ラッパー・
Itaqが、5月20日(金)にリリースした『委託 (Deluxe)』から「幸福」のミュージック・ビデオを公開。
soakubeatsによる微かに明るいトロピカルなビート上で、自身の抱えて来た女性憎悪、自罰思考と言った心の闇を少しずつ“解毒”して行く「幸福」。2019年リリースの「委託」へのアンサー・ソングであり、コンプレックスとフラストレーションに悩まされていた当時の自分に3年後の未来から手紙を送るイメージで制作されました。
ミュージック・ビデオは、栃木県小山市を拠点に活動する新鋭ビデオグラファー・abokado boyが監督を担当。撮影は全てItaqの住む栃木県那須郡にて行われ、自宅の風呂場、謎の塔、橋の架かった寺院など奇妙な雰囲気を漂わせるロケーションと、夜の寺院で行った合わせ鏡の儀式が印象的な仕上がりとなっています。
Itaqが、アンダーグラウンドでその名を馳せる国内ヒップホップ界の異端児・soakubeatsとタッグを組み、自身初となるアルバム『委託』をリリースしたのは2019年、Itaqが19歳の頃。あれから3年。再び結託したItaqとsoakubeatsにより発表された1stアルバムのデラックス版『委託 Deluxe』。本作は、『委託』に収録されていた楽曲をItaq本人が再ミックス。イントロに関しては丸ごと差し替えられ、2018年〜2019年のアルバム制作当時最初期に作られたイントロの原型がそのままブラッシュアップされて採用されました。
そして、4曲のボーナストラック、さらには全曲のインスト・ヴァージョンを追加収録。昨年既にシングルとしてもリリースされたボーナストラック1曲目の「Entrust」では、覚せい剤に依存しながら裏社会を生き抜く少女への恋慕を、荒涼としていながらもメロウな楽曲へと昇華させました。ボーナストラック2曲目、どこか彼の信仰も連想させるタイトルの「幸福」では、『委託』リリース当時の彼の女性に対する認知の歪み、憎悪などを3年の時を経て解毒しようという試みが、皮肉にもsoakubeatsのほんのりと明るいトロピカルなビートの上で展開されます。ボーナストラック3曲目「Morpheus」は映画『
マトリックス』シリーズに感化を受けた楽曲。自分が信じる神と対峙し、使命感を持った自分すらも神によるプログラムでしかないとラップする一方、自分以上に自分のことを信じ続けてくれている人々を救世主ネオにとってのモーフィアスになぞらえ、信じた道を歩み続けることを改めて宣言するような楽曲となっています。最後のボーナストラックである「あなたがいたから」では、支えてくれた人たちへの感謝をsoakubeatsの春の雪解けのような暖かみのあるビートの上で朴訥に歌い上げました。
このアルバムはデラックス版という形をとってはいるものの1stアルバム『委託』の事実上の“完成版”であり、18歳から22歳までという多感な時期を経てフラストレーションに満ちていた少年Itaqが1人の大人になって行くまでの過程を生々しく記録した貴重な作品です。