2001年9月11日の米同時多発テロ後に、いったい何本のチャリティー・コンサートが行なわれたのか正直よく分かりませんが、今回はそんななかでも、比較的大規模に行なわれ、全米だけでなく世界中で放送された2つのイベントについてご紹介しておきます。

　ひとつは米同時多発テロの10日後、2001年9月21日に全米主要TVネットで生放映された、2時間のチャリティTV番組『アメリカ：トリビュート・トゥ・ヒーローズ（America A Tribute To Heroes）』（(WPBR-90066)\4935(税込)2002/01/17発売）。ブルース・スプリングスティーン、U2、スティーヴィー・ワンダー、ニール・ヤングなどのミュージシャン以外にも、クリント・イーストウッド、ロバート・デ・ニーロ、ジュリア・ロバーツ、モハメド・アリなどの映画界の大スターが、番組に多数登場してコメントを寄せていました。また、アル・パチーノやブラッド・ピットに至っては、寄付を受け付ける電話番として番組に出演していましたよ。なお、本番組は2002年1月にDVD化されています。

　そしてもうひとつは、犠牲者の遺族を支援するために、ポール・マッカートニーの呼びかけで多くのアーティストが集結した、2001年10月20日にNYのマディソン・スクエア・ガーデンにて行なわれたチャリティー･イベント『ザ・コンサート・フォー・ニュー・ヨーク・シティ』（(SIBP-16〜7)\5985(税込)2002/03/20発売）。エリック・クラプトン、デヴィッド・ボウイ、ミック・ジャガー、エルトン・ジョン、そしてザ・フーなど、信じられないような豪華なアーティストが出演し、そのトータル時間は5〜6時間にも及ぶ大規模なイベントでありました。2002年3月に発売された同イベントのDVDには、このイベントの模様以外にも、スパイク・リーやマーティン・スコセッシら映画監督によるショート・フィルムも収録されています。

　2003年3月にイラクへの攻撃が始まり、そして、現在もなお続くテロ。こんな時だからこそ、今もう一度このコンサートを観返って、“願っていたのは平和であって、報復ではなかった”と思いたいものですね？