フランスでの器楽曲の振興を唱えたサン＝サーンスによるフランス最初期のピアノ協奏曲を、デュトワが3つのオーケストラを振り分けて完成させた全集。ロジェとデュトワによる洗練された素敵な演奏ができあがった。

サラサーテに捧げたサン＝サーンスの協奏曲と、自身ヴァイオリンの名手でもあったヴュータンの協奏曲。チョン・キョンファによる切れのいい情熱的な演奏は、これらロマン派の傑作を見事に描き切っている。

プーランクの協奏曲3曲を収録したアルバムであり、指揮のデュトワ初のプーランク・アルバム。パスカル・ロジェをはじめ3人の優れたソリストたちに恵まれ、パリの香りを感じさせるセンスのよい洒落た感覚の名演奏を聴かせてくれる。

マルタ・アルゲリッチが80年代にライヴ録音したチャイコフスキーとラフマニノフの協奏曲。最終楽章でのベルリン放送響、バイエルン放送響との火花を散らすようなやりとりを含め、ライヴならではの高揚感に満ちた演奏が楽しめる。