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interview【Annie interview】『ドント・ストップ』=“いい音楽を作り続けることをやめない!” ガールズ・エレクトロの先駆者が幅広い音楽性のアルバムで見せた“思い”

アニー(UK) / 2009/12/03掲載
【Annie interview】『ドント・ストップ』=“いい音楽を作り続けることをやめない!” ガールズ・エレクトロの先駆者が幅広い音楽性のアルバムで見せた“思い”
 ノルウェイを拠点に新世代ガーリー・エレクトロ・ポップ・アーティストの先陣をきって活動してきたアニー(Annie)。キュートなルックスと音楽的な才能を兼ね備えた彼女の勢いは、もはや誰にも止められない。メジャー・レーベルとの軋轢もノー・プロブレム。それを乗り越え、遂に約4年ぶりとなる新作『ドント・ストップ』の到着だ。ますますキュートさを増したルックスに完全ノックアウトされながら、話を聞いた。


――今回、新作のリリースに至るまでさまざまな紆余曲折があったようですね。
 「そうね。もともとこのアルバムはアイランド・レコードからリリースされる予定だったんだけど、契約した時の担当A&Rが3ヵ月ぐらいで会社を去ってしまったの。その後任として新しいA&Rがついたんだけど、その人とはコミュニケーションがとりづらくて……。曲の方向性とかに対する意見があわなくて、結局1年ぐらい延期されてしまったのね。それで仕方ないから契約を破棄して自分のレーベル、トータリーを立ち上げ、スモールタウン・スーパーサウンドの助けを借りてリリースすることにしたってわけ。だからこれだけ時間がかかってしまったのよ」
――延期になってから内容に新たに手を加えたりはしたのですか?
 「一度アルバムはできていたんだけど、延期されたことによって、よりいいものにしたいという意識が芽生えたのね。それでポール・エプワースと4曲新しい曲を作ったりしたわ」
――この数年、あなたのフォロワー的な女性エレクトロ・ポップ・アーティストが続々と出現してきています。そうしたフォロワーとの差別化を図ろうという思いはありましたか?
 「そういう今のトレンドとは関係なくやろうと思ったの。ほかのアーティストのことを意識しすぎると、自分が何をやればいいのか分からなくなってしまうから」
――その結果、さまざまなタイプの曲が生まれたわけですね。
 「自分の中にもともとあった、クラブでかけられるようなダンス・ミュージックって部分を残しつつ、それとはまた別の新しい方向も開拓してみたの。たとえば、家でリラックスして聴けるような音源も作るように意識したし」
――たしかに音の幅もすごく広がっていますよね。「Heaven and Hell」は60年代ガール・ポップ風だし、「I Can’t Let Go」はジグ・ジグ・スパトニックを彷彿とさせるし。
 「私自身、いろいろな音楽を聴いてきたから、自分のそういういろいろな面を出した広いアルバムにしたいということを意識したのよ。だから「Heaven and Hell」では大好きなフィル・スペクター的な60年代ガールズ・バンドのテイストを入れてみたし、「I Can’t Let Go」ではアラン・ヴェガの「Jukebox Babe」をすごく聴いてた時期もあったから(※)、そういう要素も取り入れてみたの」
※彼女がDJミックスを手がけたCD『DJ KICKS』にも収録するほどのお気に入り!
――「I Can’t Let Go」でアラン・ヴェガばりの歌声を聴かせてくれるのは、DATAROCKのフレデリック・ソロエアですか?
 「そう。もともと彼とは知り合いで仲良しだったのよ。ベルゲン自体が小さい町だから(※)、音楽をやっているとみんな知り合いになっちゃうのよね」
※彼女もDATAROCKもベルゲン出身
――あなたは今もベルゲンに住んでいるのですか?
 「実は1年半ぐらい前にベルリンに引っ越したの。それまで住んでいたアパートが取り壊されてホテルになるから1ヵ月以内に立ち退かなきゃいけないってことになって、ベルリンに住んでいた友達にアパートを紹介してもらったの。それでいろいろと考えた結果、ノルウェイと比べてベルリンは家賃が安いし、世界中からいろいろなアーティストが集まってきているから、インスパイアされることも多い。それで思い切って引っ越したのよ」
――ゲストといえば、このアルバムにはほかにフランツ・フェルディナンドのアレックスもギターで参加していますね。
 「前回来日した時にM.I.A.のライヴに行ったんだけど、(同時期に来日していた)アレックスも観にきていて、そこで知り合ったのよ。いつか一緒に仕事ができたらと思っていたらその後アレックスからメールが来て、いくつかトラックを聴いてもらったら「Loco」と「My Love Is Better」に参加したいということで、ギターを弾いてもらったの」
――前作にもプロデューサーとして参加していたリチャード・エックスやティモウ・コーコランピに加えて、今回はポール・エプワースやブライアン・ヒギンズといった人たちが新たにプロデューサーとして迎えられていますね。ポールはTHE FUTUREHEADSブロック・パーティーといったロック畑に強いプロデューサー、ブライアンはダンス・ポップ系に強いプロデューサーというイメージがありますが、彼らと仕事したことで表現の幅は広がりましたか?
 「ブライアン・ヒギンズに関しては、初めて会った時はちょっとクレイジーなところがあるエキセントリックな人だなって印象だったのだけど、一緒に仕事をしてみたら全然違ったわ。ほかのプロデューサーみたいにサウンド・プロダクションを重視するのではなく、むしろ作曲の部分ですごく指導されて、とても勉強になったわね。ポール・エプワースは昔からの知り合いで音楽の趣味も似ていたから、すごく仕事しやすかった。前作にはあまりなかった楽しいポップな曲も、彼と仕事してできるようになったし」
――アルバム・タイトルには、そのように表現の可能性の幅を広げながら前進していきたいという、あなたの思いが込められているのでしょうか?
 「アルバム・タイトルに関してはけっこう早い段階で決まっていたの。今、音楽業界は変わってきていて、アーティストがただ作品を作って生活をしていくというのは難しい時代になってきているでしょ? そういう状況の中でも、いいものを作り続けるのをやめないっていうメッセージが込められているのよ。もちろんこれは自分に向けてだけではなく、音楽、絵画、映画などすべての分野のアーティストに向けてのメッセージでもあるんだけどね」
取材・文/小暮秀夫(2009年11月)
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