァーしたニュー・アルバムを発表[インタビュー] “常に自分をアップデートさせたい”前向きな姿勢を反映したE.P第2弾、竹内アンナ『at TWO』
[インタビュー] みんな“トモダティ” エレクトロオルタナティブユニット“tomodati”登場[インタビュー] 二人だけれど、一人でやってるみたいな感じ――結成40周年を迎えたGONTITIが7年ぶりのアルバムを発表
[インタビュー] マックス・リヒター、重要作をほぼ網羅&自身も演奏に参加する15年ぶりの来日公演開催[インタビュー] “会える”実感を大切に――ActEvolve・加藤CEOが語るVRが導く新しい音楽ライヴ
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
新譜情報
データ提供サービス
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015