特別企画 マーティ・フリードマン in “BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!” 〜Perfume 武道館公演をマーティが観た!〜

マーティ・フリードマン   2008/11/18掲載
はてなブックマークに追加
 11月6日&7日の2DAYS、Perfumeの日本武道館公演 “BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!”が行なわれた。そこで、本サイト“CDJournal.com”のPerfume特集(4月15日掲載)で、近田春夫さんとともにPerfumeのサウンドの魅力を語ってもらったマーティ・フリードマンにこの武道館ライヴを観てもらった。元メガデスのスーパー・ギタリストでもありつつ、マニアックなJ-POP通としても有名なマーティが、Perfumeの“BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!”を観てどう感じたのか!





――マーティさんはPerfumeのライヴを観るのは、今回の武道館公演が初めてですか?

マーティ 「いままでPerfumeのライヴはたくさんあったけど、なかなか行けなくて。今回はすごい楽しみだった。行く前からわくわくしてたよ。会場に入ったら、すっごいファンの人たちが興奮してたような空気があったじゃん! 他のライヴに行ってもそういう空気感って最近ないでしょ? みんなPerfumeに期待してるというか。ビッグなアーティストのようだったよね。だからエキサイティングなライヴに行けて嬉しかったよ」


――今回はどういうところに期待してました?

マーティ 「ミュージシャンとしての視点で“オケの編集”とか、“曲のヴァージョン”とかを観ようと思ってたんだけど……、実際に観てみるとそういう気持ちはなくなっちゃって、ライヴの世界観に引き込まれたよ! これは未来の大きなロック・コンサートのかたちなのかな? いままでは、ギター、ドラム、ベース、ヴォーカルといったかたちが主流で、ずっとこれがライヴのスタイルだと思ってたのに、ぜんぜん楽器がなかったでしょう。でも、ぜんぜんそんなのは関係なかったね。雰囲気は、AC/DCと似てるじゃない? 4つ打ちって感じで。あともう一つ思ったのは、フィル・スペクターっているでしょう? ロネッツのプロデューサーの。Perfumeは現代のロネッツかもと思ったんですね。なんでかっていうと、プロデューサーは天才で、独特の音を出すじゃん。音を聴けばそのプロデューサーの顔が浮かぶし、音にこだわる。それは中田ヤスタカさんも同じ。見た目は女の子3人で、かわいいし、独特の声。あと可愛いフォーメーションや振り付けもある。偶然すぎるよね。60年代の頭くらいにロネッツとフィル・スペクターはすごい現象になって、音楽のシーンはその頃に変わったよね」








――マーティさんの視点では、“Perfumeのライヴのよさ”ってどういうところでした?

マーティ 「まず見た目ね。本人たちのイメージは違うけど、ライヴのイメージでいうとKISSみたいにどんな角度から見てもかっこよくみえる。振り付けとか服装とかすごいいいセンスで。今回の武道館公演でも、色とか面白くなかった? バックの映像も曲によって違って、豪華で綺麗で、視覚的にも楽しかった。しかも3人も可愛くて、ファンになっちゃうし、オタクになっちゃうよね(笑)」


――ちなみに、メンバーの誰が好きですか?

マーティ 「僕は、かしゆかかな」


――気が利く感じの女の子ですよね。

マーティ 「えっ、会ったの!? 取材で。いいねぇ羨ましい(笑)。でも、3人とも違ったテンションを持ってるでしょう。それもロネッツに近い。話しやすそうなんだけど、曲が始まると完全に別の次元にいるような感じでしょう? あと、すごい大事なポイントは、僕の好みかもしれないけど、あの3人ってさりげなく超セクシーじゃん! 洋楽でいうとクリスティーナ・アギレラとか、ブリちゃんとか頑張ってわざとらしいセクシーな衣装とか着てるでしょう。そういう濃い味のセクシーは超逆効果なんだけど、Perfumeってさりげなくセクシーなのがいいんだよね」








――さりげなく超セクシーですか……。マニアックに分析してますねー。じゃあ、今回のライヴの細かいところを振り返っていきましょうか? 近代的なセットのなかで、どこから登場してくるかわからなくて、わくわくするようなオープニングで、3人が登場してからはテンポの速い3曲で畳み掛けてきましたね。

マーティ 「みんなも喜んでたけど、オープニングでPerfumeが登場したとき、純粋に嬉しかったね(笑)。そのあといろいろ演出が豪華になっていったよね。とくに中盤で〈GAME〉が始まったら、映像とレーザーの立体感がすごくて、ディズニーランドの乗り物のような未来の世界というか。予算、高そうなライヴだったよね」


――Perfumeのパフォーマンスはどうでした?

マーティ 「踊りのフォーメーションとか、振り付けは巧かったですね。終わっても余裕、疲れたそぶりがあまりないし、汗かいてなさそうだし。前半の曲でいうと〈エレクトロ・ワールド〉は初めてPerfumeを知った曲で、その曲だけギターのサンプルが入った、僕の好きなラモーンズっぽいフレーズが入ってたから好きな曲。ライヴの頭にあったのはよかった。2曲目の〈edge〉は〈love the world〉のカップリングじゃない。けっこうシンプルで“タンタン、タタタン、タタタン、タタタン”ってメロディが頭から離れないじゃん。MCもよかったけど、お客さんと会話するのは日本だけだよね。海外だと、ステージの上に立っている人たちって、大きい会場のときはお客さんとの壁を作っちゃう。でも、Perfumeは歌ってないときは一般の人って感じなのもチャーム・ポイントだよね。僕はクールな感じでもいいんだけどね、Perfumeは曲がすごくいいから」





――今回のライヴはアルバム『GAME』に収録された曲が中心でしたけど、そのなかで好きな曲はどの曲でした。

マーティ 「一番好きな、ツボに入ったのは〈ポリリズム〉。間奏というか、変拍子のところがポイントだね。ポップスの中にはあまりない。だから、そこをうまく使ってるからリスペクトしてる。プログレっぽいんだけど、ポップ。あと、ライヴの1曲目だった〈コンピューターシティ〉の最後の方にも変拍子があったよね。あと、〈ジェニーはご機嫌ななめ〉はテンポが速くて、未来のパンク・ロックって感じでよかったね。だけど、全体的にPerfumeの曲は、タイトルがかっこいいよね。〈チョコレイト・ディスコ〉とか買いたくなるタイトルじゃん。僕の好みは、全体的にハッピーなポップスがストライク・ゾーンのど真ん中なんだよね」





――ライヴが終わった後の帰り際でも、“売れる前から好きだった”と言ってましたが、そもそも、最初にPerfumeを知ったのはどんなきっかけだったんですか?

マーティ 「最初に聴いたのは、昔、しょこたんの番組で“アイドルのよさを語る”っていうコーナーがあって。全然Perfumeが一般には知られてない時期でしたね。2、3年前くらいかな。たぶん〈エレクトロ・ワールド〉を番組で取り上げて、しょこたんに“なぜこの曲がすごいのか”を解説してあげたと思う。その頃は、業界内では盛り上がるかもしれないと思ったけど、こんなに売れるとは思ってもなかったですね。さすが“日本のリスナーは耳がいい”って思ったし、僕も新しいものを追求している立場だからPerfumeが売れたのは嬉しかったよ。今回の武道館公演は、それが実感できるライヴだったね」



取材・文/清水 隆(2008年11月)



【Perfume Information】

Perfume New Single
「Dream Fighter」
(TKCA-73395/11月19日発売)
1. Dream Fighter
2. 願い
3. Dream Fighter -Original Instrumental-
4. 願い -Original Instrumental-


【代々木第一体育館でのライブ2DAYS決定!!】


日時:2009年5月9日(土)、10日(日)
会場:東京・代々木第一体育館

※詳しくはオフィシャル・サイト(http://www.amuse.co.jp/perfume/)でご確認を。




Column
マーティ・フリードマンがJ-POPの有名楽曲を
独自のアレンジで弾きまくり!





――マーティさんがPerfume以外で最近好きなアーティストは誰ですか?

マーティ 「いま勝手に盛り上がってるのは、マキシマム・ザ・ホルモンとか、玉置成実ちゃんとか、alanちゃんとかかな。あと、ヴィジュアル系のバンドとかも聴いてる」


――幅広いですね(笑)。そんなレンジの広いマーティさんですが、最近の活動では、ポケメロJOYSOUNDで面白い企画をやっているらしいですね。

マーティ 「『日経エンタテインメント』の連載「J-POPメタル斬り」で紹介したJ-POPの名曲を自分なりにギターで解釈するという、ダウンロード・キャンペーンをやります。普通は僕が弾かないと思われるような、とか、ドリカムとか、ミスチルとかの曲を。面白そうでしょう? Perfumeの〈ポリリズム〉もいつかやりたいな。“信じられないよー”と思うような解釈でやるつもりなので、聴いたら絶対ビックリすると思うよ」

――マーティ流に料理される“J-POP”、それは楽しみです! たくさん、ビックリさせてください。



【マーティ・フリードマン Information】


ポケメロJOYSOUNDで
『J-POPメタル斬り』展開中!
※こちらの、QRコードを携帯でチェック!

※マーティ・フリードマン オフィシャル・サイト
 http://www.martyfan.com/
最新 CDJ PUSH
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] Arvin homa aya  実力派シンガーの話題曲 アナログで連続リリース[インタビュー] ジェイコブ・コーラー × kiki ピアノ 凄腕師弟コンビ
[インタビュー] 文坂なの \[インタビュー] 人気ジャズ・ピアニストが立ち上げた新レーベル 第1弾は田中裕梨とのコラボ・シングル
[特集] いよいよ完結!? 戦慄怪奇ワールド コワすぎ![インタビュー] you-show まずは目指せ、新宿制覇! 新宿発の楽曲派アイドル・グループがデビュー!
[インタビュー] 想像を超えた創造。タフでラフでラブな一枚 崇勲×ichiyonのジョイント・アルバム[インタビュー] 千住 明、オペラ・アリアをヴァイオリンで 千住真理子とともに20年以上前の編曲スコアを再録音
[インタビュー] 思い出とともに甦る名曲の数々 藤あや子のカヴァー・アルバム[インタビュー] 紫 充実の新作を発表、海外フェスへの出演決定と結成55周年に向け勢いを増すバンドの現在と未来
[インタビュー] RISA KUMON バイリンガル・シンガー・ソングライター  ユニバーサルなアルバムでデビュー[インタビュー] HAIIRO DE ROSSI ジャズ・ラップの金字塔 10枚目にして最高傑作
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015