『マッドマックス』、『ターミネーター』の最新作が劇場公開を控える今日この頃、忘れちゃいけないカルト傑作、映画『ハードウェア』(写真・1990年)が待望の初
Blu-ray&
DVD化をとげ、7月15日(水)に発売されます。
また同日には“20世紀から甦った3機の最狂デス・マシーン、再起動!”と題し、『ハードウェア』と同じく、今なお熱い人気をほこる2作、『チェリー2000』(1987年)、『EVE / イヴ』(1991年)も初Blu-ray&DVD化を果たします。
放射能に汚染された荒廃した世界で、人間殺戮マシーン“マルコ13”が制御不能なサーチ&デストロイを展開する『ハードウェア』は1990年にイギリス、アメリカなどで公開、『ターミネーター』を凌ぐSFハイパー・アクションとして翌年、日本にも上陸。制作費150万ドルという超低予算映画ながら、あまりの面白さでまさかの大ヒットを記録し、思わぬ収益が原因で製作者たちの間では仲間割れが起こった作品。アメリカの人気映画サイト「ONLY GOOD MOVIES BLOG」による“史上最高のロボット映画ベスト85”の第1位にも輝いています。
監督は、南アフリカ出身で当時24歳の
リチャード・スタンリー。
ダリオ・アルジェント作品に影響を受けたというスタンリーは、強烈な色彩設計と網膜を直撃するストロボ・エフェクト、そしてディテールを追求した美術デザインのアヴァンギャルドによって『ターミネーター』に比肩する近未来SFホラーの世界観を確立。
そして、本作を語る上で外せないのが“音楽人脈”。本編では、冒頭から、架空のラジオ局「WARラジオ」のDJ“アングリー・ボブ”役として、かの
イギー・ポップが声で出演。制作前にはこの役柄を演じると噂が広まっていた
ジョン・ライドンは、自身のバンドである
PIL(パブリック・イメージ・リミテッド)の「The Order of Death」が映画本編で使われ、別のかたちで本作に関わることに。
さらに本編には、
モーターヘッドの
レミーも登場し、水上タクシーを運転してキルド・バイ・デスな台詞を披露。ラジオをつけてモーターヘッドの「Ace of Spades」をお見舞いします(レミーは台本にあった台詞がくだらないとしてすべてオリジナルな台詞を発言、撮影現場では役柄の小道具として渡された本物の銃をホルスターから抜こうとして手が滑り、銃を海に落として失くすという極悪ぶりを発揮)。
劇中では、ダリオ・アルジェント『フェノミナ』(1984年)、
アレハンドロ・ホドロフスキー『サンタ・サングレ / 聖なる血』(1989年)などを手がけた
サイモン・ボスウェルによる暗黒感・終末感を醸し出す音楽とともに、ミニストリー「Stigmata」(使用されるシーンでテレビに映っているバンドはGWAR)、イギー・ポップ「Cold Metal」なども流れており、ストーリーを盛り上げています。
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