岐阜県各務原市の貞照寺に眠る、世界的な女優・川上貞奴の生涯を描いた草の根オペラ“オペラ貞奴”シリーズ。その発起人であり貞奴を歌い続けるソプラノ歌手・金光順子による「貞奴のアリア」を集めている。岡部敬太郎との二重唱も収録。

バロック後期の無伴奏作品を集めた珍しくも興味深いアルバム。多くは一般的に知られていない曲だが、ファウストの演奏が、心をとらえて離さない。バロック・ファン、ヴァイオリン・ファンともにお薦め。

2024年の来日リサイタル・ツアーでもオール・ラヴェル・プログラムを披露したチョ・ソンジンが、ラヴェル生誕150周年を記念してラヴェルのソロ・ピアノ作品の全曲録音に挑戦。初期から円熟期の作品まで、さまざまな年代のラヴェル作品が味わえる。

2005年に録音されたアルバムの久方ぶりの再発売。当時話題となったコンサートツアーでの曲目で構成されている。シューベルトからストラヴィンスキーまで、ロマン派から近代までの変遷がうかがえる。

シュニトケのスペシャリストとして知られる韓国のコ・ヨンギョンによる、54年に作曲したシュニトケの「前奏曲とフーガ」とショパンの「前奏曲集」の組み合わせ。2つの色彩に富んだ前奏曲を見事に描いている。

若手演奏家を紹介する「高崎芸術劇場T-Shotシリーズ」第13弾。本作ではヴィエニアフスキ国際コンクール優勝者の前田妃奈が登場し、グリーグの3曲の傑作ソナタを録音。豊かな感受性あふれる演奏だ。初回限定でDVD付。

J.シュトラウスII生誕200年記念の年を飾るニューイヤー・コンサートの指揮を務めるのが、4年ぶり7回目のムーティ。今回も工夫や趣向を凝らしたプログラムで、記念年にふさわしい至福のひと時が味わえる。

ブルックナー生誕200年記念SACDハイブリッド・シリーズの最後は、84年1月31日のライヴ。最近発見されたマスターテープから入念にSACD化しており、ミュンヘン・フィルの精緻な響きが正確に再現されている。

2012年に発売されたもの。2025年来日記念で3度目の無伴奏だ。作曲当時の宮廷内で使用していたピッチを採用し、第6番はピッコロ・チェロを用い、時代考証も万全で臨んだ録音だった。ウィスペルウェイ渾身の一枚だ。

フランスを代表するヴァイオリニストの一人、カプソンによるR.シュトラウス作品集。CD3には小澤指揮による未発表録音「英雄の生涯」を収録。CD3枚を通して、カプソンのシュトラウスへの深い理解が感じられる。

疑似ステレオ版のベートーヴェン・アルバムに続く第2弾。過去に出た2枚のCDをまとめたものだが、いずれも待望の登場だ。異端だった疑似ステレオが宇野功芳のお墨付きを得て認知された。あらためて聴いてみよう。

16歳で亡くなった息子ドリアンへ捧げた『イン・メモリアム』の第1巻。ドリアンに大きな影響を与えたというシューベルトの作品で構成している。父親の万感の思いを込めた、深々としたチェロの音色が印象的だ。

16歳の若さでこの世を去った息子ドリアンに捧げた『イン・メモリアム』の第2巻は、亡くなった後に録音された無伴奏の傑作集。スコルダトゥーラ（変則調弦）をテーマに選曲されていて、暗くも力強い作品集となった。

イブラギモヴァとティベルギアンによるコンビの3年ぶりのアルバムは、2024年の来日公演でも好評だったシューマンのソナタ集。晩年のシューマンが到達した至高の境地が描かれている。名コンビによる入魂の演奏だ。