1990~2020年代の日本のインストゥルメンタル・シーンにおいて、異彩を放ち続けたロック・グループ“
蟬”。2026年2月、ギターの岡﨑康洋の訃報が発表され、追悼の意が絶えない中、その直前に完成したアルバム『SEMI』がディスクユニオンで販売開始となり、4月21日にトレーラーが公開されました。
岡﨑康洋(g)、栗山和彦(b)、小貫誠(ds)のトリオ編成で結成以来、即興演奏を核とした独自の音響空間を追求してきました。2026年2月、「deterra」より発表された通算4枚目の本作は、彼らの真骨頂が遺憾なく発揮された1枚。2023年に彼らの活動拠点である福岡にてスタジオ録音された本作は、一瞬の閃きを逃さず定着させる「インスト・ロック・グループとしての矜持」が濃密に凝縮されています。
しかし、本作のリリース直後、グループの精神的支柱であったギタリストの岡﨑康洋が永眠。期せずして、この4thアルバムは彼が生涯をかけて追求したサウンドの集大成となりました。張り詰めた緊張感の中に、福岡の街で育まれた情熱が宿るこの遺作は、即興音楽の可能性を切り拓き続けた“蟬”の軌跡を永遠に刻み込んでいます。