2021年の『アフターグロウ』以来となる、エンリコ・ピエラヌンツィとバート・ヨリスの共演作。1979年にチェット・ベイカーと出会って以降、彼から多くのインスピレーションを得たピエラヌンツィの優れた楽曲を取り上げている。

2012年に発表されたノラ・ジョーンズの5作目をデラックス・エディション化。パーソナルな一面を反映した作風が話題を呼んだ本編に加え、リミックス曲のみならず、当時米・オースティンで行なわれたライヴから11曲を収めたディスクも付属している。

オスカー・ピーターソンから“後継者”に指名された実力派ピアニストによる約20年ぶりのソロ・ピアノ作。コロナ禍において自身のアプローチを見直し紡がれたアルバムで、レジェンドたちへの敬愛にあふれている。

国内外で活躍する大林武司がベン・ウィリアムスとネイト・スミスという実力者とともに結成したトリオ“TBN”による初録音。各々が自身のリーダー作かのごとく存在感を発揮する理想的なアルバムだ。

英・ロンドンを拠点に活動するイスラエル出身のシンガー・ソングライター、ノーガ・リッターによるワールド・デビュー作。ヘブライ・ジャズとワールド・ミュージックを無理なく融合し、英語とヘブライ語で知的かつ情熱的に歌い上げる。

米・カリフォルニアのピアニスト／キーボード奏者、ニコ・ジオリスの2作をカップリング。スタジオから見える雲を音楽に変換したという楽曲で構成された『Cloud Suites』に加え、エレガントなピアノ作品を追加収録している。

米・シカゴ生まれのテナーマンが1974年にストラタ・イーストに遺した人気作。レーベル創始者の一人であるスタンリー・カウエルをはじめとするプレイヤーを迎え、ジョーダンらしいマスキュリンなブロウを聴かせる。

ウェンデル・ハリソンとともにトライブ・レーベルを生んだフィル・ラネリン。本作はレーベルの最終リリース作と知られ、一言でいえばファンクでスピリチュアルだが、グルーヴ感や楽曲のテイストは思いのほかヴァラエティに富む。

都内を中心に活動する気鋭の若手ピアニスト、小沢咲希のデビュー・アルバム。ヴォーカルをフィーチャーした楽曲もあり華やかな印象も与えるが、ジーン・ハリスへの敬愛を示すなどトラディショナル・ジャズへのリスペクトも欠かさない。

数々の劇伴をこなしてきた美野春樹のピアノ・トリオがおくるイージー・リスニング系ジャズ。「シェルブールの雨傘」をはじめ、日本独特のレイニーシーズンをポジティヴに過ごすためのサプリメントのような楽曲が並ぶ。

日米両国でジャズの教育を受けた実力者ヴォーカリストによる2018年録音のデビュー作。秋田慎治ら国内で名の知られたプレイヤーが脇を固め、メロディを愛でるように歌う越智を盛り上げている。

プレイヤーとしてのみならず教育者としても活動する越智みゆきの2ndアルバム。平岡遊一郎をはじめとする国内のミュージシャンとともにスタンダードを演奏しており、丁寧な歌いまわしが印象に残る。

海外のプレイヤーからも評価されるヴォーカリストのNobieと国内で引く手あまたの馬場孝喜による共演作。二人のオリジナル曲を中心に、時折ピアノなども交えて奥行きのあるアコースティック・サウンドを展開する。

米国史上に輝くポップスの名曲群でドラムを叩いたジョン“JR”ロビンソンが、セッション・ミュージシャンとして鳴らしたアンドリュー・シノウィックら3人で結成したバンド“SRT”によるアルバム。話題性のみならず演奏の質も折り紙付き。

1964年のリリース以来、世界中のジャズ・ボッサ・ファンを魅了し続けるバイブル的名盤。独特のメロディに彩られた冒頭曲「イパネマの娘」をはじめ、ゲッツらのプレイ・スタイルが後進に絶大な影響を与えた。

結成10周年の情家みえと後藤浩二のデュオによるアルバム。スタンダード曲の魅力を伝えることを目指す情家の思いがコンサートホールの豊かな音響で増幅される。ピアノとヴォーカルな幸せな組み合わせ。

ロバート・グラスパーとテラス・マーティンを中心とするスーパー・グループによる2ndアルバム。甘いヴォイスで人気を博すアリン・レイをフィーチャーしており、カマシ・ワシントンの妹によるジャケット・デザインも秀逸だ。

ヴォーカルのハヤオカヒロミをリーダーとするバンド“TOY BOX”によるセルフ・タイトル作。よく知られたスタンダード曲が並ぶが、ジャズを愛するメンバーらが楽しむ様子が音に反映され、おもちゃ箱のようなワクワク感を演出する。

ヴォーカリストの浦千鶴子とピアニストのフィリップ・ストレンジによるデュオ・アルバム。オリジナル曲ばかりを大阪で録音したもので、浦のスキャットからストレンジの繊細なピアノまで、ヴァラエティに富んだプレイを楽しめる。

4人組のクラブジャズ・バンド、JABBERLOOPの3年ぶりとなるアルバム。toconomaの石橋光太郎を迎えた先行配信曲「Orange」やBLU-SWINGの田中裕梨がヴォーカルを務めた「Light」などを収録している。

エディ・ヘンダーソンが70年代半ばにブルーノートに遺したファンク色の濃い一作。当時のマイルス・デイヴィス・バンドの影響も感じさせるが、ジョージ・デュークによるエレピやシンセの音色は一種独特の輝きを放っている。

クルセイダーズで知られるジョー・サンプルが80年代初頭にリリースしたアルバム。サウンドやテクニックの面で目新しさがなく過小評価の憂き目にあっているが、彼本来の繊細なタッチとメロディセンスは遺憾なく発揮されている。

デイヴ・グルーシンのサウンドメイキングにリー・リトナーのギターが呼応し、グラミー賞を獲得した85年のアルバム。ブラジル音楽に傾倒するリトナーがイヴァン・リンスのヴォーカルを見事に引き立て、本作のカラーを決定づけた。

ジャズ・ドラムを革新したトニー・ウィリアムスのライフタイムによる1969年の歴史的名盤。鋭角的なジョン・マクラフリンのギターとうねるラリー・ヤングのオルガンを武器に、フュージョン期の嚆矢となった一作。

パット・メセニーのキャリアの中でも特異的な位置を占めるソロ・ギター作。過去にレコーディングされたものの陽の目を見ていなかった音源をたたき台としてまとまりのあるアルバムに仕上げた、ベテランならではの一枚。