今年結成15周年を迎える
BABYMETALが、5月30日(金)にイギリスのロンドンにあるO2アリーナで日本人グループ史上初となる単独公演をSOLD OUTで完遂しました。
約2万人を動員するO2アリーナは、
ボン・ジョヴィ、
レッド・ツェッペリン、
プリンス、
メタリカ、
ビリー・アイリッシュなど名だたるレジェンドアーティストたちが公演を行ってきた会場。BABYMETALは2016年4月にもロンドン・ウェンブリーアリーナで日本人グループ初となる単独公演を開催しており、その後
X JAPAN、
ONE OK ROCK、
YOASOBIなどが続いて単独公演を行なっていますが、今回もO2アリーナで単独公演を行う日本人アーティストとして先陣を切り、さらにSOLD OUTで新たな記録を打ち立てることとなりました。
[ライヴ・レポート] 開演前から会場周辺にはBABYMETALのTシャツを着たり、コスプレをした多くのファンが詰めかけ、グッズ売場には長蛇の列ができていた。そのほとんどがイギリスに住むロックファンなのも、海外で支持されているBABYMETALならではの光景だろう。ちなみにBABYMETALは2016年4月のウェンブリーアリーナ会場のグッズ売上記録No.1を更新した実績など海外にも熱狂的なファンが多い。そしてこの記念すべき公演を日本やアジアのファンに向けて、全国の映画館で早朝からリアルタイム上映のライブビューイングとディレイビューイングが行われ、後日WOWOWでも放送が予定されていることも追記しておこう。
5月10日から始まったUK&EUアリーナツアーのサポートアクトとして帯同していたBambie ThugとPoppyのステージが終わり、今か今かと待ち構えるファンたちから「BABYMETALコール」が巻き起こり、ボルテージが高まってきたところで暗転となり、BABYMETAL恒例の紙芝居風のストーリームービーが始まった。
「メタルのその先へ」というメッセージと共に、4枚目の新作アルバムとなる「METAL FORTH」のジャケットデザインを模っているガラスの破片がバラバラな状態からBABYMETALのロゴを形作ると、いよいよ「BABYMETAL DEATH」で幕開けだ!
その全貌を表したステージセットは、新作アルバム「METAL FORTH」のジャケットデザインと同様の菱形のメインステージ、少し離れた会場のセンターのところにサブステージ、その間を花道が繋いでいた。
オーディエンスの全景が映し出された巨大なLEDスクリーンの中に浮かび上がるようにメインステージが動き出し、海外アリーナ公演ならではの規格外の大きさと量の炎と共に立ち昇る様は、まさに「儀式」の始まりという言葉に相応しい。会場に詰めかけたファンたちは一体となって「DEATH! DEATH!」のコールを叫び、アリーナフロアのあちらこちらでサークルモッシュが巻き起こる。
「メギツネ」「PA PA YA!!(feat. F.HERO)」と立て続けに代表曲を連発すると、ブルータルトラップメタルな「BxMxC」をドロップ。地鳴りのような低音がフロアの底から襲い掛かり、規格外なサウンドに序盤から早くもノックアウトされる。
すでにライブでもお馴染みの定番曲である「メタり!! (feat. Tom Morello)」では、メンバーはメインステージから離れたサブステージから登場し、フロアのオーディエンスを煽り、しゃがむことを促しながらメインステージへとたどり着く。「Are you ready?」の掛け声で一斉にフロアがジャンプすると、早くも今日のハイライトが訪れた。
続いては新曲となる「Kon! Kon! (feat. Bloodywood)」だが、“ボリウッドメタル”と称されるインドのメタルコアバンド・Bloodywoodをfeatした楽曲は、狐の「妖怪」をテーマとしたリリックと「和」の要素を感じさせるボーカルメロディー、インドの民族音楽をベースにしたグルーヴと民族楽器を取り入れたアレンジ、それぞれのバンドのルーツでもある「和」と「印」の要素が融合し、グルーヴィーながらも不思議とノスタルジックな感覚を呼び起こす。ボリウッドダンスを取り入れたダンスとオーディエンスの掛け声が繰り返され異世界へと連れて行かれる感覚に陥る。
さらに続けてこの日が初披露となる新曲「Sunset Kiss (feat. Polyphia)」が始まると、再びメインステージが浮き上がり、BABYMETALのメンバーは巨大LEDスクリーンに映し出された幾何学的な空間に吸い込まれる。先ほどの曲とはガラリと変わった風景が広がり、新作アルバム「METAL FORTH」収録曲のバライティーに富んだ幅広さを物語っているようだ。
「1!2!3!」のカウントで紙芝居風のストーリームービーが始まると、待ってましたとばかりに一斉にオーディエンスは叫び出す。本公演の数日前にMVが公開になったばかりの新曲「Song 3 (BABYMETAL x Slaughter to Prevail)」の今日イチバンのブルータルなサウンドがオーディエンスを突き刺すと、MOMOMETALのデスボイスが追い撃ちをかける。MOAMETALとMOMOMETALのファニーな掛け合いから一転して、SU-METALの屋根を突き破るようなハイトーンボイスが響き、Alexの極悪グロウルが畳み掛けると、この曲の持つ「Beauty and the Beast」な毒性が蔓延しカオスな世界を産み出した。
「ギャー!!」っとひときわ黄色い歓声が上がったのが「ヘドバンギャー!!」。特に女性ファンからの人気が高いこの曲は、結成15周年アニバーサリーイヤーを象徴する「15の夜」となったことだろう。
「Fu! Fu!」のコールと共に4つ打ちのダンスビートが流れると、オーディエンスは一気にパーティーモードへと変化する。普段スポーツゲームも行われるO2アリーナならではの演出で、ダンスムーブをする客席のファンをカメラが捉えスクリーンに映し出すと、ファンは我こそはとばかりにダンスアピールを繰り広げる。バイラルヒットを飛ばした楽曲ということもあり、オーディエンスのテンションは一気に最高潮へと盛り上がりハッピーなオーラに包まれた。
勢いそのままに「ギミチョコ!!」へとなだれ込み、さらにボルテージはマックスへ。フィナーレではウォーターフォールのような花火が落ちてくるシーンも、まさに海外アリーナ公演ならではのスペシャルな演出でフィナーレを迎えた。
鳴り止まない「BABYMETAL」コールが続くインターバルを挟んで、スクリーンに巨大なモンスターが映し出された。メンバーはサブステージから登場し、ひときわ大きな歓声が上がると、サプライズでメインステージにはfeat.アーティストのPoppyが登場!完全体での「from me to u (feat. Poppy)」がスタートするとCo2の煙のタワーが噴き出し、フロアも一気にモッシュの嵐となる。続けて「KARATE」では、会場の中心にあるサブステージ上で踊るメンバーを、オーディエンスが放つスマホライトの光が包み込む幻想的な光景が広がり、会場がひとつになった瞬間であった。
そして紙芝居風のストーリームービーで「WALL OF DEATH」が告げられると、こちらも嬉しいサプライズで「イジメ、ダメ、ゼッタイ」がスタート。SU-METALのシャウトの中、燃え盛る炎の中を走り抜けるMOAMETALとMOMOMETAL。そしてフロアには巨大WALL OF DEATHが発生する。この光景だけでも心にグッとくるものが込み上げてくる。
「Road of Resistance」の法螺貝の音と共にフラッグを掲げるBABYMETALが登場する。SU-METALがフロアを仕切り、いよいよ最後の戦いが始まる。「1!2!3!4!」の掛け声で幕を開け、まるで出陣式のようなBABYMETALのパフォーマンスに呼応するように、拳を振り上げシャウトするオーディエンス、渦を巻くサークルモッシュ、途中オーディエンスの「WOW WOW」の大合唱が鳴り響く中、再び会場がひとつになり、「We are!」「BABYMETAL!」のコールアンドレスポンスでエンディングを迎えたシーンは、まさに日本人アーティスト史上初となるO2アリーナの一大決戦を戦い抜いた勇者たちを象徴するシーンであった。
SU-METALは第2の故郷でもあるイギリスに感謝の言葉を述べると、鳴り止まない拍手と歓声の中、次回予告の紙芝居風ストーリームービーが流れる。O2アリーナが位置するメタルの聖地、UK出身のMETAL GODでもあるRob Halford(Judas Priest)から BABYMETALへエールを送るスペシャルメッセージがサプライズで贈られた。さらにはO2アリーナに続くスペシャルアリーナショーの第2弾として、日本人アーティスト史上初となるアメリカ・ロサンゼルスにあるINTUIT DOMEでの単独公演が発表された。8月8日にリリースされる新作アルバム「METAL FORTH」と共に、ますます勢いを増すBABYMETALの今後の活動に注目しよう。







