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Z世代も虜にするソロ・ヴォーカルの神髄 ちあきなおみ『残映』の聴きどころ
ちあきなおみ
2022/10/19 12:14掲載
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ちあきなおみ
が、話題作『
微吟
』から3年半ぶりのコンセプト・アルバム『
残映
』を10月19日(水)にリリース。
今なお光を放つその作品群の魅力をより深く掘り下げ、日没後も照り映えて残る西空の明かりをイメージに、男と女の恋愛模様や、未練を描き出した楽曲を集めた構成です。歌謡曲・演歌・シャンソンなど、その幅広い歌唱の深みを堪能できる作品となります。
オリジナルマスターからの全曲最新リマスタリング。初回生産分は数量限定で、CDが2枚入るスリーブケース付。前アルバム『微吟』と同様のイメージデザインで作成し、2枚を姉妹盤のように収納できるケース付になります。
[ディスク・レビュー]
昭和歌謡がさらなる盛り上がりを見せている。テレビでは『マツコの知らない世界』(TBS系)や『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系)などの人気番組が昭和の歌謡曲にスポットを当てた企画をたびたび放送。雑誌では今年に入って『ブルータス』(マガジンハウス)と『ギター・マガジン』(リットーミュージック)が大々的に歌謡曲を特集し、それぞれ大きな話題を呼んだ。
動画サイトやサブスク(定額制音楽配信サービス)の普及によって、自分が興味を持った音楽に容易にアクセスできる時代になったからだろう。人間の普遍的な心情をテーマに、詞と曲が一体となって情景を描き出す昭和歌謡の魅力は“Z世代”と呼ばれる10代から20代前半の若者たちにも浸透。SNSを通じて日々共有・拡散され、楽曲のみならず歌い手の歌唱力や表現力への注目も高まっている。NHKが地上波やBSで山口百恵、西城秀樹、中森明菜らの「伝説のコンサート」を放送したときは、その都度Twitterで歌手名がトレンド入り。程なくして再放送が決定したのは、彼らのパフォーマンスが往時を知らない若者をも魅了した証しと言えよう。
そんな現象を牽引している歌手がいる。ちあきなおみだ。1969年にデビューした彼女は「喝采」(1972年)で日本レコード大賞を受賞。歌謡曲、演歌、ニューミュージックから、ジャズ、シャンソン、ファドまで、ジャンルを問わず独自の世界を創り上げる歌唱力で不動の地位を確立するが、1992年に活動を休止した。それから30年。一度も復帰することなく現在に至っているが、その存在感は薄れるどころか、寧ろ高まっている。
たとえばテレビ。ちあきの特番はNHK-BS2(当時)の『歌伝説 ちあきなおみの世界』(2005年)を皮切りに、BSテレ東やBS-TBSで複数制作されているが、どの番組も再放送を重ねている。視聴者からのアンコールが多いからだ。一方、前出の『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』が昨年8月に放送した「昭和の歌姫ベスト20」では、現役組が多数を占めるなか堂々の9位。選者は平均年齢13歳の少年少女なので、世代を超えて支持されていることが分かる。
CDの売り上げも破格だ。本人不在のなかリリースされてきた復刻盤やベスト盤、BOXセットはいずれも好セールスを記録。2019年4月に発売されたコンセプトアルバム『微吟(びぎん)』はオリコンで36年ぶりのトップ40入りを果たし、日本レコード大賞の企画賞を受賞、現在もアルバムチャートにランキングされるロングセラーとなっている。
その『微吟』から3年半。ちあきにとって令和初となる待望のコンセプトアルバム『残映』が10月19日にリリースされる。今作は「日没後も照り映えて残る西空の灯り」をイメージに、男女の恋愛模様や未練心を描き出した17曲を厳選。シングルA面やアルバム表題曲としてお馴染みの「夜へ急ぐ人」(シングルとは別アレンジ)「伝わりますか」「色は匂へど」「紅い花」といったオリジナル曲に加え、「東京砂漠」(オリジナル:内山田洋とクールファイブ)、「夜霧よ今夜も有難う」(同:石原裕次郎)、「玄海ブルース」(同:田端義夫)など、カバー曲も多数収録されており、彼女の比類なきボーカルを堪能できる内容となっている。
ちあきと半世紀以上の親交がある音楽プロデューサーの東元晃氏は「聴き手の感性に訴えかける曲で構成した」とコメント。詩情溢れるシャンソン(「アコーディオン弾き」「ラ・ボエーム」)やファド(「秘恋」)のカバー曲のほか、隠れた名曲が脚光を浴びてほしいとの想いで「祭りの花を買いに行く」(作詞・作曲:友川かずき)、「部屋」(作詞・作曲:小椋佳)などをセレクトしたという。
その言葉どおり、人生の哀歓を余すところなく表現するちあきの歌声は、秋が深まり、感受性が豊かになるこの季節には特に沁みる。なかでも「アコーディオン弾き」は圧巻で、さながら“ちあきなおみ劇場”。情景描写とヒロインの心理描写が、声色や唱法によって巧みに演じ分けられるさまは、一瞬たりとも聴き逃せないスリルがある。サブスクに慣れた昨今のリスナーはイントロや間奏を飛ばしてサビだけを聴く傾向があるというが、1曲ごとに極上のドラマが展開するこのアルバムを聴けば、じっくり歌を聴く歓びを味わうことができるに違いない。
多彩な楽曲で構成された本作は全曲オリジナルマスターからの最新リマスタリング。曲ごとのダイナミクスを尊重し、歌の表現力に重点を置いた処理が施されているという。初回生産分は前作『微吟』を姉妹盤のように収納できるスリーブケースが付くというから、この秋は2作をたっぷり鑑賞して、稀代の歌姫の残映に浸りたい。
文: 濱口英樹
■
ちあきなおみ テイチクエンタテインメント
www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/chiaki
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