サックス奏者のテンダーロニアスらからなる英国の先進的ジャズ・グループによる5枚目のアルバム。オーヴァーダブを極力避けるそれまでのスタイルに、スタジオ・プロダクション的なアプローチをプラスした新機軸の内容だ。

ワイングラスを片手に優雅な時を過ごす際に寄り添ってくれるジャズの名曲を集めた2枚組コンピレーション。ビル・エヴァンスやオスカー・ピーターソンのインスト曲のほか、ヘレン・メリルら名歌手の楽曲も多数収録。

ドラマーのマサ・オグラを中心とする4人組グループによる2025年のアルバム。「星影のステラ」を除く3曲は旧約聖書に着想を得たオリジナル楽曲。即興演奏によるライヴ録音で構成され、安ヵ川大樹ら国内屈指の実力者のクリエイティヴな演奏が楽しめる。

ブラジルの実力派ギタリスト、ダニエル・サンチアゴによるソロ・ギター作品。ジャズ・ギター・シーンを牽引したカート・ローゼンウィンケルの音楽を自身の持つブラジリアン・テイストでアコースティックに料理してみせた意欲作。

10年ぶりのオリジナル・アルバムを携えた、2025年11月の来日公演へ向けたコンピ盤。クラシックをはじめ、ジェシ・ヴァン・ルーラーを迎えたサンタナの「哀愁のヨーロッパ」を含むポップスなど、多彩なジャンルのおなじみの楽曲を収録している。

映画／テレビ音楽に加えてノイズや即興も得意とする音楽家、大友良英が率いるビッグバンドのライヴ・アルバム。2024年10月28日に行なわれたロンドンのCafe OTO公演が中心となっており、脂の乗り切った演奏が堪能できる。

ピアニストの武本和大による全曲オリジナルの2025年発表作。2014年に結成したトリオをメインに、パーカッション奏者の岡本健太やヴァイオリン奏者らを迎え、より深遠な世界観を表現するに至っている。

チック・コリアの生涯最後のライヴ演奏を収めたファン垂涎のアルバム。2020年10月、コロナ禍による制限の中で米・フロリダで行われたソロ・パフォーマンスを収めたもので、彼のキャリアを彩る重要曲が多数披露されている。

スウィング期の名ドラマー、チック・ウェブが率いたビッグバンドと当時の専属ヴォーカリストだったエラ・フィッツジェラルドの貴重な録音。1939年のラジオ放送を音源とするもので、「ワン・オクロック・ジャンプ」のような有名曲も収録。

ギタリストとしてのみならず後進の育成にも尽力する三原淑治が、ベーシストの中島教秀とデュオで録音したアルバム。「ドルフィン・ダンス」のような有名曲もとりあげているが、ガット・ギターを選択することで独特の音像が形成されている。

名古屋を拠点に数々のバンドの鍵盤奏者として活躍するピアニスト、IKU（芝田育代）のソロ・プロジェクトの1stアルバム。サポートのギター、ベース、ドラムスに重なりながら、心の内を映し出すかのようなリズミカルでリリシズムあふれる演奏が聴ける。

人気白人テナー・コンビ“アル＆ズート（・シムズ）”によるNYハーフノートでのライヴ。ともにレスター派の二人が、よく歌うソロの応酬をスリリングに展開する。後半2曲にはフィル・ウッズも参加。

西海岸で活躍した黒人サックス奏者カーティス・アミーが、パシフィック・ジャズに遺したハード・ドライヴィングな一作。共演のデュプリー・ボルトンはレコーディングがほとんど残っておらず、それだけにこの1963年作は貴重。

コルトレーンの名盤に参加するなどしてジャズ・トロンボニストの地位を築いたカーティス。本作が吹き込まれた1959年当時は、リー・モーガンら参加陣もみな若々しく、溌剌としたハードバップを聴かせてくれる。

ギル・エヴァンスの編曲により、モンクやパーカーらのジャズ・チューンに新たな魅力を吹き込んだ1958年のアルバム。キャロンボール・アダレイら名プレイヤーのソロが適所に配置された聴きごたえのある一枚。

リハーサル・オーケストラから出発したサド＝メル楽団の、1969年吹き込みによる不朽の名作。一流メンバーの活き活きとした表情がアルバムの隅々にまで行きわたっている。楽曲も秀逸だ。

サド＆メルの華麗なるジャズ・オーケストラが名門ジャズ・クラブで行なった1967年の名演を収録したもの。サドやボブ・ブルックマイヤーらによるアレンジも秀逸で、彼らの代表作といって差し支えないSolid State盤。

タイトルどおり、映画音楽を題材とした1960年代初期の一枚。時にはバリトンサックスからテナー、さらにはフルートまでを器用にこなすリチャードの実力が存分に発揮されている。クインテットによるライヴ録音。

ヒップでファンキーなオルガン奏者ジミー・マクグリフが1968年に発表したアルバム。ブルー・ミッチェル、ダニー・ターナーらを迎え、グルーヴィでエキサイティングな演奏が繰り広げられる。マクグリフの傑作ファンク・ジャズ作品。

ジャズ・クルセイダーズがパシフィック・ジャズに遺した1967年のアルバム。陽気でほのぼのとしたジャケットだが、中身はスリリングなソロも含めてかなり濃厚。逆に70年代のファンキーさは薄めだ。

フュージョンの嵐が吹き荒れる遥か以前に、ジャズの形式にとらわれないサウンドを追求していた革新的グループの1stアルバム。低音2管とジョー・サンプルのピアノのソウルフルな絡みは必聴だ。

ブラジリアンやスパニッシュな雰囲気を漂わせる1966年のデュオ作品。繊細なアコースティックギターとパーカッションによるシンプルな対話。典型的なジャズメンとは違うジャック・マーシャルのスタイルは聴きもの。

『サムシング・クール』で知られるジューン・クリスティの快作。1958年録音。ケントン楽団でアニタ・オディの後任となり名声を得た彼女が、明朗快活な歌唱を聴かせるスウィング・アルバム。ボブ・クーパーの編曲も聴きもの。

白熱のライヴというよりは、くつろぎを感じさせてくれる好演。独特の存在感のある太いサウンドと欧州ジャズメンの醸し出す洗練された雰囲気が融合した、ズート・シムズのキャリアを代表する名盤だ。

バーニー・ケッセルやケニー・ドリューといった名手の後押しを受けたソニー・クリスの会心バップ作。当時のジャズ・アルト奏者としてパーカーの影響を受けながら、バラード演奏ではムーディなプレイも披露。