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interview【松本 蘭 interview】 “ミス着物”のヴァイオリニスト どこか懐かしくて、民族色がある――こだわりの選曲が光るソロ・デビュー作

松本蘭 / 2009/08/27掲載
【松本 蘭 interview】 “ミス着物”のヴァイオリニスト どこか懐かしくて、民族色がある――こだわりの選曲が光るソロ・デビュー作
 高嶋ちさ子がプロデュースする“12人のヴァイオリニスト”では、結成当初からサブ・リーダーとして活躍し、2009年度ミス日本では“ミス着物”を受賞した松本蘭。このたび“12人のヴァイオリニスト”を“卒業”して、8月26日に初のソロ・アルバムとなる『蘭ing』をリリースする運びとなった。当盤はドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」や、ドヴォルザークの「ユーモレスク」などの有名曲だけでなく、リムスキー=コルサコフの管弦楽曲「シェエラザード」からのアレンジや、オリジナル曲をも含んでおり、こだわりを感じさせる構成となっている。そこで今回は、このアルバムが完成するまでのプロセスを中心に話を伺った。


――まず、ソロ・デビューが決まったときのお気持ちはいかがでしたか?
松本 蘭(以下同) 「まさか自分がソロ・デビューできるとは思っていなかったので、素直にうれしかったですね。しかし、3年間、苦楽を共にしてきた“戦友たち”と別れるのは、やはり寂しかったです。今までは12人で力を合わせてコンサートを作り上げてきましたし、(高嶋)ちさ子さんが私たちのことを引っ張ってくれていたわけですが、これからは全部ひとりでやっていかなくちゃならないんだと思うと、不安もありました。でも、この3年間でいろいろなことを勉強させていただいたので、今までに吸収してきたことを、今後は自分から発信して、さらに進化していかなきゃいけないという使命も同時に感じました」
――今回のアルバムは収録曲がとても多彩ですが、選曲はどのようになさったのですか?
 「基本的にはすべて自分で決めたのですが、真っ先に入れたいと思ったのが、ヴュータンの〈アメリカの思い出〉でした。というのも、私はヴュータンが大好きで、高校時代に初めて学校のオーケストラと共演したのも、ヴュータンのヴァイオリン協奏曲第5番だったんです。〈アメリカの思い出〉の存在を知ったのはわりと最近で、“ヴュータンが、有名な〈アルプス一万尺〉のメロディを使ってこんな作品を残していたんだ!”と、とても驚きました。そこでこの曲を中心にして、ほかにどんな曲を入れようかとあれこれ考え始めたのですが、そのうちに自分がCDを通して皆さんに聴いていただきたい曲には“どこか懐かしいところがあって、しかも民族色が強い”という共通点があることに気づいたんです。そこで、それをひとつの柱にして、聴いたときにホッとして、あたたかい気持ちになってもらえるような一枚にできたらいいなと思うに至りました。その結果、ヴァイオリンの名曲集としては、ちょっとマニアックな選曲になったかなと思っています」
――オリジナル曲の「うまれゆく、風 〜Caprice Fantastique〜」は、松本さんの個性によくマッチした作品ですね。
 「これは、今回のCDでピアノを担当してくださった加藤昌則さんに、私をイメージした曲を作っていただきたいとお願いしたものです。依頼にあたっては“日本を思い起こさせるような雰囲気で、クリスタルで、疾走感があって、ちょっと切なくて、技術的にかっこいいところがあって、しかもロマンティックに!”と、まったく一貫性のないリクエストをしたのですが、私のわがままな要望を見事なまでにすべて汲み入れてくれて、本当に感動しました。ソロ・デビューに際して、自分しか演奏できない、素晴らしいオリジナル曲を持つことができて、とてもうれしく思っています。これから大切に育てていきたいです」
――アルバムの録音はいかがでしたか?
 「自分の音しか聞こえないという点が、“12人のヴァイオリニスト”の録音のときとはまったく違っていましたね。でも、自分の音を客観的に聴くことで、あらためて自分の音楽と向き合えましたし、ピアニストの加藤さんやスタッフの方々といろいろ話し合いながら曲を作り上げていく作業は大変でしたけれど、ものすごく充実感がありました」
――『蘭ing』というアルバム・タイトルは、ご自身のアイディアですか?
 「事務所の社長のアイディアです。正直言って最初はあまりピンと来なかったんですが(笑)、次第に“勢いがあって、これから何かが生まれるといった可能性を感じさせる素敵なネーミングだな”と思えるようになりました。ここからスタートして、どんどん進化していきたい。常に現在進行形の私を聴いていただきたいし、応援していただけたらうれしいですね」
――最後に、今後の抱負をお聞かせください。
 「自分らしいオリジナリティのある、楽しいコンサートを追求していきたいです。たとえば、洒落っ気のある小品をたくさん散りばめた演奏会とか、それとは対照的に、ソナタのような長い作品を親しみを感じながら聴いていただけるような演奏会などに挑戦したいですね。それから、いろいろな演奏家との共演も積極的に行ないたいと思っています。“12人のヴァイオリニスト”で培った経験を活かして、皆さんにクラシック音楽をもっと身近に楽しんでもらえるようにがんばります」



取材・文/大津直子(2009年7月)



〈松本 蘭 ソロ・デビュー・アルバム『蘭ing』発売記念イベント〉
9月19日(土) 17:00 大阪・ディスクピア日本橋店 音楽館6F イベントフロア
9月26日(土) 17:00 東京・タワーレコード渋谷店6F
9月27日(日) 16:00 東京・HMV池袋メトロポリタンプラザ イベントスペース
10月10日(土) 18:00 東京・銀座山野楽器本店7F イベントスペース JamSpot
※各イベントの詳細については、ワーナーミュージック・ジャパンのホームページへ。


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