[PC Audio Extra]これから始めるハイレゾ再生の世界 ソニーのハイレゾ・オーディオと注目ソフト――Sony HAP-S1 / SS-HA1

2014/01/30掲載
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これから始めるハイレゾ再生の世界
ソニーのハイレゾ・オーディオと注目ソフト
Sony HAP-S1
Sony HAP-S1
オープン価格 79,800円前後

■内蔵HDD容量: 500GB ■再生対応ファイル: DSDIFF / DSF / WAV / AIFF / WMA / FLAC / ALAC / MP3 / AAC / ATRAC ■出力: 40W + 40W ■入出力端子: デジタル入力 x 2(光 / 同軸) / ライン入力 x 2(RCA) / ライン出力 x 1(RCA) / ヘッドフォン x 1 / スピーカー x 1 / EXT端子 x 1(USB) ■外形寸法: 265W x 88H x 304Dmm ■重量: 5.8kg
※お問い合わせ: ソニー(株) www.sony.jp
一気に変わりはじめたハイレゾをめぐる状況
 いま「ハイレゾ」が大きな注目を集めている。
 ハイレゾという言葉が示すところの“CDよりデータ的に音のよい”音楽ファイル形式は、ずいぶん前から存在していたものの、それらはあくまでも、音質重視派のあいだだけで重宝されているマニアックな存在だった。それが2013年秋になって、大きく様変わりすることになる。ソニーが“ハイレゾ元年”と銘打って、PCオーディオシステムからウォークマンまで、幅広い「ハイレゾ」対応製品をラインナップしてきたのだ。これによって、家でも外でも、MP3やAAC音源と変わりない手軽さで、ハイレゾ音源を楽しむことができるようになった。
 もちろん、これまでもハイレゾ対応機器は少なからずあった。ホームオーディオ機器としては国内外のオーディオメーカーがすでにハイレゾ音源対応の製品を数多くリリースしているし、PCオーディオで活用するUSB-DACも、いまやハイレゾ対応製品“しか”存在しないくらい。ポータブルオーディオの世界でも、昨年発売されたiriverのAstell & Kern「AK100」が、高級ポータブルプレーヤーとしては異例といえるほどのヒット作となっている。しかしながら、ハイレゾには決定的な弱点があった。それは、ハードウェアが対応していても、用意されるコンテンツが限られてしまっていたからだ。そう、ハイレゾ音源といえば、クラシックやジャズなどの名盤がメインで、J-POPやアニソン・ファンに“欲しい”と思わせるタイトルがまったくといっていいほど用意されていなかったのだ。
 それが、ソニーの“ハイレゾ対応”製品の大々的展開から、一気に事態が変わっていく。音楽配信サイトの「Mora」がこれまでの圧縮音源に加えてハイレゾ配信もスタート、しかも、いきものがかりや、春奈るな豊崎愛生など、タイトルを拡充してきたのだ。
 そんなハイレゾシーンのなかにあって、いま多くのアニソン・ファンから注目を集めているサイトがある。それは、ハイレゾ音源配信サイト「e-onkyo」だ。以前から国内外のハイレゾ音源を幅広く配信しているe-onkyoから、ランティスをはじめとするアニソンがリリースされはじめたのである。
 とくに驚きだったのが、『ラブライブ!』の配信スタートだ。先に述べたとおり、ハイレゾ配信はマニアックなコンテンツが多く、“いまCDで売れている”メジャーなタイトルがラインナップされることはない傾向にあった。そんななかで、人気の『ラブライブ!』や『ガールズ&パンツァー』などのタイトルが、惜しげもなく登場してきたのである。実際ラブライブ!は、2週間でシングル5タイトルが1万ダウンロードを記録するなど、これまでのハイレゾ音源とは桁違いのヒットを記録。いっぽうで、キングレコードも名盤『エヴァンゲリオン』を用意するなど、J-POPよりも先にアニソンのハイレゾ音源が充実していきそうな勢いとなっている。
Sony SS-HA1
Sony SS-HA1
オープン価格 69,800円前後 / ペア

■ユニット: 13cmウーファー / 2.5cmドームトゥイーター / 1.9cmドームトゥイーター x 2 ■再生周波数: 48Hz〜50kHz ■インピーダンス: ■出力音圧レベル: 86dB ■外形寸法: 185W x 312H x 312Dmm ■重量: 4.8kg
※お問い合わせ: ソニー(株) www.sony.jp
手軽、簡単、高音質を実現 ソニーが変えるハイレゾの世界
 そんな“楽しいハイレゾ”が再生できるソニーの一体型ハイレゾオーディオシステム「HAP-S1」とスピーカー「SSHA1」を紹介しよう。試聴ソフトには、ランティスのアニソンをはじめとするさまざまなハイレゾ配信音源を用意した。 このHAP-S1は、プリメインアンプとしての機能だけでなく500GBのHDDも搭載しており、4.3型のフルカラー液晶を見ながら、これ1台でハイレゾ音源が再生できるようになっている。音源データをHDDへ転送・保存するのも、パソコンに無料の専用ソフト(Windows / Mac対応)をインストールするだけで自動的に行なってくれるので、操作は至って簡単だ。
 それでいて、音質的なクオリティはかなりのもの。バーブラウン社製DAC「PCM1795」やツインモノ方式のLR独立パワーアンプ、大型電源ブロックコンデンサーなどのおかげもあってか、ダイナミックレンジが広く、抑揚表現も細やか。ハイレゾ音源ならではのアドバンテージを、大いに発揮してくれる。
 実際、『ラブライブ!』の「Snow halation」をCD版と聴き比べてみたが、楽器の音色がとてもリアルで、実は演奏がほとんど生楽器だった、ということがよく分かった。また、ヴォーカル9人のコーラスも、しっかりと立ち位置が分かれていて、それぞれの声がしっかり感じ取られるミキシングになっていることにも気がついた。これぞCDにはない、ハイレゾ音源ならではの楽しみといえる。
 加えて、e-onkyoから配信されている他のタイトルのDSD音源も再生してみたところ、こちらはさらによかった。きめの細やかさ、音のリアルさが格段に向上、まるでステージの目の前で演奏を聴いているかのようだ。
 音の生々しさ、きめ細かさという点で、ハイレゾ音源は大きな楽しみを与えてくれる。HAP-S1とSS-HA1の組み合わせは、それをしっかりと伝えてくれた。
試聴・文 / 野村ケンジ
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