期待の指揮者バッティストーニによる東フィルとのマーラー第3弾は、2004年の定期演奏会でのライヴ収録だ。第7番はバッティストーニが「ずっと恋してきた」作品で、演奏会場の熱気がそのまま記録されている。

コントラバス奏者、溝入敬三の2019年と2025年の録音。コントラバス奏者が一人で演奏・朗読・歌唱する「小吉の夢」を含む自作自演曲と、松平頼暁、湯浅譲二、一柳慧が溝入のために書いた作品をもって、コントラバスの表現の深みを追求している。

ありそうで意外に少ないソルの大ソナタ2曲を完全収録。原はオリジナル19世紀ギターにガット弦を張り、指頭奏法を採用している。若き作曲家の表現意欲に満ちたこの大曲を、原は余すところなく表現し切っている。

オルガニスト、椎名雄一郎が北ドイツ・オルガン楽派の巨匠ブクステフーデのオルガン曲を演奏した作品集。ドイツの二つの教会に現存する2台のアルプ・シュニットガー製オルガンを用い、ブクステフーデが理想とする壮大で華やかな音響世界を再現している。

ベテラン堀の久々のアルバムはベートーヴェン中期の傑作群。堀の構成力、的確な音楽造形の力がよく出た演奏となっている。静謐さとダイナミズム、そのバランスの良さは、個々の作品への深い理解のたまものだろう。

2025年のショパン・コンクールの優勝者、ルーのショパン・コンクールでのライヴ・アルバムで、3枚目のアルバム。17歳ですでに入賞しているルーが、再度挑んだコンクールで見事夢をかなえた、渾身の演奏だ。

日本でもおなじみのウクライナ出身のオクサーナ・ステパニュックによる日本の抒情歌集の2枚目。日本語の発音がきれいで、明晰。深々とした声質は、格調の高さを表わしている。作曲家・池辺晋一郎が絶賛する歌声を聴いてほしい。

カラヤンが遺した60年代唯一の印象派作品集。いずれも後年に再録音しているが、60年代のカラヤンには独特の輝きがある。ダイナミックな「海」や「ダフニス」、ツェラーのフルートが美しい「牧神」など、陶然とする。

さまざまな現場で活躍するスタジオ・ミュージシャンたちによって組織された吹奏楽オーケストラのアルバム。「亡き王女のためのパヴァーヌ」「夢みるシャンソン人形」などを収録。圧巻のサウンドと、バラエティに富んだトリッキーな構成を楽しめる。

ノルウェーを代表するトランぺッターとなったヘルセットによる、20世紀トランペット協奏曲集。アルチュニアン、ペンデレツキ、ヴァインベルクの3名の作曲家を集め、トランペットの華やかさや深みを伝えている。

オスロ・フィルとのプロコフィエフ、ミャスコフスキーの交響曲シリーズの再開が決まった。その第1作は、プロコフィエフの最後の交響曲とミャスコフスキーの軽妙なシンフォニエッタ。ペトレンコの才気がほとばしる。

フルート奏者・日野真奈美による初のソロ・アルバム。クラシックの“恋の歌”に焦点を当てた一枚で、ドビュッシー「月の光」やプッチーニ「ある晴れた日に」などの名曲を、繊細で透明感のある音色で紡いでいる。

2028年までに完成予定のシューベルト交響曲全集より、2015年に録音された第1弾。シューベルトの人気曲2曲を収録。ロマン派へと足を踏み出した第4番は、ヤルヴィの指揮で聴けるのはこの録音のみだ。

ヴァイオリニストの石田泰尚が結成した弦楽合奏団、石田組の4枚目のアルバム。エルガー、ラヴェル、松山千春、レッド・ツェッペリン、クリムゾン・キング、山下達郎ら幅広いラインナップ。演奏は硬派で、聴くべき面白さだ。

2010年に発売され廃盤となっていたムローヴァがピリオド奏法で挑んだベートーヴェン・ソナタ全集の第1作目が復活した。ベザイデンホウトは当然フォルテピアノ。ムローヴァが新境地を開いた記念すべき録音だ。