フランスの女性ピアニスト、教育者である
イヴォンヌ・ロリオ(Yvonne Loriod)が5月17日に死去しました。享年86。死因などは不明とのことです。
イヴォンヌ・ロリオは1924年、パリ郊外のウイユ生まれ。パリ国立高等音楽院で学び、
ラザール・レヴィ、オリヴィエ・メシアン、マルセル・シャンピ、
ダリウス・ミヨーなどに師事しました。
62年にメシアンと結婚。ロリオは現代フランス音楽に造詣が深く、多くの作品を手掛けましたが、とくに夫であるメシアンのピアノ作品のほとんどを初演し、メシアンの作品を世に広めた功績はきわめて大きいと言えるでしょう。
62年と78年に来日し、メシアンの「トゥーランガリラ交響曲」など録音も多数遺しています。
また、長年にわたって母校のパリ国立高等音楽院教授として、後進の育成にも尽力していました。
メシアンの音楽と、その素顔をもっともよく知る音楽家がまた一人、この世を去ってしまいました。ご冥福をお祈りいたします。