没後40年近くが過ぎ、未だに色褪せない伝説のディーヴァ“
前野曜子”の企画アルバム『メモリアル・コレクション ベストII〜カヴァーズ COVERS』が、前野の命日である7月31日(木)に発売されます。
本作は、前野が残した音源から集めた珠玉の邦洋名曲カヴァー集となります。2018年に発売し好調な販売が続いている『
BEST』に続く『BESTII』の位置づけで、前『BEST』とは音源が一曲も被らない内容となっています。
ペドロ&カプリシャスの初代ヴォーカリストとして活躍した前野は、没後40年近くの歳月が過ぎましたが、その輝きは未だ失われていません。このたびのベスト・アルバム第2弾は、歌謡曲からフォーク、ポップスやロックまで、彼女の名歌唱の中から厳選された、珠玉の邦洋名曲カヴァー集。2025年最新リマスタリングが施された、全18曲が収録されています。
[コメント]本当に歌の上手い歌手だった。シンガーならば歌が上手で当たり前だと思われるだろうが、その常識が昨今では通じなくなってしまっている。だからこそ、前野曜子の歌声が再び脚光を浴びるのだ。彼女がこの世から去って、40年近くが過ぎたが、その輝きは未だ失せることはない。今回のベスト・アルバム第二弾は、前野曜子の名歌唱の中からカヴァー曲ばかりが集められている。少し意外に思われるかもしれないが、実は彼女は“カヴァー・ソングの女王”であった。「別れの朝」をはじめ前野在籍時のペドロ&カプリシャスのシングルは、すべて洋楽のカヴァーであったのだ。前野曜子の名唱にカヴァー曲が多いのには理由がある。もともと彼女は洋楽志向が強く、黒人音楽やロックを好んで聞いていた。ジャニス・ジョプリンも彼女の得意レパートリーのひとつであった。ペドロ&カプリシャスのリーダーであったペドロ梅村がこれを聞き、あまりの上手さに感動しグループに誘ったという逸話が残されている。前野には、洋楽に限らずさまざまな曲を自分のものにする才能があったのだ。もちろんこれが、彼女の並外れた歌唱力に裏打ちされていることは言うまでもない。――小川真一(音楽評論家)