アルバム
『BUOYANCY』(ボイエンシー)を引っさげた
キリンジの全国ツアー<KIRINJI TOUR2010/11>の東京公演が、1月7日(金)、8日(土)と2日間、渋谷・CCレモンホールで行なわれ、両日計4,000人のオーディエンスを前に、会場が熱気溢れるキリンジ・ワールドに包まれました。
クラシカルなジャズの調べに乗せてメンバーがステージに登場、静かに、そしてミステリアスで力強く迫るイントロが印象的な「台風一過」で幕明け。今作『BUOYANCY』は、約2年半ぶりのアルバムであったため、もちろん全国を回る大型ツアーも久しぶり。オーディエンスも「待ってました」と言わんばかりの歓迎ムードで、とても温かい空気が場内に漂っていました。日本が打ち上げた月面探査機をモチーフに綴られたラヴ・ソング「セレーネのセレナーデ」では、泰行が間奏で初のスティール・パン演奏を披露する一幕も。
後半は、新旧織り交ぜた選曲。イントロから大歓声&拍手が起こったニューウェーブ調の「都市鉱山」では、
デヴィッド・バーンを彷彿とさせる高樹のメイン・ヴォーカルが終始会場を釘付けに。そして、「小さなおとなたち」「アンモナイトの歌」といった楽曲を披露。息を呑むような美しい楽曲展開から愁いを帯びた泰行の声。まさに静と動のコントラストがキリンジの歌世界の真骨頂だということを実証しました。そして「古い曲をやります」というMCに続けて演奏されたアンコールでは「愛のCoda」「Drifter」など、名曲ナンバーを惜しみなく披露。新旧織り交ぜた2時間強にわたるライヴは、割れんばかりの大きな拍手とともに終演しました。