【SEBASTIAN X】自分自身を開放し、奔放かつ自由なポップ・ミュージックへと昇華させた2ndフル・アルバム!

SEBASTIAN X   2013/09/03掲載
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SEBASTIAN X
“POWER OF NOISE”
 ポップ・テイストを全面に押し出したシングル「ヒバリオペラ」、高揚感あふれるバンド・サウンドと“遺伝子レベルから発せられる歌”をテーマにした歌詞がひとつになった「DNA」を含む2ndフル・アルバム『POWER OF NOISE』をリリースしたばかりの、SEBASTIAN X。自分自身をさらに開放し、奔放かつ自由なポップ・ミュージックへと昇華させた本作、そして、9月からスタートするレコ発ツアーについて、ヴォーカリストの永原真夏に聞いた。
――『POWER OF NOISE』は"人間賛歌"という言葉がよく似合うアルバムだと思います。まず、真夏さん自身が気持ちよく開放されていることが真っ直ぐに伝わってきて。
 「制作中、とくに何かを意識していたわけではないし、めちゃくちゃ気合が入っていたわけでもないんですけど(笑)、すごくナチュラルにできたなって思いますね。いま振り返ってみると、1stアルバム(『FUTURES』, 2011年)の頃は、気持ちが内に入ってたと思うんですよね。それが少しずつ開放されてきたというか」
――今回のアルバムによって、本来の姿に辿り着いたのかも。
 「あ、そうですね。ヘンに斜に構えたり、“こうじゃなきゃいけない”って表現の方法に固執するんじゃなくて、何にも捉われないで音楽をやろうって。言葉にすると"自然体"ってことになっちゃうんだけど、それよりもさらに開放されてるし、すべての扉を開こうと思ったんですよね。実際、レコ―ディングもすごく楽しくて、ワクワクした気持ちがずっと途切れなかったし。そのこと自体がアルバムのコンセプトであり、メッセージなんじゃないかなって」
――サウンド自体もシンプルになった印象を受けました。仕掛けやギミックを排除して、ストレートに自分たちの音を届けようという意思を感じるというか。
 「ベースの飯田(裕)君が“いままではキーボードとベースがぶつかってることが多かった”って言ってたんですよ。今回はふたり(キーボーディストの工藤歩里、ベースの飯田)とも“一歩引く”ということができるようになったのかも。私も以前は“このガチャガチャした感じもチャームポイントなんだろうな”って思ってたんですけど(笑)」
――アンサンブルが良い意味で整理されつつ、ダイナミズムはさらに増していて。あと、ポップスに近づいたという印象も受けました。
 「ずっとポップスを作ってきたつもりなんですけどね(笑)。ただ、いままでやってきたことがようやくカタチになってきたのかもしれないです。〈ヒバリオペラ〉のときにエンジニアの柏井日向さんに共同プロデューサーとして参加してもらったんですけど、そのときの経験も活かされてると思いますね。“マイナス(音数を減らす)して”ということを言われたんですよ。無駄な音を削ぎ落とすことで、聴きやすくなるし、歌もちゃんと伝わるんだってことに初めて気づいて(笑)」
――確かに、真夏さんの歌がめちゃくちゃ生き生きしてますよね。
 「歌詞を書いて歌うことが、私がいちばんやりたいことなので。いつもア・カペラで曲を作ってるから、何かの模倣にもならないし、そのときの状態がすごく出るんですよね。なるべく装飾が歌のなかに入り込まないように気を付けて……それがけっこう大変なんですけど。でも、歌うことって楽しいじゃないですか、単純に。カラオケ屋さんもぜんぜん潰れないし(笑)、歌うことは根本的に人を開放するんだと思いますね、絶対」
――なるほど。『POWER OF NOISE』というタイトルについては?
 「世の中にはいろんな意見があるし、情報もたくさんあるじゃないですか。たとえばドライヤーを買おうと思ってお店にいっても、“え、こんなに種類があるの? 選べないよ”ってことになったり(笑)。そういう状況がイヤだな、めんどくさいなと思うこともあるんだけど、そこからたくさん恩恵を受けているというか、力をもらってることもたくさんあるんじゃないかなって。ノイズを生命力に変えていきたい、という気持ちも入ってます」
――9月から始まる全国ツアーでも、SEBASTIAN Xの音楽のパワーをたっぷり感じられそうですね。
 「まず、アルバムの曲をいっぱいやりたいと思います! 今回は“年齢と性別をステージに持ち込まない”って決めてるんですよ。そういうことをぜんぶ脱ぎ捨てて、ひとつの生き物としてステージに上がれたらなって。本当に調子がいいときって、“自分が何者か”なんてことをまったく意識しないんですよね。そういうライヴを全土地でやりたいですね」
取材・文 / 森 朋之(2013年8月)
SEBASTIAN X ツアー2013 POWER OF NOISE
SEBASTIAN X
ツアー2013 POWER OF NOISE


9月14日(土)札幌を皮切りにスタート。ツアー後半戦はワンマンライブ。くわしくは公式ホームページ(sebastianx.info)へ

■ 9月14日(土)札幌COLONY
[共演] うみのて / 本棚のモヨコ / オトノエ

■ 9月20日(金)高松DIME
[共演] THEラブ人間 / ユナイテッドモンモンサン ほか

■ 9月27日(金)広島4.14
[共演] パスピエ / SuiseiNoboAz / ガール椿

■ 9月28日(土)岡山 ペパーランド
[共演] パスピエ / うみのて / SuiseiNoboAz

■ 9月29日(日)米子 ラフズ
[共演] キュウソネコカミ / うみのて / 森山らきあ / BIBA FREE

■ 10月4日(金)新潟 GOLDEN PIGS
[共演] きのこ帝国 / パスピエ ほか

■ 10月5日(土)水戸SONIC
[共演] チーナ / チャラン・ポ・ランタン

■ 10月26日(土)福岡Graf
ワンマン

■ 11月9日(土)仙台PARK SQUARE
ワンマン

■ 11月16日(土)名古屋 APOLLO THEATER
ワンマン

■ 11月17日(日)大阪 梅田Shangri-La
ワンマン

■11月22日(金)東京 恵比寿LIQUIDROOM
ワンマン
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