明るい未来が待っている――新生・風男塾の“熱い”魅力とは

風男塾 / 中野風女シスターズ   2018/10/10掲載
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 昨年3月に初期メンバーが全員卒業し、新体制となった風男塾。2016年以降に加入した藤守怜生、紅竜真咲、草歌部 宙にとっては初のアルバムとなる『風ァイト!!!!!!』が10月10日にリリースされる。いわく“虹”のように多彩な色を持ち、聴けば“エナジードリンク”のようにエネルギーを得られる本作に込められた想いとは? 昨年11月に始まった10周年アニバーサリーイヤーを9月24日の日比谷野外音楽堂ワンマンで締めくくり、新たな道を歩み始めた6人が語る。
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――現体制になってから1年半。初期メンバーが卒業してしまって、かなり怒涛の日々だったんじゃありません?
瀬斗 「そうですね。今まで先輩が作ってきた風男塾を、どんな風にやっていけばいいんだろう?って、加入から8年になる僕と7年になる(愛刃)健水で何度も話し合ったんですよ。でも、先輩方は“これまでの風男塾じゃなく、新しい風男塾を作ってくれ”と言ってくださっていたので、後輩にも意見を聞きながら手を取り合って。一緒にイチから風男塾を作っていきました」
――そこで新たに加入した紅竜真咲さんと草歌部宙さんは、風男塾というグループに対して、どんな印象を持ちました?
紅竜 「これ、言っていいのかわかんないんですけど……意外とメンバーの年齢層が高いというか」
仮屋世 「そこなんだ(笑)」
愛刃 「ふざけんなよ!(笑)」
紅竜 「……なのに“青春”なんですよ。見た目も少年だし、むしろ青春時代を経験した後だからこそ提供できる青春がある気がするんですね。ファンの方たちも学生から社会人まで幅広い年齢層の方がいて、それでも同じように青春してる空気感はスゴいなぁと。すごく爽やかです!」
――なるほど。確かに青春の真っただ中にいると、その貴重さを実感できないですからね。
草歌部 「みんないろんなバックボーンがある中で、熱い楽曲を歌っていて。それって普通に女性のアイドルとしてやっていたらできないことだろうし、ちょっと特殊なグループだなっていうのは感じてます」
瀬斗 「なんか自然と青春になっちゃうんですよね。みんなで何か一つの方向に向かっていく瞬間っていうのは、やっぱり“これが青春なのか!”と」
愛刃 「でも“メンバーの年齢層が高い”って言ってくれた通り、新しく入ったメンバーと接していると確かに“若いな!”と思うんですよ。なのでノリが若くなって、より青春感が出てきたような気はしますね」
――ただ、そんなに年齢差は感じないですけど……。
愛刃 「もともと風男塾自体が若く見られがちなんですよ。イベントとかに出ると、他のアーティストのファンの方には十代くらいに思われたり。年齢不詳なんです、風男塾って」
――見た目、まさに少年ですもんね。そんな若い力は今回の『風ァイト!!!!!!』にも込められているんでしょうか?
藤守 「それはYESとしか言いようがないでしょう(笑)。もう、リード曲の〈最高シャウト!〉が青春そのもの!みたいな曲で、歌詞を見ても泣いたり笑ったり、“ダイスキ”とか“ノー”とか相反する言葉が結構入ってるんですよ。青春ってそういう相反することで悩んだり葛藤があったりするものだし、でも、それ自体が最高なんだよ!って叫んでる曲だから、青春っていう言葉にはすごくマッチしてるんじゃないかなぁ」
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――それも青春を経験して、その素晴らしさを実感している皆さんだからこそ歌える曲なんでしょうね。勢いのあるアッパーチューンで、サウンド的にもリードにふさわしい。
愛刃 「新体制になって最初のアルバム・リード曲が、この〈最高シャウト!〉で本当によかった。みんなの声も一人ずつ入っていて、ちゃんと今の風男塾らしさが出てるんですよ。特に自分は落ちサビのメロディがメッチャ好きで、一回落として最後にドン!と行く感じがグッとくる! ファンの皆さんの声もいっぱい聞きたい曲で、これからライヴでもいっぱい歌う曲になるだろうから、みんな練習しといて!って感じです」
仮屋世 「いやぁ、ライヴ楽しみやな。最初に聴いたときから“うわ、すごく楽しい曲だ!”と思って、レコーディングで歌えば歌うほど“ここでファンの人も声出してくれるやろな”とか、ライヴが想像できたんですよ。個人的に“最高”っていう言葉がすごく好きやから、心の底から最高のシャウトを出していきたいですね」
瀬斗 「もう、絶対にみんな好きになってくれる自信しかない。〈ピースサインミーティング〉もホントに明るくて元気な曲で、今、ライヴで先行して披露させてもらってるんですけど、かなり盛り上がるんですよ。タオルをブンブン振り回してます!」
藤守 「逆に“ライヴになったらどうなるんだろう?”って、想像つかなくてワクワクする曲が〈ユレロ〉。こういうデジタリックなダンスチューンは今までになくて、自分のイメージ的には“ヘドバンするんかな?”みたいな」
仮屋世 「ええ?!」
瀬斗 「ヘドバンっていうよりジャンプじゃない?」
藤守 「あ、そうか! 間に入ってる英詞の部分とか、すごくダンサブルな感じなんで、健水くんや(仮屋世)来音くんがバキバキに踊ってくれるんじゃないかなって」
――そういった勢いのある曲はもちろん、今回は恋愛系でもキャラの濃い曲が多くありません?
紅竜 「中でも一推しは〈Caramel Popcorn〉です! 本当に可愛らしい感じの曲調で、恋の始まりを描いてる歌詞もキュンキュンするし、ホント聴いてるだけでキャラメルポップコーンのように甘くて、ちょっと苦い恋の味を楽しめるんじゃないかなぁって。ポップコーンを食べるのに指先が触れ合ってドキドキしてるのが、最後は“指先じゃない手のひらから 僕を感じてほしい……”って手を繋いじゃうんですよ! そういうストーリー性もありますし、ライヴではたくさん女子の心をグッと掴むことができる曲じゃないかなと思っております」
仮屋世 「いや、この曲は僕も譲れない! 初めて聴いたときに“アイドルっぽいな、遂に来たな”と思ったんですよ。で、一番好きな歌詞が“本当は塩味派だけど 目覚めちゃったみたいに ウマママ”で、ホントは好きじゃなかったのに目覚めちゃったんですよ?! やっぱり人間の気持ちって移り変わるものだし、歳を重ねるごとに好みも変わっていくので、自分の気持ちともすごくリンクしますね」
――こちらが男性目線なら、続く「お願いトムテ〜聖なる夜に〜」は女子目線っていう対比も面白いですよね。「Caramel Popcorn」で歌われている“僕のお姫様さま”視点の曲が「お願いトムテ」と解釈できないこともない。
瀬斗 「そういうことにしましょう! 〈お願いトムテ〉は初めてのクリスマスソングで、今までクリスマスイベントでもカヴァー曲ばかりだったから、やっと自分たちの曲が歌えるのが嬉しいですね。あと、はなわさんが書いてくださった歌詞がホントに可愛くて乙女なんですよ! サンタクロースじゃなく、あえてトムテを使うところも、はなわさんらしいっていうか」
――その“トムテ”って、何なんですか?
瀬斗 「サンタさんみたいな見た目の妖精で、願いごとを叶えてくれるっていう伝説があるみたいです。そもそも“わたし”が一人称の歌って、今まで風男塾の楽曲に無かったんですよ。なので、いつも通りカッコよく歌いたいし、でも乙女な気持ちだし……と、いろいろ考えながらレコーディングしましたね」
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草歌部 「僕は2曲目の〈T・O・T! 〜Vivid Men〜〉が、すぐ口ずさんじゃうくらいお気に入りです! Elements Gardenさんが作ってくださったハロウィンのダンス曲で、僕、もともとElements Gardenさんがすごく好きだったんですよ。曲自体もみんなで盛り上がれますし、おまけに僕たちのイメージに合わせた作詞をしてくださっていて、それぞれハロウィンにまつわるキャラクターになってるんです。例えば(瀬斗)光黄くんが吸血鬼で、健水くんはフランケンシュタイン」
愛刃 「ちょっとメチャデカいし!」
紅竜 「僕は死神らしいです」
草歌部 「で、来音くんがジャック・オー・ランタン、(藤守)怜生くんが狼男で、宙がお化け」
瀬斗 「キャスパーみたいなやつね(笑)。実は〈T・O・T!〉を引っ提げて、10月28日に渋谷ストリームホールでハロウィン・ライヴをやるんです。それで今回、ハロウィンの曲を作ったんですよね」
――クリスマスにハロウィンと、ずいぶん季節ものの曲が揃っているなと思ったら、そういうことだったんですね。改めて今回のアルバム、どんな作品になったと感じてます?
仮屋世 「なんだろうなぁ。虹?」
瀬斗 「あと、エナジードリンク(笑)」
――なるほど、いろんな色があってエネルギーになると。また、通常盤には草歌部さん、紅竜さんが加入する前にリリースされた「証−soul mate−」と「イノセント・ラバー」が新録されていますが、これはどういった経緯で?
瀬斗 「〈証−soul mate−〉は初期メンバーの卒業ソングなんですけど、やっぱり今のメンバーでも歌っていきたい大切な曲になっているんですよね。なので、この6人での声をまた“証”として残しつつ、新たな歴史を始めようという意思表示として新録を決めました。あと〈イノセント・ラバー〉は一人ずつ歌っていく自己紹介ソングなので、2人のぶんも新しく歌詞も書いてもらって。音源にすることで、ファンの皆さんにも覚えてもらえればいいなと」
草歌部 「2曲ともElements Gardenさんの楽曲なんですけど、まさか〈イノセント・ラバー〉で自分の歌詞を書いてもらえるとは考えてもいなくて! 〈証−soul mate−〉はElements Gardenさんの壮大でドラマティックな部分が全面に出ていて、リスナーとして聴いてるときも泣きそうになったし、ライヴで歌っていても感情にすごくリンクしやすい曲になっているので、今後も大切な想いを込めて歌い続けていきたいなと思います」
――9月24日の日比谷野外音楽堂ワンマンで10周年ツアーを締めくくって、これからの新たな風男塾が楽しみです。
瀬斗 「野音は10周年ツアーの集大成として、ファンの皆さんの投票を元にセットリストを組んだんですけど、〈君色々移り〉のカップリング曲でアルバムにも収録されている〈Welcome to my familia〉が1位に選ばれるという波乱が起きたんですよ! こんなカッコいい系の曲が人気なんだなぁと、今後、また風男塾の中の人気曲も変わってくる予感がありますね」
仮屋世 「声を出せるところも多いので、ライヴでも楽しめるんですよね。すごくライヴ映えする」
紅竜 「これからの風男塾には、明るい未来が待っていると思うんですよ。僕自身も未来を追い求めて走り続けるんで、その可能性だったりプラスのエネルギーを感じ取りに、ぜひライヴに足を運んでいただきたいです。風男塾のライヴでしか感じられないパワフルな力が、必ずあるので」
取材・文 / 清水素子(2018年9月)
Live Schedule
風男塾 presents「ハロウィンパーティー 60minutes〜ライブを止めるな!〜」

2018年10月28日(日)
東京 渋谷 ストリームホール
1部 開場 13:00 / 開演 13:30
2部 開場 17:00 / 開演 17:30
スタンディング 3,500円(税込 / 別途ドリンク代 / 整理番号付き)
※6歳未満膝上無料 / 小学生以上有料 / 小学生以下は要保護者同伴
※お問合せ サンライズプロモーション東京 0570-00-3337
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