1883年(明治16年)5月9日に現在の富山県が設置され、2013年(平成25年)にその130年の節目を迎えたことを機に、富山県は5月9日を「県民ふるさとの日」に制定。ふるさとの歴史や風土、文化、産業などに理解を深め、誇りと愛着を育むことを目的として“富山県の誕生日”を祝す日としています。この日は、美術館や博物館などの県の施設を無料開放するなど、富山の魅力を再認識できる日となっています。
そんな富山「県民ふるさとの日」にちなんで、富山県出身のアーティストを少しばかり紹介していきましょう。
音楽プロジェクトの88flavors(エイティエイト・フレイヴァーズ)としても活動しているmayukoは、富山市出身。「決意の朝に」「虹」「千の夜をこえて」などのヒット曲を放ち、『NHK紅白歌合戦』にも2度出場したロック・バンド、
Aqua Timezのキーボーディストといった方がおなじみかもしれません。Aqua Timezは2018年に解散しましたが、2025年8月24日でデビュー20周年を迎えるのを機に、2024年に再結成。2025年いっぱいまでの期間限定で活動を継続しています。
BLANKEY JET CITYをはじめ、数々のバンドのドラマーとして名を馳せるほか、ソロ・プロジェクトの
LOSALIOSとしても活躍した
中村達也。
勝井祐二(
ROVO)、
スガダイロー、
山下洋輔、
大友良英、
近藤等則、
ビル・ラズウェルらさまざまなアーティストと共演を重ねるほか、俳優としても映画やドラマに出演。
斉藤和義との
MANNISH BOYSや、
チバユウスケ、
イマイアキノブとの
The Golden Wet Fingers、
仲井戸麗市との
the dayなど、幅広い独創的な活動を展開しています。
1981年に「完全無欠のロックンローラー」のヒットを放ったバンド、
アラジンのヴォーカルを務めていた
高原兄は、富山市出身。アラジンとしては「完全無欠のロックンローラー」以降はふるいませんでしたが、
羞恥心「羞恥心」をはじめ、
Pabo、
里田まい with 合田兄妹といったバラエティ番組発ユニットの作曲を手掛けたことでも知られています。
サンスクリット語で“自然に育つ”という意味を持つロック・バンドの
SAHAJi(サハジ)は、富山市出身の兄・西田蕉太郎と弟・西田曜志朗による兄弟バンドで、2002年に結成。
オアシスや
ブルース・スプリングスティーンなどのレコーディングを担当したニック・ブラインに高く評価された「Future In The Sky」で2024年にCDデビューを果たすと、全英8位を記録し、英国内で注目を浴びました。その年の5月に地元・富山で凱旋ライヴを行ない、翌月よりロンドン・ツアーを展開しています。
女性ヴォーカル・ユニットの
Kalafina(カラフィナ)やソロ・プロジェクト“
H-el-ical//”で活動していたシンガーのHikaru。2008年よりKalafinaのメンバーとして活動し、解散後の2019年からソロ活動をスタート。2022年からフリーで活動を継続し、Hikaru名義でも数々のアニメ作品の主題歌や作詞を担当しています。
Shiggy Jr.(シギー・ジュニア)のヴォーカルを務める池田智子も富山県出身。Shiggy Jr.は2015年にシングル「サマータイムラブ」でメジャー・デビューを果たしました。2019年に解散しますが、2024年に再集結。同年に『LIFE GOES ON -EP』を配信リリースし、2025年5月2日にはZepp Shinjukuにてワンマン・ライヴを開催しました。この秋には富山、大阪、名古屋、東京でのツアーも予定されています。
ジャズ・サックス奏者の
原信夫は、生まれこそ樺太(サハリン)ですが、出身は富山市。
カウント・ベイシーをはじめ、
北村英治、
前田憲男といった著名ジャズマンや
美空ひばりほか歌手たちと数多く共演し、“
原信夫とシャープス・アンド・フラッツ”として『NHK紅白歌合戦』や『歌のグランド・ショー』などの音楽番組でも活躍しました。
2011年にCDシングル「in the room」で全国メジャー・デビューを果たしたシンガー・ソングライターの
水越ユカ(水越結花)は射水市出身。ラジオパーソナリティやモデル、演技、ミュージカル出演など幅広く活動し、とやまふるさと大使、いみずPR大使にも就任しています。また、2010年のホノルルマラソン挑戦を機に、以後マラソン大会やトライアスロン大会に数多く出場。応援ソングを制作して届けるなど、多岐にわたって活動しています。
ところで、アーティストが本業ではないものの、楽曲をリリースしている“富山人”も少なくありません。
風吹ジュンは八尾町(現・富山市)で誕生。『男はつらいよ 寅次郎の青春』や『釣りバカ日誌9』のマドンナ役、『前略おふくろ様』『あさが来た』『半分、青い。』など女優として活躍していますが、デビュー当初は初代ユニチカガールに選出され、グラビアアイドルとして一世を風靡。1974年に「愛がはじまる時」で歌手デビューを果たしています。翌年の「23才」までシングル4枚を発表。同曲は自身も出演したドラマ『寺内貫太郎一家2』の挿入歌に起用されています。
映画、ドラマ、バラエティ、ラジオ、CMなど多岐にわたって活躍している
室井滋は、富山県滑川市出身。音楽ももちろん守備範囲で、1987年の
斉藤由貴主演映画『トットチャンネル』の使用曲「東京ブギウギ」で歌手デビューを果たすと、1995年にはバラエティ番組『ウッチャンウリウリ!ナンチャンナリナリ!!』内の企画で誕生した音楽ユニット、
McKeeのメンバーとして高山理衣、
国生さゆりとともにシングル「Can't Stop My Heart!」でデビュー。1999年には日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した映画『のど自慢』での役柄、
赤城麗子名義でシングル「おしどり涙」を発表しています。そのほか、室井箱(滋)&山崎ハコ名義での「希望」や、こちらも富山県小矢部市出身のシンガー・ソングライターの
W.C.カラスと共作アルバム『信じるものなどありゃしない』をリリースするなど、音楽シーンでも存在感を発揮しています。
『アイドルマスター ミリオンライブ!』の高坂海美役や『鬼滅の刃』の栗花落カナヲ役、『わんだふるぷりきゅあ!』の猫屋敷まゆ / キュアリリアン役などを演じ、“うえしゃま”の愛称で人気の声優の
上田麗奈も富山市の出身です。声優アワード新人女優賞を受賞した翌年の2016年にミニ・アルバム『RefRain』でソロ・アーティスト・デビューを飾ると、2021年には東京・LINE CUBE SHIBUYAにて初ライヴを開催。2022年のミニ・アルバム『Atrium』まで、シングル、ミニ・アルバム、アルバムそれぞれ2枚をリリースしています。
宝塚出身OGでは、元月組トップスターの
剣幸が富山市出身。舞台『ガリレオ物語』テーマソングとなった「流星の丘」などのシングルや『剣幸ファースト・アルバム〜私の好きな歌〜』をはじめとするアルバムなど、多くの作品を発表しています。宝塚OG・歴代トップスターによるカヴァー・アルバム『麗人 REIJIN -Season 2』シリーズや
越路吹雪のトリビュート・アルバム『越路吹雪に捧ぐ』などにも参加しています。
(写真は、2012年8月リリースの風吹ジュンのベスト・アルバム『
ゴールデン☆ベスト』)