世界的メッゾ・ソプラノの
エリーナ・ガランチャ(Elina Garanca)が6月に来日公演を開催します。この来日公演にあわせ、2024年に発表された「夜」をテーマにしたアルバム『When Night Falls...』が国内盤に。『夜が訪れるとき』が6月13日(金)にリリースされます。
夕暮れから夜明けまで、「夜」の情景や感情をテーマにした歌曲を、管弦楽、ピアノ、ギターなど多彩な編成で綴り、ガランチャ自身が最初から最後まで選曲したアルバム『夜が訪れるとき』には、オーケストラとの共演による重厚な楽曲から、ギターや室内アンサンブルとの親密な対話が光る作品、そして故郷・ラトビアの歌曲まで、多彩な18曲が収録されています。
冒頭を飾るのは、
リヒャルト・シュトラウス「子守歌」、
フンパーディンク「夕べの祈り」、
ファリャ「アストゥリアス地方の歌」という、オーケストラ伴奏による3曲。ガランチャの夫でもあるカレル・マーク・チチョン指揮、
グラン・カナリア・フィルハーモニー管弦楽団との共演で、アルバムのドラマティックな幕開けを彩っています。
室内楽やギターとの共演では、夜の静けさや親密さが繊細に表現されています。ベルリン・ミュージック・アンサンブルとの「フォーク・ソングス」、
アルブレヒト・マイヤー(オーボエ)&
マルコム・マルティノー(ピアノ)との
ブラームスや
シューベルトの名作、さらにラファエル・フイヤートルや作曲者
ガジャルド・デル・レイとのギター共演が、深い叙情を湛えた夜の世界を描き出しています。
また、ガランチャが自身のルーツであるラトビアの音楽を録音したのはこれがはじめて。ラトビアを代表する作曲家ライモンズ・パウルスの作品や、祖母の歌声の記憶をたどる民謡「ねんね、しずかに、くまの赤ちゃん」など、きわめて個人的で温かな選曲が心を打ちます。
不安・やすらぎ・郷愁といった感情が、深く柔らかな歌声で丁寧に描かれるこのアルバムについて、ガランチャは「この音楽が、聴く人にとって数分間でも現実を忘れ、夜の時間が持つ特別な魔法にひたっていただけるものになればと願っています」と語っています。
©Sarah Katharina Photography