1913(大正2)年8月21日の官報にて、東北帝國大学(現・東北大学)の入学試験に女子受験生3名が合格したと発表され、日本で初めて女子大生が誕生したことから、東北大学が8月21日を「女子大生の日」に制定しています。
当時の帝国大学や専門学校は、女子や旧制高等学校以外の出身者の入学は認められず、女性が大学へ入学すること自体が考えられない時代でしたが、大学の3つの理念に“研究第一”“実学尊重”とともに“門戸開放”を掲げていた東北帝國大学は、世間の風潮に飲まれることなく、独断で3名の女性(黒田チカ、丹下梅子、牧田らく)の入学を許可。のちに、黒田は女性理学博士となり紫綬褒章を受章、丹下は日本人女性として2人目の女性農学博士に、牧田は黒田とともに日本初の女性理学士として活躍しました。
ちなみに、東京帝國大学が“東大”と呼ばれていたため、東北帝國大学の創立当初は“北大”とされていました。のちに、東北帝國大学から分立した北海道帝國大学は“海大”に。現在では、東北大学が“東北大”、北海道大学が“北大”の略称を用いています。
さて、時代とともに女子大生模様も様変わりし、音楽シーンにも女子大生によるグループやバンドが登場していきます。1980年代前後からは“女子大生ブーム”が起こり、プロではなく一般の女子大生がファッションやメディアの主役となったことで、一般人タレントカルチャーが花開くことになります。
1980年に写真家の
篠山紀信が撮影した雑誌『週刊朝日』の表紙に抜擢されたのが、当時熊本大学在学中の
宮崎美子。ビーチでTシャツとジーンズを脱いでビキニ姿になるミノルタ(現・コニカミノルタ)のCMでブレイクすると、社会現象となったCMに乗じて、
斉藤哲夫が歌うCMソングもシングル化。
糸井重里作詞、
鈴木慶一作曲による「いまのキミはピカピカに光って」は20万枚超のヒットとなりました。また、宮崎も1981年に
八神純子作曲の「NO RETURN」でレコード・デビューを果たしています。
1981年にスタートしたのがラジオ番組『ミスDJリクエストパレード』で、現役女子大生が各曜日ごとにDJ(ディスクジョッキー)を務めました。“日本版FEN”をコンセプトとして、洋・邦楽を問わないリクエストハガキによるベスト10ランキングを軸に構成され、深夜放送ながら『オールナイトニッポン』の裏番組のなかでも高い聴取率を獲得。DJには、
川島なお美、
向井亜紀、
斉藤慶子、
飯島真理、
松本伊代、長野智子ほか、のちに芸能界やアナウンサーとして活躍している面々もいました。
『ミスDJリクエストパレード』とともに女子大生ブームの火付け役となったのが、1983年より放送開始となったTV深夜番組『オールナイトフジ』です。1969年から70年代半ばまでは『オールナイトニッポン』のTV版をコンセプトとした、歌謡曲歌手が中心に出演する深夜バラエティ番組でしたが、1983年放送開始のシリーズでは、デビュー当初の
とんねるずや
片岡鶴太郎などとともに女子大生たち“
オールナイターズ”が出演。女子大生たちの赤裸々な事情や言動が注目の的となりました。番組からは、
おかわりシスターズや
おあずけシスターズといったユニットがシングル・デビューを果たし、オールナイターズも
おニャン子クラブ「セーラー服を脱がさないで」の替え歌パロディ「
セーラー服を脱いじゃってから」をリリース。同番組は深夜帯としては異例の高視聴率を獲得するなど一世を風靡しましたが、内容の過激さから当時の国会でも取り上げられ、また、女子大生の発言から無教養と批判されることも少なくありませんでした。
以後、番組は『オールナイトフジ・リターンズ』『キャンパスナイトフジ』『オールナイトフジコ』とシリーズ化。番組発ユニットも結成され、『キャンパスナイトフジ』からは
キャンパスナイターズが「
エロくないのにエロく聴こえる歌 ~しこたまがんばれ!~」を、『オールナイトフジコ』からは
フジコーズが「
ウェーイTOKYO」「
キスから始めましょう」をリリースしました。
また、バンドでも現役女子大生バンドがたびたびトピックに。2013年にシングル「I will / Animation」でメジャー・デビューを果たした3人組ガールズ・バンド“
Chelsy”(チェルシー)や、高校卒業後から本格的にブレイクし、「明日も」で『NHK紅白歌合戦』初出場を果たした3ピース・ロック・バンドの“
SHISHAMO”、2019年に120万再生超となった「さよなら前夜」のミュージック・ビデオで注目を浴びた大阪発のガールズロック・バンドの“
ヤユヨ”、大学進学後に本格的始動し、2019年にベスト・アルバム『NEGOTO BEST』をリリース後、同年7月に解散した4人組ガールズ・バンドの“
ねごと”などが人気を博しました。
(写真は、2021年9月リリースの宮崎美子の歌手デビュー40周年記念アルバム『
スティル・メロウ~40thアニバーサリー・アーカイブス』