tofubeats『First Album』発売記念特別対談:tofubeats×新井ひとみ(東京女子流)

東京女子流   2014/10/09掲載
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tofubeats+okadadaのユニット、dancinthruthenightsの手がけた「マジ勉NOW! feat. 新井ひとみ(東京女子流)」は、新進気鋭の才能の幸せな交差と結実と強く感じさせる楽曲だったが、tofubeatsのニュー・アルバム『First Album』に収録された、「Come On Honey!feat. 新井ひとみ(東京女子流)&okadada」は、それがさらにブラッシュ・アップされた形で、幸福な音楽を奏でている傑作。今回はtofubeatsと新井ひとみの両名に、コラボ連作にまつわるエピソードをたっぷり語っていただきました。
「以前ヒャダインさんと話したとき、新井さんの低い声が本当に格好いいという話になったんです」(tofubeats)
――まずtofuくんが新井さんを知ったキッカケから教えて下さい。
tofubeats(以下、tofu) 「やっぱり、東京女子流の新井さんとしてですね。女子流は1stシングル(「キラリ☆」)から聴いていて、最初のクアトロ・ツアー(〈東京女子流 1st JAPAN TOUR 2011 〜鼓動の秘密〜〉)も普通にお客さんとして観にいってて」
新井ひとみ(以下、新井) 「そうだったんですか!? すごい嬉しい!」
tofu 「大阪のクアトロまで観にいきました。で、いろいろあって、〈マジ勉NOW!〉に至るという」
――端折り過ぎでしょ(笑)。新井さんはtofubeatsの存在を知ったのは、「マジ勉NOW!」のときですか?
新井 「そうですね。そのときに初めてお会いして」
――「マジ勉NOW!」の制作に至った経緯は?
tofu 「最初、Maltine Records(註1)のTomadと、女子流A&RのS竹さんの間で“女子流とMaltineのアーティストでコラボレーション楽曲を作りましょう”っていう話があって、そこから 『Maltine Girls Wave』のプロジェクトがスタートしたんですよね。そこで僕のほうに、新井さんと一緒に1曲作りませんかっていう話が降りてきたんです。かつ、女子流メンバーのソロ名義じゃなくて、okadadaさんと僕のユニット、dancinthruthenightsに新井さんが客演するということになって。 で、オーダーとして、“何ならラップもやってくれ”って言われて。でも、男ふたりが新井さんとラップで掛け合いするなんて、新井さんのファンの方が、めっちゃ怒るんじゃないかと」
(註1) Maltine Records(マルチネ・レコーズ)
自身もDJとして活動するtomadが2005年、高校1年生のときに同級生と立ち上げたネット・レーベル。所属アーティストによる楽曲を無料ダウンロードできることでファン層を広げていき、今では日本の代表的なネット・レーベルに成長した。tofubeatsやokadadaなど数多くのアーティストを擁している。
新井 「え〜。そうなんですか?」
tofu 「そういうものなんです。僕も、自分が好きなアイドルの楽曲に、いきなり男が入ると嫌だなと思うし(笑)。で、そうならないためにはどうしたらいいだろう?と。それで、okadadaさんとサイゼリアで10時間ぐらい、どういう設定にすれば新井さんが輝いて、新井さんのファンも納得して、俺らも怒られない構成になるのかなって作戦を練って(笑)。そのときokadadaさんとひたすら新井さんのブログをチェックして、そこで“マジ勉NOW!”ってワードを発見して、“これだ! 勉強だ!”って閃いて。そこから進んでいった感じですね」
――では、テーマも含めて、新井さんの存在がありきだった、と。
tofu 「その時期の新井さんのブログが勉強に関する内容が多くて、ホントに受験を頑張ってほしいっていうピュアな気持ちも込めたんです」
新井 「そこまで考えてくださったんですね! ありがとうございます」
tofu 「きっとファンの人も思ってることだから、その気持ちも代弁して、みんなで新井さんを応援しよう!と(笑)。でも、アーティスト活動しながら勉強も頑張るって本当に大変ですよね。lyrical schoolのhinaちゃんもラップの練習の合間に運営チームが勉強を教えてるっていう話を聞いてたりして、“みんな勉強頑張って!”っていう気持ちをとにかく楽曲に込めて」
新井 「ファンの方からも、この曲を聴いて勉強とか、いろんなことを頑張る気になったっていう話を聞くので、それは嬉しかったですね」
――ご自身ではどうでした?
新井 「めっちゃ頑張れました! 勉強って(小声で)……好きじゃなくて」
――いきなり声が小さくなりましたが(笑)。
新井 「あはは。だけどこの曲を聴くと、明るく頑張れるんですよね。嫌だなって思いながら勉強するよりも、明るく前向きにやったほうがいいじゃないですか。この曲を聴くと前向きになれるし、聴いて気合を入れるっていうか」
tofu 「そう。僕らの狙いとしても、新井さんがこの曲を歌ったら、自分でも頑張らざるを得なくなるっていうのが狙いだったんで、それが功を奏してありがたいですね(笑)」
――「マジ勉NOW!」は女子流のカラーとはちょっと違う、キュートな部分の強い曲でしたね。
tofu 「東京女子流の楽曲は松井寛さんが格好よく編曲されているんで、そこからちょっと外れた曲にしないと、松井さんに負けちゃうと思ったんで(笑)。だから僕らは格好よさじゃなくて、三の線で行こうっていうところからスタートして。前向きな内容で、かつ、やたらに元気な新井さんの姿を出そうかなって」
新井 「女子流は大人っぽかったり、失恋系の曲が多いし、こういう元気な楽曲は最近はあまりなかったんで新鮮でした。ラップ・パートもあったりして、最初はすごく驚いたんですよね。でも、やってみたら“……私ラップできる!”って(ガッツポーズをする)」
tofu 「女子流は、今にもラップをしそうな感じがリスナーとしてはあるんですけど、意外とないんですよね」
新井 「〈マジ勉NOW!〉は女子流の曲とはテーマ的にも違ったし、いつもはガッチリ歌って踊ってっていう感じなんですけど、ちょっとゆる〜く、ふんわり歌えるのも気持ち的には新鮮で。ダンスがキメキメじゃなかったのも面白かったですね」
tofu 「テーマに関しても、“勉強とはなんぞや”みたいな部分を芯からokadadaさんと話し合ったんですよ。ぱっと見、ぺらっと書いてるように思えますけど、歌詞の推敲に半月ぐらいかけてて。歌詞が一番時間がかかってるんです。ちなみに“イエ〜”みたいな声を出すレコーディングって今までありました?」
新井 「そんなにないですね」
tofu 「〈Come On Honey!〉でもやったんですけど、声録りのときに、メトロノームに合わせて“イエ〜”とか“フー”とか、“面白いこと言ってください”っていうのをよくやるんですよ」
――結構な無茶ぶりですね。
新井 「だから最初は戸惑いました(笑)。何言ったらいいんだろう、どのタイミングで言えばいいんだろうって」
tofu 「その(戸惑いの)部分が活きるんですよ(笑)。実際、それがすごく新鮮に映るし、普段の女子流とは違う部分が引き出せてるのかなって」
――ちなみに“勉強”というテーマに引っ掛けた質問ですが、新井さんの得意な科目はなんですか?
新井 「得意っていうか、文系より理数系のほうが好きですね。数学の問題を解くのが好きなんです。ソロバンをやってたからか、計算とか数式の問題が好きで。理科とかも好きです」
tofu 「高校1年生の理科って何やってるんですか?」
新井 「細胞とか血液みたいなことをやってます。中学校のときから覚える系が苦手なんですけど、でも今は、世界史とか日本史の記憶系を頑張ってます」
tofu 「僕は逆に文系ですね。社会系とか小論文とかが得意でした」
――結構逆なんですね。話はtofuくんのアルバムに収録された「Come On Honey!」に移りますが、再び新井さんを客演に迎えた理由は?
tofu 「〈マジ勉NOW!〉が自分としても本当に大好きな曲で、作った自分自身もこの曲を聴いて何かを頑張れるようなものになったんですよね。他の曲を作ってヒーヒー言ってるときにも、〈マジ勉NOW!〉を聴いて自分を励ましたりして。“部屋を抜けだして遊びたいけど”……」
――“わがままじゃいられない”って(笑)。
tofu 「そうそう。自分でそんな歌詞を書いたんだから、それは守らねば、と(笑)。で、今回、アルバムのリード曲を立てるとき、明るい部分を出したいなと思ったときに、新井さんのヴォーカルが浮かんだんですよね。かつ、東京女子流の新しいアルバム『Killing Me Softly』〈Partition Love〉を筆頭に格好いい曲が多かったんで、逆に、より可愛いことをやってほしいなと思って新井さんにオファーさせていただいて」
――tofuくんの考える新井さんの魅力は?
tofu 「以前ヒャダインさんと話したとき、新井さんの低い声が本当に格好いいという話になったんですよね。オクターブとして高音まで声が出るんだけど、下の部分もちゃんと出ていて」
新井 「普段の声はそんなに低くないと思うんですけど、でも学校の教科書とか音読するときに、なんか……カスカスってなるんですよ(笑)」
tofu 「声は低くないんだけど、低い音が一緒に出てるんですよね」
新井 「ほ〜」
tofu 「だから歌ったときに、普通の女の子じゃ出ない、ボトムの部分が声に出てるんですよね。それでよりリッチな声に聴こえるんじゃないかな」
新井 「そうなんですか。なんか……すごいですね(笑)」
――コケティッシュなタイプのヴォーカルって、時々聴いて疲れるときがあると思うんですけど、確かに新井さんの声はボトムがあるから、コケティッシュさがまったく嫌味にならないんですよね。本当に天性の声だなって。でも、「マジ勉NOW!」も「Come On Honey!」も展開が複雑ですよね。
tofu 「上下にメロディが展開したり、特に〈Come On Honey!〉はすごく難しい曲だと思うんですけど、歌いこなしていただいてありがとうございます(笑)」
新井 「いえいえ(笑)。でも、〈Come On Honey!〉は音程が覚えづらくて、自分の中でも手こずったりして。だけど、レコーディングのときに'こうやって歌うといいよ'とか教えてもらえたんで、順調に歌えましたね」
――「Come On Honey!」は「マジ勉NOW!」があったからこそ、さらに難しい曲を振ったのかなとも思ったんですが。
tofu 「〈マジ勉NOW!〉ができたからっていうのもあるけど、女子流さんの曲には、もっと難しい曲があるんで、大丈夫かなと。正直、難しい曲だけど、できちゃうだろうなとは思ってましたね。S竹さんに伺っても“歌えます!”って即答で(笑)」
新井 「S竹さんも、レコーディングで'歌えなかったら俺が行くから'って(笑)」
「〈Come On Honey!〉の仮歌をいただいたとき、“わかるな〜”って。この曲、パラダイスだなって思いました(笑)」(新井ひとみ)
――「Come On Honey!」のモチーフはどのように?
tofu 「実はプロト・タイプになるような曲があったんですよね。それは男性シンガー向けに作った曲なんですけど。作りながらちょっと違うなと思ってたときに、新井さんの歌声ならハマるんじゃないかというイメージが浮かんで、そこから新井さん向けにフル・チューンナップした感じです。“HONEY”って男性にも女性にも向けて使える言葉だし、新井さんって'おいでよ!'って言ってくれそうじゃないですか」
新井 「“カモン! カモン!”みたいな(笑)」
tofu 「(笑)。そういう感じがするんで、このテーマに適任かなって。そしてやっぱり歌唱力ですよね。そこは絶対の信頼を置いているので。だから、テーマ的に年下で、歌が上手くて、ソロでも動けて、ちゃんと表現できることがわかってるシンガーってなると、新井さんしかいなかったというか。しかも、〈マジ勉 NOW!〉に比べて歌入れまでの時間がタイトだったんですけど、しっかり仕上げてくださって。もう、プロでしたね。新井プロでした(笑)」
――そんな新井プロの歌っての感触は?
新井 「仮歌をいただいたとき“わかるな〜”って思ったんですよね。“今日は遊ぼうよ朝から晩まで”って歌詞を読んだとき……“わかる! 遊びた〜い!”って(笑)。アイスも大好きだし、この曲パラダイスだなって思いました(笑)。自分の願いが詰まった曲だなって。だから明るい場面を想像しながら歌いました。サビの部分も'パーティに行っちゃう自分!'みたいな部分を想像しながら歌って。〈ROCK IN JAPAN FES〉でもtofuさんと一緒に披露させてもらったんですけど、サビの部分も盛り上がったし、お客さんとも一緒に楽しめる曲だなって」
tofu 「ロッキンでも生歌でバッチリ決めてくれて。すごく練習して下さった感じが伝わってきて、やっぱりプロやなって。あと正直、“この夏、あんまり遊べてないだろうな”って想像があったんで、その雰囲気を歌詞にスッと込めたんですよね。だから、今の話を聞いて、それが届いてよかったなと(笑)。やっぱり、アーティスト活動してると夏は遊べないし、特に女子流さんみたいにライヴ活動が多いグループだと、ここに描かれてるような夏って、たぶん理想や幻想になると思うから。だから、歌詞を通じてドラマの役を演じてもらうような感じでした。〈マジ勉NOW!〉は新井さんに直結してるけど、〈Come On Honey!〉はキャラクターっていうか。実際、今年の夏はどうでした?」
新井 「今年は充実してました! イヴェントも沢山あったし、お母さんと一緒に長野にキャンプに行ったり。公私ともに楽しめたなって。なんか……“旅行っていいな!”って思いました(笑)」
tofu 「ははは。でも東京女子流で、いろんな場所に行ってますよね。今年もサンフランシスコ、バンコク、ベトナム……って結構行ってると思うんですけど」
新井 「そうですね。世界の方に女子流を知ってもらえるのが嬉しいっていうのもあるし、その国ごとにステージの演出も面白くて。ベトナムでは、花火をステージの演出に使ったんですよ。でも、リハで聞いてたポイントとは違うところで花火が出ちゃって、メンバーが一番びっくりするっていう。“え! ここなの!?”って(笑)」
tofu 「僕は遠征行っても観光……しないな〜(笑)。基本、プロデューサーは家派なんで」
――今回のアルバムにもその部分が色濃く出てますね。
tofu 「でも、今年は森高千里さんとサマソニに出たり、ロッキンは1日目にリリスク、2日目は女子流と出たり、普段やらないことをするって意味では旅行っぽいことが多かったと思いますね。でも、アルバムの制作があったんで、夏っぽいことはしてないな。ちょっと高いジンジャーエールを買ったぐらいです(笑)」
――tofuくんはコラボレーションをするときに心がけることはありますか?
tofu 「森高さんでも新井さんでも、他の方でもそうですけど、そのアーティストのファンに方々に対する'礼儀'みたいな部分は考えますね。例えば、女子流を好きな方が新井さんのソロに対して'なんでこんなことやってるんだ'って思うようなことはやりたくないです。だから、客演していただく方の曲は全部聴くし、その上で自分ができる、しかも、そのアーティストさんが今までにやったことがないようなアイディアを提示したいんですよね。コラボレーションをするときは、そこを一番考えます」
――新井さんはソロで歌うときにどんなことを思いましたか?
新井 「1人で歌うのと5人で歌うのは、やっぱり全然違いましたね。だから、レコーディングのときに、どうやって歌ったらいいのかをtofuさんと話し合うし、その提示を受けつつ、自分の声やイメージを入れるっていうのは考えましたね。それによっていい作品になれば嬉しいなって」
――心細いとかはなかったですか?
新井 「ライヴでソロで歌うときは緊張したり不安だったりしましたけど、でも吹っ切れましたね。あと、レコーディングのときは基本的に一人だったりするんで、そこは変わらないかなって」
tofu 「確かに、ブースに入ってガチャっとドアを閉められたら、もう一人ですからね。僕の場合、ディレクションとして、譜割りとか楽曲的な部分では指示させてもらうけど、(ディティールの部分は)あまり細々とは言わないで、“楽しい感じで”“浮かれた感じで”みたいなニュアンスを伝えるぐらいですね。僕のイメージは曲で提示してるんで、その人がそこからイメージしてくれた内容だったり、家で練習してできたイメージを大切にしてもらってます。だから、よっぽど違うってこと以外は直しません。〈Come On Honey!〉も僕のイメージと新井さんのイメージが離れてなかったので、新井さんのイメージのまま歌ってもらって」
――余談ですけど、tofuくんは新井さんの歌入れにお土産とか持って行きました?
新井 「お菓子をいただきました!!」
tofu 「そこが一番テンション上がりましたね(笑)」
――思い出してもテンション上がるぐらい美味しかったと(笑)。
新井 「美味しかったです〜。イチゴ尽くしでしたよね」
tofu 「イチゴの焼き菓子を持っていきました。〈マジ勉NOW!〉のときはチョコのマドレーヌだったかな。アイドルとか若い子ってカロリーを気にするから、持っていっても手を付けなかったするんですけど、新井さんは食べてくれて“エエ子やな……”って(笑)。しかも、食べても体型をちゃんと維持してるんやな、スゴいなって」
新井 「あれは神戸のお土産だったんですか?」
tofu 「ですね」
新井 「神戸行きたいです!」
tofu 「神戸に行ったことは?」
新井 「1回だけですね。神戸女子流で」
tofu 「あぁ、神戸チキンジョージでしたよね。そうだそうだ」
――ホントによく覚えてますね(笑)。
新井 「そのときもスイーツ食べたんで、もう神戸は天国ですね(笑)」
tofu 「でも、仙台も美味しいもの多いですよね。ずんだ餅とか牛タンとか」
新井 「そういえば、この前テレビでやってたんですけど、“ずんだ”がなんのことなのか宮城県外だとあまり知られてないみたいで、“こんなに知られてないんだ!”って驚きました」
tofu 「枝豆でしたよね?」
新井 「そうです、そうです!」
tofu 「当たって良かった(笑)」
新井 「ウチでも作るんですよ。ちゃんと濾したり、薄皮剥いて」
――スタジオでもそういう話はしました?
tofu 「全然しなかったんで、今改めてしてます(笑)。でも、〈Come On Honey!〉のときは、余談を録るっていう手法を取り入れてて、“最近何が好き?”“パンケーキです”みたいな話はしましたね。結局その話のくだりは使わなかったんですけど(笑)」
新井 「それを録ってると思ってなくて、普通に話してたら“あ、これ録ってたんだ!”みたいな」
tofu 「そういう“録ってたんだ!”みたいな素の部分が欲しいんですよね」
――油断できないですね(笑)。3回目のコラボレーションはありそうですか?
tofu 「もし、できるんなら嬉しいですけど……そのときはまた、okadadaとサイゼリアで10時間考えるところから始まると思いますね(笑)。新井さん自身、 〈マジ勉NOW!〉と〈Come On Honey!〉でヴォーカル力もキャラクターも変わってきてるし、来年になったらまた変わると思うんですよね。今、『HARDBOILED NIGHT』(註2)の演技でやってるような拳銃さばきも、2年後になったらめちゃくちゃ上手くなってるかもしれないし(笑)。そういう変化が大きいと思うんで、また一緒に作れるときがあったら、そのときの新井さんをつぶさに観察して、そこから作ると思いますね。だから、もしかしたら、こんな無闇に明るい曲にならないかも知れない。ただ、差し入れに甘いものを持っていくのは変わらないと思いますけど(笑)」
(註2) 『HARDBOILED NIGHT』
2014年7月から5ヵ月連続で行なわれている東京女子流・赤坂BLITZ公演の第2部で行なわれているハードボイルドタッチなドラマ映像とライヴで構成されるステージ。新井ひとみはドラマの劇中でロマンティックな私立探偵を演じている。
――新井さん自身、ソロでやりたいことはありますか?
新井 「ん〜……なんだろう。でも、女子流の曲とはちょっと違う、可愛らしい曲だったり明るめの曲がやってみたいなっていうのはありつつ。あと最近、ファッションにも興味があるんで、そっちの方面にも行ってみたいなって」
tofu 「いいですね。モデルとか?」
新井 「そうですね。この前も『装苑』にモデルとして出させていただいて」
tofu 「あ、僕も『装苑』出たことありますよ、実は(笑)」
新井 「先輩ですね(笑)」
tofu 「でも、モデルとしてラン・ウェイを歩く新井さんとか想像したら……(しみじみした笑顔)」
――脳内で噛み締めてますね(笑)。
新井 「うふふ。でも、もうちょっと身長が高ければいいんですけどね。足は大きいんで、もっと背が伸びるかなと思ってるんですけど……伸び悩んでます(笑)」
tofu 「まだ諦める歳じゃないですよ。高校の間は伸びますよ」
新井 「この前、メンバーの中江友梨ちゃんがどうやったら身長が伸びるのかネットで検索したらしくて。私も検索したことがあるんで、その情報交換をしました(笑)」
tofu 「背が大きい人から言わせてもらうと、よく寝ることが大事(笑)。寝てる間に背骨とか、骨が伸びるから」
新井 「いっぱい寝ましたか?」
tofu 「いっぱい寝てます」
――進行形だ(笑)。
tofu 「小学校5年から6年の間に、30cm身長が伸びましたから。学校で“伸び伸びチャンピオン”として表彰されて(笑)。高校時代も全然伸びたから、カルシウム採って頑張ってください」
新井 「はい!」
――例えばtofuくんのようにDTMだったり、曲作りとかは興味ありますか?
新井 「作詞はしたいなって思いますね。でも、ボキャブラリーがちょっとアレなんで、日本語から勉強しないとなって」
tofu 「でも、〈マジ勉NOW!〉は新井さんの言葉ですからね。新井さんのブログで、“マジ勉NOW!”って言葉を見たとき、okadadaさんと“これだ!”ってなりましたもん」
――パンチラインですね。確かに。
tofu 「そういう、人の頭に残る言葉を出せるのは大きいですよ。それにブログが書ける時点で作詞の才能ありますよ」
新井 「でも、ブログを書きはじめてから、国語力が上がったと思います。最初の頃のブログとか文章になってなくて。牛たんを実家から送ってもらってメンバーと食べた記事とか、〈牛たん、あーちゃん、みゆちゃん、美味しい〉みたいな、もう意味わかんないから!って(笑)。恥ずかしくなっちゃう。でも今はブログのお陰で作文とかも書けるようになって、良かったなって」
tofu 「ブログは大事ですね(笑)」
――では最後に、tofuくんから今回のアルバムについて一言お願いします。
tofu 「新井さんに参加していただいただけでも十分なんですが、森高千里さん、藤井隆さん、BONNIE PINKさんなど、強力なメンバーが揃ってて、皆さんに乗っかりまくって最高なアルバムになってると思います(笑)。森高さんと新井さんが同じアルバムに入ってるのは面白いと思うし、たとえばLIZとBONNIEさんと藤井さんと僕で鍋を食うことは、まずないと思うんですよ」
新井 「え……鍋!?」
――なぜそこに反応を(笑)。
tofu 「でも、CDだったらそれができるのは面白いなって。アルバムならではのコラボができたのは嬉しいし、最近の作品の中でも面白いことができたんじゃないかなって思ってます」
――10月30日のリリースパーティには新井さんも登場するとのことですが。
tofu 「okadadaも出ることになったんで、やる曲は〈Come On Honey!〉だけじゃないかも知れないことになりましたと、今お伝えします(笑)」
新井 「あはは! そうなんですね。頑張ります!」
取材・文 / 高木JET晋一郎(2014年9月)
撮影 / 相澤心也
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tofubeats ライヴ
tofubeats“First Album”release party
www.tofubeats.com
2014年10月30日(木)
東京 代官山 UNIT
〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西1−34−17 ZaHOUSE
03-5459-8630

開場 / 開演 18:00
前売 3,000円 / 当日 3,500円(税込 / 別途ドリンク代)
※整理番号順にご入場となります。


[live]
tofubeats
cho: 池田智子 (Shiggy Jr.)
lyrical school

[special guest live]
藤井 隆 / SKY-HI / 新井ひとみ (東京女子流) ほか

[DJ]
tomad / DJ WILDPARTY ほか


制作: (有)申し訳
協力: (株)ワーナーミュージック・ジャパン / ONEPEACE.INC / (株)よしもとクリエイティブ・エージェンシー



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東京女子流 ライヴ
tokyogirlsstyle.jp

TGS Discography in October
(4th Album『Killing Me Softly』より)

2014年12月7日(日)

東京 赤坂 BLITZ
〒107-0052 東京都港区赤坂5-3-2
03-3584-8811

開場 14:00 / 開演 14:30
前売 3,000円(税込 / 別途ドリンク代500円)
※整理番号付きスタンディング

※お問い合わせ: ホットスタッフプロモーション 03-5720-9999

HARDBOILED NIGHT 第4夜
「Farewell , My Lovely さらば愛しき女よ」

2014年10月13日(月・祝)

東京 赤坂 BLITZ
〒107-0052 東京都港区赤坂5-3-2
03-3584-8811

開場 18:00 / 開演 18:30
前売 3,000円(税込 / 別途ドリンク代500円)
※整理番号付きスタンディング

※お問い合わせ: ホットスタッフプロモーション 03-5720-9999
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https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
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