2012年にデビュー作「
緑のさる 」が〈野間文芸新人賞受賞〉を受賞し、昨年発表の「
しんせかい 」で第156回〈芥川賞〉を受賞した気鋭作家・
山下澄人 。同氏が2014年に発表した小説「
コルバトントリ 」を、同年に第58回〈岸田國士戯曲賞〉を受賞した鬼才・飴屋法水が舞台化した『コルバトントリ、』が、
DVD (play-10 / HEADZ-221 3,000円 + 税)となって10月4日(水)に発売されます。
2015年4月に東京・清澄白河「SNAC」(現在は東京・三鷹へと移転して「
SCOOL 」に改称)にて飴屋演出の下で上演された『コルバトントリ、』には、青柳いづみ、安藤真理、郷 拓郎(
detune. )、グルパリ、飴屋の息女・くるみに加え、山下と飴屋も出演。映像制作コレクティヴ「
Pool Side Nagaya 」を率いる河合宏樹が映像監督と務めています。
発売に先駆けて
YouTube では予告編が公開されているほか、再び山下・飴屋がタッグを組んで10月1日(日)まで東京・
こまばアゴラ劇場 にて上演中の舞台「
を待ちながら 」の会場では先行販売も実施中。
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ある日、山下さんからメールが届いた。飴屋さんの『教室』を見て感銘を受けたこと、SNACという場所も面白いと思ったこと、などが記されてあった。実をいえは、その時すでに自分の心の中に、この公演のアイデアが宿っていた。以前から、飴屋法水の演劇と、山下澄人の小説は、深いところで、明らかに通じ合っている、そう思っていた。前世か、あるいは来世で、ふたりは朋友か、ことによると兄弟だったんじゃないか。ならが現世で、一緒に何かをすることになるのも、それは必然と言っていいだろう。実際、話はすごく速かった。僕がしたのは、ふたりが出会う段取りをしたこと、あとは「、」を付け加えたくらいである。ずっと昔から決まっていたこと、すべてのはじまりの前からとっくに定められていたことに、たまたま自分がかかわった、そんな気分でいる。 ――佐々木 敦 原作者として出ませんかといわれてぼくはどういう事だろうと考えた。書いた経緯を話したりするのかな、朗読をしたりするのかな。違っていた。そもそもぼくは「原作者として」と言われるまでもなく原作者だ、らしい。となればどんなかたちで出ようと原作者としてだ。ゆえに「原作者として」に意味はなく、要するに出ませんかという事で、だからそういう事だ。ぼくは「はい」と返事した。ぼくは小説を読み返してない。今回の出演者の中でたぶんもっとも原作の中身をよくおぼえてない。書いた事すら実はあまりよくおぼえてない。ぼくは『コルバトントリ、』に参加したのだ。原作もくそもない。というか原作って何だろう。 ――山下澄人 気がついたら、とても地味な作品になったように思う それでいい 青柳いづみ、郷拓郎、安藤真理、山下澄人、グルパリ この5人の登場人物、だからできること、を、こつこつ、やった 山下澄人の書いた小説を読んでつくった どこかの誰かの、心の傷とか後悔とか、そんなことはどうでもいい と言ってしまえるほどに、この世は、残酷なものだ 人間は残酷だ それなのに、たとえば、ありがとう、などという こー、とー、ばー、を、人間は発明したりする ありがとう ――飴屋法水