アリス・コルトレーン自身が師事した人物の名を冠した1970年録音作。魅惑的なハープ・サウンド、スピリチュアルこの上ないファラオ・サンダースのサックスなど、一度ハマったら抜け出せない魅力を湛えたアルバムだ。

カナダが誇るジャズの歌姫、ダイアナ・クラールが96年にリリースした3rdアルバム。トミー・リピューマのプロデュースのもと、完成されたヴォーカルとピアノが聴かせる安定感抜群のパフォーマンスに酔える。

グラミー賞にも輝いた99年発表の代表作。トミー・リピューマやデヴィッド・フォスターをプロデューサーに迎え、編曲はジョニー・マンデルが担当。スタンダードに加えた独自のアレンジを背に、より洗練されたダイアナの歌唱が贅沢に味わえる。

切々と歌い上げるタイトル曲をはじめ、ニーナ・シモンの魅力が横溢する1965年のフィリップス盤。ハル・ムーニーとホレス・オットの指揮するオーケストラは、楽曲により絶妙の押し引きで歌唱をサポートする。

今なお後進に多大なる影響を与えるビリー・ホリデイが、晩年にヴァーヴに吹き込んだ一作。タイトル曲ではジミー・ロウルズやバーニー・ケッセルの趣味の良いバッキングと説得力抜群のベン・ウェブスターのソロが聴ける。

台湾の鬼才サックス奏者である謝明諺が、日本の大友良英や山崎比呂志といった個性派プレイヤーとがっぷり四つに組んだ2024年録音作。個々の奔放なプレイとメンバー全体で織り成すサウンドの双方を楽しみたい一枚。

2025年4月に銀座の画廊で行なわれた坂田明、瀬尾高志、乾純の即興ライヴ音源。サックス、クラリネット、歌と変化する坂田の表現に、乾のドラムと瀬尾のコントラバスがからみつく熱い実況録音盤だ。坂田と古今亭志ん彌のトーク・セッションも収録。

サックス奏者の吉田野乃子らからなる北海道のエレクトリック・ジャズロック・バンドによる3rdアルバム。ジャズや映画音楽からメタルやアニソンまで、さまざまな音楽性を内包した楽曲を、メンバー各自が持ち寄って制作された。

レイ・ブラウンとハーブ・エリスを伴った最高峰のオスカー・ピーターソン・トリオによる1957年のライヴ。オランダを舞台に録音されたものかと思いきや、実際はシカゴでの録音。曲芸レベルのスウィングを楽しむ一枚だ。

オスカー・ピーターソンが1950年代初頭に遺したリーダー・アルバム。一部の曲を除きレイ・ブラウンのベースのみを伴って演奏されているにもかかわらず、冒頭の「キャラバン」からは比類ないスウィング感が体験できる。

スウィンギー・ピアノの代表格が1952年に遺したリーダー作。レイ・ブラウンの安定感抜群のベースはもちろん、圧倒的なグルーヴ感を生み出すバーニー・ケッセルのギターが主役のピーターソンに勝るとも劣らない存在感を放つ。

オスカー・ピーターソンがスウィンギーな演奏でカウント・ベイシー関連の楽曲をとりあげた1955年の一作。稀代の名ドラマーであるバディ・リッチが参加し、ただでさえハード・ドライヴィングな演奏に拍車がかかっている。

稀代のスウィング・ピアニストが1959年にガーシュウィン・ソングブックに取り組んだ一作。3分弱の短めの演奏が多いが、ドラムを含むトリオとバーニー・ケッセルを含むドラムレスのトリオの2種類が楽しめるのもポイント。

オスカー・ピーターソンのトリオが、1959年にヴァーヴに遺した人気作。ドラムのエド・シグペンを含む非の打ちどころのない三人が「ラヴ・フォー・セール」を含む名曲に取り組んでおり、ジャズ入門者にも奨められる一枚。

スウィングさせたら右に出る者はいないオスカー・ピーターソンが、母国カナダのオンタリオで行われたフェスに出演した際の実況録音。彼の代表的なトリオともいえるハーブ・エリス、レイ・ブラウンとの圧倒的パフォーマンス。

ジェリー・マリガンをはじめとする人気者とオスカー・ピーターソンのトリオが共演した1957年録音。貫禄たっぷりのハリー・エディソンのトランペットや一聴してそれとわかるスタン・ゲッツのサックスなど聴きどころは尽きない。

レイ・ブラウンとエド・シグペンの重厚感たっぷりのリズムにのってスウィングしまくる「ライザ」で幕をあける1959年録音作。良くも悪くもいつものピーターソン節が聴けるが、トリオのまとまりは他の作品をも凌ぐ。

ドラムレスで強烈にスウィングするオスカー・ピーターソンのトリオとゲッツを組み合わせるというノーマン・グランツならではの発想から生まれた1957年作品。テンポによって表情をガラリと変える演奏は見事。

オスカー・ピーターソンが盟友となるレイ・ブラウンと初めて共演した1956年録音。ノーマン・グランツとの邂逅という点でも重要な位置を占める一枚で、小粋にスウィングするタイトル曲をはじめ内容も折り紙付き。

美麗なジャケットが印象的なオスカー・ピーターソンのヴァーヴ盤。内容も劣らず美しいもので、冒頭のスタンダード「ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド」では彼らしいコロコロと転がるような愛らしいソロを聴くことができる。

1950年代前半に行われたオスカー・ピーターソンの4つのリーダー・セッションからの音源で構成されたアルバム。当時共演を重ねていたギタリストのバーニー・ケッセルを含むコンボによる小気味よいスウィングを堪能できる。

ジャズ・ピアノの巨人が自身のヴォーカルを披露した貴重なアルバム。ハーブ・エリスやレイ・ブラウンといったおなじみのメンツとの録音であり、バラードを中心としたピーターソンの温かみのある歌唱を心置きなく楽しめる。

オスカー・ピーターソンがプレジデントことレスター・ヤングと共演したヴァーヴ盤。冒頭のブルースからレイドバックした演奏が聴ける作品で、「トゥー・トゥ・タンゴ」ではヤングのアンニュイなヴォーカルも聴くことができる。

活動拠点を米・ロサンゼルスに移した桑原あいの新たな門出のようなアルバム。上原ひろみとの共演で知られるジーン・コイのほか本場の実力派プレイヤーが参加しており、レッチリやMJなどもとりあげているのが興味深い。

英・ロンドン生まれの正統派ジャズ・ピアニストによる2025年発表作。ベテランのジョー・ファンズワースらとのトリオでガーシュウィン・ソングブックに挑んだもので、ラッチンのピアノをとおして偉大な作曲家の遺産を改めて楽しむことができる。