シンガー・ソングライターの
河口恭吾が、恵比寿・BLUE NOTE PLACEにてワンマン・ライヴ〈Replugged 2026〉を開催しました。
サポート・ミュージシャンは、
武藤良明(Gt.)、
草間信一(Pf.)、
西岡ヒデロー(Per. / Tp.)。ライヴから楽曲制作まで共にする機会の多い、長年親しみのあるメンバーとともに、“桜”舞う季節にふさわしい一夜限りのスペシャル・ライヴが届けられました。
本公演タイトル〈Replugged〉は、コロナ禍において音楽を“つなぎ直す”という想いから2020年に掲げられ、以降毎年開催されてきたカフェ・ツアーのタイトル。本公演が、その節目となる最後の公演となりました。
河口恭吾は、5月よりカフェ・ツアーを新たに〈EXTEND LIVE TOUR〉と題してスタートします。“拡張する”という意味を持つタイトルの通り、6年目を迎える同ツアーは新たな広がりを見せていく予定です。デビュー26年目を迎え、変わりゆく時代の流れとともに拡がり続ける河口恭吾の音楽活動に、注目が集まります。
[ライヴ・レポート] メンバーがステージに上がると、客席から拍手で迎えられ、「美しいもの」でライブがスタート。バンドとともに奏でられる軽快なメロディが、会場に響き渡る。
『どうもありがとうございます。ようこそお越しくださいました河口恭吾です。今日は飲みながら食べながらゆっくり楽しんでいただければと思います。』と、会場の雰囲気に寄り添い丁寧に挨拶。
続けて、「美しいもの」同様、昨年5月にリリースした「Almost Blue」収録の「おかげさま」を披露。恋も仕事もアプリケーションを使う時代となった今を描いた楽曲で、会場に集まった同世代のファンたちを一気に引き込む。
栃木県佐野市出身の河口は、同郷の画家で田中一村に触れ、『小さい頃に作品を見て強く印象に残っていたのですが、一昨年、東京で開催された回顧展で約30~40年ぶりに“アダンの海辺”という作品を見て、とても印象に残っている』と語り、その情景をもとに歌詞を書いたという「アダンの海辺」。『昔、仕事でカンボジアに行ったときに、アンコールワット遺跡の向こうから朝日が昇るのを見て、それがとても印象に残っていて』と当時を振り返り、その記憶から生まれた「異国の夜明けを待ちながら」。2曲を原風景に思いを馳せるように歌を届けた。
『知らない曲ばかり聞かせてしまって申し訳ないです』と謙虚に語りつつ、1部では玉置浩二「メロディー」、2部ではThe Police「Every Breath You Take」のカバーとともに、自身の代表曲「桜」を披露。出会いと別れの季節である春に寄り添うように、会場を優しく包み込んでいった。
続いて“大人の恋の危うさと、情熱や葛藤”を描いた新曲「やさしい棘」。歌う前に『この曲はFLYING KIDSの浜崎さんとTHE BACK HORNの松田さん、3人で詞を書きました。松田さんの持っているアイディアを色々投げ入れてもらって、3人で書くというのもなかなかない作業なので、非常に楽しい作業だったんですけど、自分のいつもの感じとはちょっと違う、新鮮な言葉も楽しいなあと感じております。』と語り、デビュー25年を超えてもなお、創作を続ける喜びをにじませた。
「やさしい棘」をしっとりと歌い上げると、自然な流れでミュージシャンとのグルーヴが立ち上がり、空気を一変。「大人を休もう」でラストスパートに向け、ライブを加速させる。客席も手拍子で応え、会場の一体感が一気に広がった。
最後は、『私は昭和49年生まれなんですけど、何かっていうと昭和は隅に追いやられている感が、私個人的にはありまして。みなさんどうですか?』と語りかけ、『昭和が全部良いとか言うつもりはないですけど、今夜最後の曲は、遠くなっていく昭和の背中を思いながら、同世代の方に向けた曲を聴いていただきたいと思います。』と時代への思いを重ねながら「置いてけぼり」をダイナミックに演奏。
昭和・平成・令和という3つの時代を生きてきた河口恭吾が、同世代へ向けた想いを込めた楽曲とともに、本編を締めくくった。




写真: おおつか ときや(株式会社pomua)